よもぎ染めワークショップ開催報告
2回目の草木染め体験ワークショップ(一緒によもぎ染めを楽しむ会)を開催しました。その開催報告を書きます。
前回は知り合いに声をかけたのみだったのですが、今回はこのブログでも募集をして、はじめてブログ経由で1名の方に参加してもらえました。一番うれしい点でした。ありがとうございます。
わたしがチャレンジした点は2つあって、「コットンの濃染処理をすること」と「市販品にはない布小物も準備すること」でした。
参加した人が、わたし自身がやらないような染め方をしたり、手仕事関連の情報を聞いたり、おもしろかったです。最後は時間切れでお茶タイムはなくなってしまったけれど、よい会になったと思います。
※つぎいろ草木染めワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染めワークショップ
染めた日:2019年4月14日
目次
草木染めワークショップの雰囲気
よもぎの葉と茎をハサミでざっくり切って、鍋に入れました。持参した2つの大鍋で煮出すこと20分。
お茶を入れて全体の流れを説明しました。持ってきてもらったティーパックのショウガ紅茶。前半は緊張して、写真を撮り忘れてしまうので写真がありません。次回こそ、撮りたいです。
染液を煮出す間に、布の準備。やり方を伝えているところ。写真の得意な知り合いが、笑いあうホノボノ風景を撮影してくれたのだけれど、顔を切ったら地味な画像になりました。
布を洗うのには、中性洗剤(ヤシノミ洗剤)を使い、コットンとリネンの濃染処理には、濃染剤カラーアップZBを使いました。
※濃染剤についてはこちらに書いています→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて
染液の色は透明感のある黄土色でした。自宅で染めたときはくすんだ色だったので、それよりクリアな色でした。
よもぎの葉っぱをこしつつ、バケツに染液をわけているところ。
シンクで染液に生地を漬けているところ。前回のワークショップでの反省をふまえて、色むらがないように布を染液の中で動かしてもらっています。
グラデーションをさせるために、さいばしに布を巻きつけているところ。このやり方は、参加した方が教えてくれて、他の参加者が実践。わたしも勉強になりました。ただ、生地が薄すぎて、結果として染液では濃淡がつきませんでした。
濃染剤を一部だけ付けた部分が、おもしろい柄になって驚いているところ。染液とちがって、濃染剤ではクッキリ差がでました。半分程度に染め分けする予定でしたが、思ったより濃染液が吸いあがったらしく、思いがけない模様になりました。
最後にバスタオルでタオルドライするところ。写真の上がコットンガーゼハンカチ、下がリネンのハンカチ。グラデーションは濃染剤によるものです。わたし自身には濃染剤でグラデーションという発想がなかったので、おもしろいと思いました。
木綿と麻の濃染処理のこと
今回は、コットンとリネンの濃染処理をしました。
事前にテストしたところ、濃染なしにするとコットンがほとんど染まりませんでした。
染まらないのではワークショップにならないし、コットンが好きなので、シルクに限定はしたくありません。なので、濃染が必要と判断して、染料店で買える濃染剤を使うことにしました。
豆汁処理やタンニン下地での濃染も考えたものの、短時間では乾かす時間がないし、今の私の技術では中途半端になりそうなのであきらめました。
せっかくの草木染めで薬品らしいものを使うのは抵抗がある人もいるのかも、という気持ちと、木綿を染めたい人なら、そういう便利なものを知っていたほうがいいかな、という2つの気持ちがあります。
濃染剤はカチオン化剤という界面活性剤の一種で、危険な薬品ではありません。やり方は簡単です。
濃染剤についてはこちらをお読みください→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて
結果として、グラデーションもしてもらえたし、濃染処理を入れてよかったと思います。でも、濃染剤無しでよもぎを染める方法をご存知でしたら、ぜひ教えてください。
今後については、できるだけ濃染しなくても染まる染料をワークショップに使いたいと思っています。
よもぎ染めの染め上がり
シルクのストールの事前事後を写真撮影。黄色が強めの明るい黄緑に染まりました。
わたしが作ったエコバックを2人が染めてくれました。コットンのシーチング生地でできています。シンプルで好きです。普通なら絞り模様を入れたりするのかも。
