藍染とは何か、の続きの続き。藍建て2年目

藍建て

藍染めってなんだかいろいろあってよくわからない、単に草木染めで青色を染めたいだけなのに、ややこしい。というのが当初の気持ちで、それは以前に書きました。これです→ 藍染とは何か 

その後縁あって、種から藍を育てて少量のスクモを作って藍建てをする講座に参加するチャンスが訪れました。

その講座で、みんなで持ち寄った葉っぱから、みんなでスクモを作りました。去年、はじめて藍建てをした際は、そのスクモを使いました。その話はこちら→ 藍染とは何か、の続き。はじめての藍建て

自分でも畑にテントを立ててスクモを作ったのですが、去年はそれまで使う余裕がなく、今年になってやっと使うことにしました。

というわけで、今年の夏は(もう秋だけれど)自分で作ったスクモで藍建てにチャレンジしています。藍建て2年目。今思うことを書きます。

藍建て2024

小さいサイズの藍がめバケツですが、去年よりは倍以上サイズアップしました。

新しく藍建てをしてみて、去年と違うと感じた部分もあるし、同じように感じた部分もありました。

藍がめに手を突っ込んで液の中のスクモを触ったら、2年前にスクモを作った時のことを思い出しました。懐かしい感じ。この感覚は、手作りスクモでないと起きないことなんだろうな、と思った次第です。

藍建て

色が出てきた時。なにはともあれ色が出てよかった、と思いました。

藍建ての色見る晒し

今年の藍建ての目標は「人間pHメーターになる」だったのですが、人間pHメーターにはなれませんでした。機械のpHメーターは途中で壊れてしまったので、pHはお値段高めのpH試験紙AZYをちびちび使って確認。pHが違えば手触りも違うのか日々確かめてみたものの、思うようには感じ取れませんでした。

はじめて染めたもの

はじめて染めて、水洗いしているところ。

藍染水洗い

2024年に藍建てした藍がめで、はじめて染めたリネンストール。

当初は染め重ねてグラデーションにしてみようと思ったのですが、この水色がとてもよい感じがしたので、そのままにしました。

藍建てするためには灰汁が必要で、その原料の灰をピザ屋さんにゆずってもらったので、このストールはお礼としてプレゼントしました。

それぞれの色

2023年に建てたのは藍がめ1個だったのですが、その液を少し取り分けて、2021年の自家製沈殿藍を入れたものも作りました。2つとも冬眠させて初夏に目覚めました。なので、今年のとあわせて藍がめは計3個あります。

色を見るために染めた、小さなはぎれ。右が2024年の、真ん中が2023年の、左が沈殿藍を入れたのです。

せっかく3つあるので、それぞれで少しずつ染めたコースターを作りました。20年以上使っている自作湯呑みを置いて写真をとったところ。

手作り湯呑みと手染めコースター

想像していたよりぼんやりした感じに染まりました。

少し大きめサイズで染めておいて、どの部分を使うか枠を置いて考えてミシンで縫いました。

コースターの位置決め

そして、ステッチせずに手縫いでふさいだら、自分が好きな感じに近づきました。

コースターの閉じ

自己満足。というか、自分にとっては自分で建てた3つの藍がめで染めた、という価値のある色なのですが、他の人から見たら単なる青い藍染コースター。

ちなみに湯呑みは、すごく昔、ろくろがやってみたくて仕事帰りに駅前の陶芸教室に通っていて、作ったものです。自分からすると、ちょうどいい大きさでよく壊れずにまだ手元にあるな、というものですが、他の人から見たら、茶渋のついた汚い湯呑みです。

何度も染めること

すくもからの藍建てが、普通の草木染めや化学建ての藍建てと違うと思ったのは、1回染めて終わったり中断することがむずかしく、続けて何度も染めるという点です。

何回も染められるので「染めるものを準備が間に合わない」と去年思ったのですが、反省なく同じことが今年も起きてしまいました。

もっと早い時期から準備しておくべきだったのに、と始めてから思いました。なんだかもったいない気持ちになってしまって、大事に好きなものを染めたい、と思ってしまったことも原因の1つです。

藍がめのサイズが小さいので「とりあえず大きめの布を染めておく」ということはできないので、服なら服にしてから染めるのですが、最近服作りをさぼっていたので、型紙の調整から始めることになって、「あれ、今日も染められないでいる」という思う日が続きました。

服を染める

やっと縫えたフレンチスリーブのチュニック。

染めました。

やっと縫った、麻の長袖シャツ。

染めました。

その他にも、以前染めた服を重ねて濃く染めたりもしました。

服を染めて着てみると、「あれ、青い服ばかりになってしまった」と思いました。藍染あるあるかも。

藍染め服

服を作って残った生地がちょうど細長かったので、ストールにして染めました。ダブルガーゼで気持ちよいです。

藍染ダブルガーゼストール

他の色を重ねた時を想像しながら、濃淡をつけてみました。

ストールの染め分け

心地よさを優先して、端の処理は直線縫いだけにしました。

青紫や赤紫が好きなので、青い服じゃなくて、赤紫や青紫の服を着るために、藍染の上から赤っぽい色を重ね染めしたいと思っています。まずはコチニール染めを重ねてみたいです。

シーズンオフに事前に染めるものを準備しておく必要がある、と実感しました。来年こそそうできたらいいなと思いますが、できるのかな。

涼しくなってきた

薄い色は生葉から染めるというけれど、なんとなく薄い色は生葉から化学建てして染めた布のほうがきれいな感じがするような。布によって染まり具合が違うので、そのせいなのかな。

いつか生葉から発酵建てもしてみたい、化学建てもブドウ糖建てもうまくできるようになりたいと思うのですが、まずは今やっていることを進めないと。染めるものを縫わないと。

暑さが収まってほっとしている反面、染める時期の終了も近づいてきて、焦ります。(寒い時期に染める人もいるかもしれないけれど、冷たくなったら終わりがいいと思うので)

涼しくなったら、草木染めの煮出す作業が快適になので、藍染の上から重ね染めをしたい気持ちなのですが、藍染が終わってないので、染められるうちに染めないと。

そうこうしているうちに、今年の藍の収穫がだいたい終わったので、去年収獲した葉と合わせて、2年ぶりに少量のスクモ作りを始めました。今年はテントではなくて、古家で作れることがうれしいです。

自分としては「草木染めの中の1つの染料として藍がある」というスタンスだったのですが、岡山に来て3年半、なんだか藍に使う時間が多くなりました。来年は別のこともできるように、藍関連はスローダウンしたいです。

練習しなくては、とか、こうでないといけない、とか、いつの間にか思っている自分がいることに気づきました。藍だけではないけれど、もっと自分が好きなものを作ることも大事にしよう、と思いました。

※藍建てやスクモ作りの方法などについてはお答えしていませんが、その他不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。