藍の種取りの後、残った葉と茎で染める

藍の葉と茎の残りで染めた布

藍の種を取った後の、枯れた葉っぱと茎。捨てる前に染めてみることにしました。

濃染剤を使って、鉄媒染で紫っぽい好きな色に染まって嬉しいです。堅牢度はわかりません。

染め方はよくわからないのですが、やってみたことを書きます。

藍の残り染めで染まった色

いろんな色に染まりました。

藍の残り染めの色

シルク。左から1番液アルミ、2番液アルミ、3番液石灰。染めるタイミングや抽出のやり方で色が違いました。

シルクの色

いいと思った色は、1番液をすぐ染めたアルミ媒染のシルク(黄緑色)、3番液の濃染剤木綿の鉄媒染(灰紫色)と石灰媒染(ピンク)でした。

いいと思った色

シルクよりも濃染した木綿で赤みが出やすい感じ、伝わりますでしょうか。

シルクと濃染剤木綿の色差

葉付き茎の状態

種を取るために、11月下旬から少しずつ刈って、最後は1月下旬となりました。ベランダに放置していたものも、最後に刈ったものも、枯れ葉も、まぜこぜです。茎が赤くなったものが多かったです。

藍の残った茎と葉

煮出してテスト

一番液

水から煮出し。いい匂いがしました。藍の茎と葉216g、水10リットル。

一番液の抽出

一番液は、赤茶色の染液。

藍残り染め一番液の色

なんだか染まりにくい感じがしたので、ソーダ灰を少しだけ入れて染めました。すぐに染めた時のシルクのミョウバン媒染、黄緑色がきれいでした。

二番液

「天然染料と出会いましょう」という本に、インド藍の乾燥葉での赤紫染めの方法が書かれていて、藍の種類も材料の部位も違うんですけど、似た感じにならないかと思って、失敗。

※草木染関連の書籍についてはこちら→ 草木染めのやり方がわかる本

というわけで、二番液は、水10リットル、ソーダ灰20gとハイドロ20gを入れて煮込みました。

煮ているところ。茎の赤い色は消えています。

二番液の抽出

※赤紫染めの話はこちら→ 藍の赤紫染めのこと

シルクを染めて、淡い青磁色に染まりました。

三番液

藍の茎染めで、紫っぽい色をインスタグラムで見かけました。それが重曹抽出だったので、三番液はアルカリで煮込むことにしました。

水5リットルに、ソーダ灰8gを入れて煮出し。ペーハー試験紙で見ると、pH11。思ったよりアルカリ度合いが強かったので、クエン酸でpH7くらいに中和しました。

液自体は赤みがないわけではないけれど、茶色が強い雰囲気。シルクが小豆色の薄い色に染まりました。

3番液の染液
3番液で染めたシルク

3番液を取った後の、こした茎と葉から赤みが出ていました。葉と茎のどちらか分からないのですが、白くなってたはずの茎に赤みが出ているように感じました。

煮残った葉と茎と赤い液

煮残りを絞ってとれたエキスは赤かったです。

エキスの赤み

この現象は、重曹を入れて煮出した時、ドクダミ染めでもありました。この色だけを取る方法を知りたいです。

※ドクダミ染めの話はこちら→ どくだみ染めテスト

4番液も抽出して、同じシルクをさらに染めたものの、さほど色は変わりませんでした。

3番液がまだ使えそうな雰囲気だったので、翌日持ち越し。(日数を置くと赤みが強くなることもあるので)

翌日に温め直して染める

温め直すと、液の赤みが強まった感じ。茶色だけれども赤みが入った液色。同じシルクを重ね染めしました。

3番液翌日の液

昨日のシルクと比べると、赤みが強まっている感じがします。

別途、アルミ媒染、鉄媒染、石灰媒染での違いをテスト。五倍子下地は鉄だと、五倍子の影響が強くて濃紺。

媒染と下地での色の違い

乾いたら同じ色だったのですが、濡れた状態では石灰水のほうが色濃い感じがしたので、シルクは石灰媒染にしました。

そして、濃染剤の鉄媒染の色が紫っぽくて一番好きだったので、これを染めてみることにしました。

9号帆布を染める

染色用の真っ白な9号帆布を染めることにしました。92センチ幅1メートルの生地を3つにカット。堅牢度がよくわからないので、洗濯しないもの。A4サイズのトートバッグにする予定です。

帆布生地

事前に熱いお湯を通したほうがよい生地なので、ディスポンで高温で濃染しました。

ディスポン

※濃染剤の話はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて

衣装ケースを器にして染めています。液量が足りてませんが、よく動かして染色。5番液や6番液も煮出しましたが、液色がいまいちだったので使いませんでした。

鮮やかなピンクになりました。

1回目の染色の帆布

大物の水洗いは台所のシンクに水をためてしています。

シンクで水洗い

鉄媒染すると、だんだん紫になっていきます。

鉄媒染

最後、染液に戻したら5分ぐらいで液が黒くなってきたので、染色終了。

好きな色に染まりました。乾かす前。

自然乾燥後。ブルーベースの藤色。灰色ではないです。茜で鉄媒染した色、薄めの五倍子染めの色に似ています。こういう色が好きです。

乾燥後の帆布の色

もう一回新しく染液を作って重ね染めしようかと思ったものの、色が気に入ったので、そのまま使おうと思います。

染めた布をバッグに縫製

自分用の帆布トートバッグになりました。使い倒して色変化を観察します。

草木染め帆布トートバッグ

ちなみに内側のバイアス布には、五倍子染めの綿ローンをあわせました。

トートバッグの内ポケット

その後の経過

バッグを使い倒して半年後の色。本体は白っぽくなりました。淡紫色、好きな色ですが光には弱いです。暗所保管の端切れ、バッグ内ポケットは色が残っています。

カバンの色の経年変化

1年半後、別の染料(五倍子の鉄媒染)で染め直し。本当は同じ方法で染め直したかったのですが、残液が余ったので使いました。すすけた感じになりますが、色のトーンは似ていて好きな色です。

五倍子で染め直した帆布トート

染める前に洗っていたら、持ち手革の赤茶色が流れてきたので分解して布だけ染め直しました。

トートバッグ分解

使いすぎて持ち手の裏布はボロボロだったので作成時の余り布で更新しました。染め直してから気が付いたので、そこだけ元の藍の残り染めの色になっています。

持ち手部分

藍の残り染めで思ったこと

  • テストで染めるよりも、自分のために染めると楽しい。きちんとバッグにしたい。(形になっていない布在庫が多い)→バッグになりました!
  • 灰色だと思い込んでて今まで興味がなかった。ヒントをくださった方々、ありがたい。
  • アルカリで赤みを出して、鉄媒染で紫っぽくするのを、もっとやろうと思う。
  • 赤みの雰囲気は、そら豆染めに似ている。もっと濃い液が作れたら濃染剤無しで染まるかもしれない?

※そら豆染めの話はこちら→ 野菜で布を染める自由研究:そら豆染め

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。