風呂敷は藍熊染料で買ったものです。大きいサイズ(80×80cm、93g)は税別680円。この写真ではわかりませんが、シャンタン生地で、ストライプ模様みたいになっています。厚みもあって、使い勝手はよさそう。他の参加者から、「持ち手で袋にもできるサイズだよ」ときいて、風呂敷を袋にする方法が気になりました。
こちらは持ち込み素材で、薄いコットンガーゼです。事前に2mぐらいあるときいて心配しましたが、軽くて薄いので、ダイソーの8リットルバケツで難なく染めることができました。
こちらも持ち込みの生地で、リネンのハンカチ。濃染剤でグラデーションさせたもの。黄色の発色がキレイで、素材としても麻の感じが魅力的でした。購入場所は聞いたので、次回の素材にラインナップしたい気もします。
ワークショップの反省点
染まり具合の反省点としては、1つだけ、布の一部に黒っぽいシミがついてしまったものがありました。はじめに布を洗ったし、お湯にも浸したし、同じストールを前回染めたときは問題はなく、原因がわからず。ストールとして使う分には問題ないものでしたが、残念。
可能性は低いのですが、サイバシが汚染されていたとか、コットンの濃染中はシルクを無造作に台に置いたので、そこが汚れていた等が考えられなくもないので、次回は対策を講じます。
あとは、時間配分。今回は濃染処理をしたため、その分よけいに時間がかかりました。余裕だと思っていたのに、お茶を飲みながら最後に補足説明をする時間がなくなってしまいました。草木染めの基本的なことをお伝え不足だったかもしれません。
※草木染めの基本的なやり方はこちらを読んでください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
染料のよもぎ
染料は、線路沿いの道ばたで摘んできた雑草のヨモギです。100%の確信はないけれど、たぶんヨモギです。
ヨモギは葉の裏に白い産毛があるのが特徴。でも、キク科の植物には同じように白いものがあるらしく、100%ヨモギだとは自信が持てませんでした。が、菊の葉でもきれいに染まると聞いたことがあるので、大丈夫です。
トリカブトやブタクサなど、問題がありそうな植物とは特徴が一致しないことを確認しました。
2日前と当日朝に摘んで、水で洗ってビニール袋に入れ、野菜庫に保管しました。
本当は、「よもぎ餅を作りながら染める」といことをやってみたくて、テーマにヨモギをえらんだのですが、私のよもぎ判別能力が低いので、食べるのは危険を感じて断念しました。
道端のものを人に食べさせるのも危険かなとも思うし、自分で育てるか、信用のある場所で育ったヨモギでないとむずかしいのかも。いつの日か、チャレンジしたいです。
去年、河川敷でヨモギを摘んで染めたときは、若芽をてんぷらにして食べました。味は微妙でしたが、腹痛とかはありませんでした。
※追記:2週間もしないうちに、ヨモギを採取した場所がきれいさっぱり草刈りされていました。タイミングが間に合ってよかったです。
前回の桜染めストール
前回に引き続き参加してくれた人に、乾いた状態のコットンストールを持ってきてもらいました。染まり具合を乾いた状態で確認。当日は濡れた状態で持ち帰ってもらうので、乾いた状態が確認できないんです。
私が想像していたよりも、きれいに染まっていました。いい色です。
前回は2人で1つのバケツを使って染めたこともあり、参加者に乾いた後に確認してもらったところ、マーブルっぽく色むらになった人もいました。ストールだったのでマーブルでも使う分にはかわいい感じで問題なかったそうなのですが、今回はその反省をふまえて、1人1バケツで「よく動かす」ことに注力しました。
※前回のワークショップ開催報告はこちら→ 桜染めワークショップ開催報告
今後のワークショップ
次回のワークショップは2019年5月12日(日)です。場所は同じ、東京都内・山手線の内側の公共施設です。募集要項は後日書きます。雑費代に足が出てしまったので、参加費を値上げする予定です。
テーマはさくらんぼ染めの予定です。剪定した小枝をたくさんもらってきたので、みんなで使えたらと思っています。桜に似ていますが、黄色がキレイに発色した感じがしました。黄色ピンクっぽくそめられたらと思っています。
※剪定枝をもらってきた話はこちら→北杜市に移住した人を訪ねる
4月28日に千駄木の手創り市アンドシーンに出店することになったので、そこで少し宣伝して人を集められたらとも考えています。
追記:乾燥後のよもぎ染めの染め上がり
追記:その後、参加した方2人に乾燥後の写真を送っていただきました。
シルクストール(濃い緑のニットとあわせると春めいていいかも、とのことです)
ヨモギ染めのエコバック、ヨモギ染めのコットンガーゼ(綺麗な色に染まっていますよ、とのことです)
ヨモギ染めのリネンのハンカチ
ヨモギ染めのコットンガーゼのハンカチ
ヨモギ染めのコットンのタオルハンカチ