2020年10月特別企画「ウール染め」ワークショップ開催報告

ウール草木染め体験ワークショップ

特別企画、染めるものをウール(羊毛)に限定して草木染めする会を開催しました。液体植物染料(ログウッド、ラックダイ、クチナシブルー)をミックスして、青や紫系のきれいな色に染まりました。

場所は東京、新高円寺の民家です。今回の参加者は、リピーター3名、初参加2名の合計5名でした。草木染めはしたことがあるけれど、ウールを染めるのはみんな初めて。自分好みの色を目指して液体染料の量を調整したり、楽しんでもらえたと思います。

煮染めではなく浸し染めにしたので、お家でも染めやすいかと思います。ウールは他の素材よりもしっかり染まりやすいので、ぜひ自宅でもチャレンジしてみてください。

※ワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染めワークショップ

ウール草木染めの色あい

全部違う色、鮮やかな色に染まりました。

草木染めマフラーと毛糸

青っぽいマフラー2つと毛糸が、クチナシブルーとログウッドのミックス。赤紫と青紫のマフラーが、ラックとログウッドのミックス。使う割合や染め加減で、全部違う色になりました。

光加減で色が違って見えて、蛍光灯の下だと青はこんな感じ。実際はもう少し暗めで濃いです。

マフラーはこちらで準備したもの。毛糸は持ち込み、ユザワヤのウール100%毛糸(防縮加工)です。市販の防縮加工ウールが染まるのか定かではなかったのですが、染まってよかったです。

洗濯機で脱水、濡れた状態の色です。乾くと多少は色が落ち着くと思いますが、布よりは差が少ないかと思います。参加した方はぜひ乾燥後の写真をお送りください。このページに追記します。色あい、色むらの有無、質感も教えてください。

液体植物染料

液体染料は、煮出さずに濃色に草木染めができるので便利です。ウール染めに注力するため液体染料を使いましたが、今回の方法なら煮出してもなんとか時間内に染められるかもしれません。

ラック(赤系)とクチナシブルー(青系)は、民家に昔からあった在庫で古い物。液体植物染料は少量で染まるので、まだ使いきれてませんが、少し傷んできたので、そろそろ使いきりたいです。ログウッド(青紫~紺)は浅草の藍熊染料で買った新品です。

液体植物染料

青が染まる草木染めと言えば藍染ですが、アルカリ性なのでウールが傷みやすいです。クチナシブルーのウール染め、いいんじゃないかと思いました。

※染料を買う場所はこちら参照→ 草木染めに使う材料を買う場所(東京) 

ウールを浸し染め

モノゲンしつつ、お湯を浸透。時間がかかります。※ウールの染め方はこちら参照→ 毛糸を染める方法(ウールの草木染)

湯通し

ひとりひとりミョウバンや酒石英を計量して媒染液を作り、先媒染。

ウール染めの会は2月にも開催したのですが、その時は加熱しながら媒染や染色をしました。詳細はこちら→ 2020年2月15日(土)開催報告 2020年2月22日(土)開催報告

前回、少し色むらが出たので、今回はできるだけ色むらをなくすことを目指して、やり方を変えました。

今回は熱々のお湯をバケツに入れて、フタをしつつ媒染。マフラーがぎりぎり染められます。本当はもう少し大きい器がいい気もするのですが、物理的な制約を考えるとこれが限界です。

バケツで媒染

ウールは冷やせないので洗う時も湯洗い。この場所は給湯が無いので、お湯を沸かして、いかに使い回すか考えながらすすぎます。

各自自分なりのレシピで、原液をミックスして染液を作りました。原液は濃いのでこぼさないように、手につかないように注意。

ログウッドとクチナシブルーのミックス染液。

ログウッドとクチナシブルー液

ログウッド多めとラックダイ。少し沈殿してそうに見えたので、急いでかき混ぜたところ。

ラックとログウッド液

クチナシブルーだけの液。液が透明になるぐらい吸い込みがいいです。

クチナシブルー液

最後は湯洗いの後、バスタオルに包んで脱水しました。この民家には洗濯機があるので、助かります。

7月の藍の茎その後

7月に藍の生葉染めをして、葉っぱを使って残った茎を2本、お庭の土に差して帰ったもの。ピンクのお花が咲いて、こうべを垂れてました。そのうちに種が採れると思います。

藍の花

※藍の生葉染めした時の話はこちら→ 2020年7月特別企画「藍の生葉染め」ワークショップ開催報告

次回のワークショップ

10/25(日)に柿染めワークショップ(台風で延期したもの)をします。

11月も同じ場所で開催予定です。内容はまだ決まってませんが、お庭の植物を煮出す会や、古い液体植物染料を使い切る会もやってみたいです。詳細が決まり次第、ブログで募集をします。

今回、ミックスして染めるのもおもしろいと感じました。液体染料に限らず、違う種類の植物を煮出して染めてみたくなりました。

乾燥後のウール染め色あい

乾燥後の写真を参加者に送っていただきました。

クチナシブルーとログウッドのミックス。他の人より薄めの色のマフラー。好みの色とのことです。

クチナシブルーとログウッド染めマフラー

クチナシブルーとログウッドのミックス。毛糸。ちょっと明るくなったけれど、それほど変わってないように見えるそうです。

クチナシブルーとログウッド染め毛糸

ラックとログウッドのミックス。最初は濃い紫(葡萄色)で、日々ピンク系や茶色っぽい色が出現。柔軟剤はあまり効果なし、色ムラは気になるほどではないとのこと。写真のタッセル中央の色は色むらではなくプリズム。

ラックとログウッド染めマフラー

クチナシブルーとログウッドのミックス。カラーチャートで見ると紅碧(べにみどり)色で、色むらはあるもののウールは晒しほど目立たないとのことです。

クチナシブルーとログウッド染めマフラー

ご協力ありがとうございます。これから寒くなって使うのが楽しみですね。

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。
※つぎいろワークショップ全体についてはこちら→ 草木染めワークショップについて
※草木染めについて知りたい人はこちら→ 草木染めの目次