クチナシブルー液でブラウスを染め直し
クチナシブルー液を使って木綿のブラウスを染め直しました。色あいは、思ったより緑の入った青、落ち着いた、暗めのブルーです。
液体染料なので、液体を溶かすだけ。草木染らしさはありませんが、藍染よりも簡単、手軽に青色の植物染めを楽しむことができます。
濃い液で染めて、色むらがあった点が失敗でした。草木染めは汗や日光に弱いので、夏服はオススメではありませんが、実際どうなのか、自分で使って検証したいと思っています。
その後、着用後に洗濯して、色落ちしました。染め方の問題か、染料の問題なのかはわかりませんが、退色がはやくて、色の落ち方もいまいちでした。
染めた日:2019年7月8日
目次
青が染まるクチナシブルー液体植物染料
クチナシブルーは、梔子の実をタンパク質分解物と混ぜて酵素処理して工業的に作られた液です。クチナシ青色素は、天然由来の食用色素としても使われています。
普通のクチナシ染めは黄色ですが、クチナシブルーは青緑っぽい色に染まります。
青色が染まる草木染めは少なく、藍染とクサギの実だけです。あとは、ログウッドが紺色になるぐらい。
自宅で青色を染めたい時、藍染(化学建て)はニオイや薬品のハードルが高く、藍の生葉染めやクサギは材料の入手が大変です。それに比べると、簡単に青色が染まります。
クチナシブルー染めの材料
- コットンの薄地ブラウス 65g
- クチナシブルー液 原液150mlくらいを薄めた液 約3リットル ※濃すぎた
- 濃染剤カラーアップZB(木綿・麻を濃く染める濃染剤)
- みょうばん(スーパーで買った漬物用の焼きミョウバン)12g
※染液は、ワークショップの残液を使用しました。原液を追加しながら使ったので残液が濃かったです。ワークショップの話はこちら→ 2019年7月7日(日)液体植物染料染めワークショップ開催報告
クチナシブルー染めの手順
- 中性洗剤で服を洗う
- 濃洗処理:お湯6Lに濃染剤カラーアップZB 30mlを溶かして服を20分ひたす
- しっかり水洗い
- 先媒染:水にみょうばんを溶かして服をひたす(水6L、焼みょうばん12g、常温、20分)
- 水洗い
- 染液に服をひたす(原液150mlを薄めた液3リットル、常温、12分)
※濃すぎたため、20分予定のところを12分で終了 - しっかり水洗い
- 脱水してお風呂場に干して乾燥
- 中温でアイロンがけ
※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
※基本手順では、後媒染(染液→媒染→染液)ですが、先媒染(媒染→染液)で染めました。先媒染と後媒染のどちらがよいかの検証はしていません。
クチナシブルー染めの写真と説明
染め直し前のブラウス
以前、コチニールで染めたブラウスの脇が汗じみになり、鉄媒染で暗めに重ね染めしてごまかしていました。退色してきたのと、ピンクに飽きてきたので染めなおすことにしました。
重ね染めの場合は、再度濃染は不要ですが、縫い糸だけ濃染せず染まってなかったので、今回は濃染処理も行いました。
アルミ先媒染をした後の布の色。媒染液に入れるとコチニールの色が溶け出るので、ピンク色が抜けています。
クチナシブルー染液
染液に入れた直後。布にすぐに色が入っていく感じで、染液の濃度が濃すぎた気がします。
染液に12分つけた後。ねずみ色っぽい、暗い青色になりました。20分つける予定でしたが、濃すぎるのでここで終了しました。
すぐに染まってしまうぐらい濃い染液は、色むらになりやすく、よくありません。薄い色に染めたい時も、濃い染液で短時間に染めてしまうと、退色しやすくなります。
乾く前の色
洗濯機で脱水後、お風呂場に陰干ししました。染まった色が濃すぎると感じました。
この色は、自分に似合わない色だと感じて、パーソナルカラーをチェック。濡れた状態は、まさしく苦手なオータム色でした。
※パーソナルカラーについてはこちら→ パーソナルカラーのこと
乾燥後、洗濯機で洗った後の色
乾燥した後、色が薄まり、落ち着いた暗めの水色になりました。ネズミ色っぽいです。
下の写真は、一度着てから洗濯機で合成洗剤で洗った後のブラウスです。
ウエスト部分に色むらが出ました。服としては失敗です。もともとシミがあって、それが染色で強調されたのか、もしくは、染液が濃すぎて色むらになったのかです。
パーソナルカラーは、オータムを薄くした色。たぶん、オータム。イエローベースです。既製品の服でも、時々見かける色ですが、サマーの自分が着ると顔色がくすみます。
重ね染めなので、その影響がないわけではありませんが、クチナシブルーは、少し暗い色になると思います。
その後の色落ち
クローゼットに入れていて、時間とともに色が落ちました。濃い染液で短時間で染めてしまったためかもしれませんが、他の染料よりも落ちやすい感じがしました。
落ち方も、あまり美しくなく、色むらがある感じに落ちました。(撮影日:2019年11月20日)
草木染めは、染めてすぐ使うのではなく、1年くらい寝かせたほうが色が定着するのでよいかもしれません。何年も寝かせるという話も聞いたことがあります。
現実的な線でいくと、夏が終わったら夏服を染めて、しまっておいて、次の夏に着るとかでしょうか?
クチナシブルー液染めで思ったこと
- 染液が濃すぎた。液体染料は少しで濃く染まるので、入れすぎに注意したい
- ブラウスは失敗だったので、テスト的に着てみてから、他の植物染料で染め直したい
- 液体染料は、型染めや板締め絞りなど、濃い色を短時間で染めたい時に向いていそう
ワークショップのためにクチナシブルー液について調べたのですが、あまり情報がなかったので、何かの参考になれば幸いです。
※ワークショップのクチナシブルー染めの色はこちら→ 2019年7月7日(日)液体植物染料染めワークショップ開催報告
※他にも服を染め直したことがあります。その話はこちら→ 服の染め直し(草木染め)
不明点がありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お問い合わせください。