生の五倍子で染め直し

ゴバイシ染めのブラウス

生の五倍子(ゴバイシ、フシ)をもらったので、以前、乾燥の五倍子で染めたブラウスを染め直ししました。鉄が濃すぎたのか、灰色が強く出て暗い紫色になりました。

五倍子は、煮出した染液は薄い黄色なのに、鉄媒染で紫色に発色するところが不思議です。

染めた日:2019年9月20日

草木染めブラウスの染め直し経緯

ブラウスを作るために黒豆でオックスフォード生地を染色。鉄媒染。ほとんど色が付かず、薄い灰色でした。(染めた日:2017年12月31日)

黒豆染めオックスフォード生地

立体裁断でパターンを作って、ドロップショルダー(肩のラインが落ちた形)のブラウスにしました。色は抜けて、ほとんど真っ白でした。(2018年6月)

黒豆染めドロップショルダーブラウス

乾燥染料の五倍子で染め直しました。このぐらいの薄い色、ブラウスとしてちょうどよいです。(染めた日:2018年6月16日)

五倍子のドロップショルダーブラウス

染め直す前。洗ううちに紫っぽさは消えて、グレーがかった白シャツになっていました。単に退色しただけで、シャツとして普通に使える色でした。

染め直す前のシャツ

今回、生五倍子で染めた後。灰色がかった紫色。想定より暗い色。鉄媒染が濃すぎたと思います。(染めた日:2019年9月20日)

ゴバイシ染めのブラウス

とりあえず秋色ブラウスとして着ようと思います。どんなふうに色が変化していくのか楽しみです。

生五倍子ブラウス染め直しの材料

  • ブラウス 236g
  • 生の五倍子 24g
  • 硫酸第一鉄 2~3g(小さじ1弱。入れすぎた)
  • お酢 大さじ1

生五倍子ブラウス染め直しの手順

  1. 生地をお湯につけておく
  2. 鍋に水10リットルと生の五倍子24gを入れて、沸騰後20分煮る
  3. こし布でこす
  4. 染液に布をつける(熱い状態。10分位)
  5. 水洗い
  6. 硫酸第一鉄2~3gをお湯に溶かしてから水10リットルで薄めて鉄媒染液とする(入れすぎた)
  7. 鉄媒染液に生地をつける(灰色になったので5分で引きあげた)
  8. 水洗い
  9. 再度、染液に生地を25分つける
  10. しっかり水洗い
  11. バケツ1杯の水にお酢(大さじ1)を入れて洗う
  12. 脱水してお風呂場に干して乾燥

※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹

生五倍子ブラウス染め直しの写真と説明

生の五倍子を煮出す

いただいた、生の五倍子。乾燥染料の五倍子は茶色くて硬いですが、生の五倍子は、緑色。ゴムパッキンみたいにフニャフニャ柔らかいです。

生の五倍子

五倍子はヌルデの虫こぶなので、中に細かい虫が入っています。虫を取り除きたい場合は、一度冷凍すると取りやすいらしいです。

ステンレス寸胴鍋に水10リットルとちぎった五倍子24gを入れて、沸騰後20分煮出しました。水量が多いので、沸騰するまでに30分ぐらいかかりました。アクみたいな白い膜が水面に浮いていました。これが虫なのかな?

五倍子染液抽出

染液

五倍子の染液は、とても薄い黄色。この色から紫色ができるなんて、不思議です。

五倍子の染液

染液にブラウスを入れます。10分入れてみました。

ブラウスの染色

染色、水洗い後のブラウス。前回染めているので、媒染が残っているのか、染液に入れただけで少し紫色に発色しました。

水洗い後のブラウス

鉄媒染

鉄媒染は硫酸第一鉄でやってみることにしました。2~3グラム(小さじ1弱)をお湯で溶かして、水10リットルに薄めました。

硫酸第一鉄

鉄媒染液にブラウスを入れると、紫というより灰色になっていきました。鉄が濃すぎたようです。媒染は5分で引き上げました。

五倍子鉄媒染

再度、染液

水洗いした後、再び染液へ。灰色っぽいまま、若干紫色になっています。25分くらいつけました。

五倍子染液

酢洗い、乾燥

水洗いした後、酢洗いをして、洗濯機で脱水。夜間、ベランダに干しました。

濡れていた時は、灰色になってしまうかもと思いましたが、乾くとそれなりに紫っぽさもあります。画像よりも肉眼で見たほうが、灰色がかった紫色です。

ゴバイシ染めのブラウス

ボタンも染まる

ブラウスの貝ボタンも薄く染まりました。ブラウスほど濃い色ではありませんが、なじむ色です。

五倍子染めボタン

重ね染め反省点

鉄が多すぎたのか、灰色が強く出てしまいました。重ね染めの場合、以前の鉄媒染分もあることを考えて、少し鉄を減らすべきなのかもしれません。

さほど目立ちませんが、前身頃の左側、ウエストあたりにシミが出ました。全体的には均一に染まっています。

五倍子染め色むら

着たシャツを重ね染めすると、同じウエスト近辺に色むらが出ることが多いです。食べ物のシミなど、着用中についた汚れが、染色によって目立つようになるのだと思います。これは目立ちすぎると服が着られないので問題です。

貝ボタン予備を染め忘れ

その後、来ているうちに前ボタンが1つ取れてしまい、なくしました。染めていない予備のボタンはあったのですが、色は白っぽくて、色が違います。

染めたボタンと予備ボタン

染めるのもメンドクサイので、袖口カフスのボタンを前につけて、袖口は薄い色のボタンにしました。予備ボタンを染めておくべきでした。縫い糸は、以前に五倍子で染めた糸を使いました。

生五倍子ブラウス染め直しで思ったこと

  • 鉄媒染は、量の調整がむずかしい
  • 生の五倍子を使って染める機会がくるとは思っていなかったので、ありがたい
  • 染めた生地の縫製が進まず、染め直しばかりしている。染物より洋裁を進めなくては。

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