2つの染料で草木染め色調整(桜×コチニール)
草木染めをして、染めた色が自分の好みとは違ったという時は、別の染料を重ねてみるのもおすすめです。
昨年の桜染めシルクストール。染まった色はオレンジがかっていました。
色としてはきれいな色なのですが、ピンクっぽさを強くしたかったので、コチニールを重ねることにしました。1つの染料で染めるよりも、2つ重ねると深みのある色になり、きれいです。
染めた日:2019年3月(桜)、2020年4月(コチニール)
目次
2色で草木染め
一度染めたものを再度別の染料で草木染めすると、下の色と重なった色に染まります。
黄色+赤=オレンジ、青+赤=紫、青+黄色=緑、という感じです。(青といえば藍染なので、青は手軽には染めにくいですが)
重ねることで、さまざまな色に染められるだけでなく、色落ちしにくくなる効果もあるとか。
コチニールはシルクやウールなど動物繊維と相性がよいので、シルクストールを重ね染めしたことで、結構色が強まったのではないかと思います。
重ね染め前のストール
オレンジが強めに出た桜染めのピンク色のストール。これはこれでよい色なのですが、桜染めとしては、もっと桜色だったらいいな、と思う色です。草木染めは、その時々で、同じ植物でも違う色に染まります。
重ね染め後のストール
コチニールを重ねた後は、赤ピンク。ほどよい、明るすぎない、落ち着いたいい感じに染まりました。
はじめは春色かなと思ったのですが。
よく考えたら、オータムのピンクに近い色です。写真の色見本の一番右上の色に近いです。
単にコチニールだけで染めた場合、もっと鮮やか、ビビットな色になりやすいです。コチニールは単体で染めるよりも、何か別の植物染料に重ねると少し落ち着いた感じになります。
染まりにくかったので、お酢を入れた影響もあるかもしれません。酸を入れると赤みが強まります。
パーソナルカラーとしては、赤色が強まり、スプリングからオータムに傾いた気がします。
※パーソナルカラーについてはこちら→ パーソナルカラーのこと
2つの染料で染める手順
- 1回目の染物は完全に乾いた状態(去年染めたストールを使用)
- ストールをお湯につける
- コチニールの残液を温める(80℃くらい)
※原液はこちら→ ミロバラン下地でコチニール染め - ストールを染液に入れて、5分位つける
- 水洗い
- みょうばんでアルミ媒染(4リットル、20分)
- 水洗い
- ストールを染液に戻して、10分。染まりにくかったのでお酢を少し追加。
- さらに、染液と媒染を5分くらいずつ何度か往復(間に水洗い)
- 最後は染液で染めたら、しっかり水洗い
- お風呂場に干して乾燥
※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
重ね染めの写真
温めなおしたコチニール染液で、ストールを染めているところ。よく動かしながら染めていきます。染色液は赤紫色。ストールはオレンジっぽい色。5分ほど染めました。
水洗いしたら、アルミ媒染。みょうばんで作った媒染液に20分浸します。ときどき動かしながら媒染します。1回目の染めでは、さほどストールに色が入ってなくて、まだオレンジっぽい色でした。
媒染したら、水洗いして再度染液に入れて染めます。少し染まりが悪い気がしたので、台所にあったお酢を少々追加。酸性に傾けることで、絹にぐっと色が入っていきます。その後、媒染と染液を少しずつ繰り返しました。(写真無し)
下の写真は、最後にしっかり水洗いしているところ。落ち着いた赤み。
できあがり。乾くと濡れた時よりも色が薄まって、ちょうどよい赤ピンクになりました。明るすぎない、暗すぎない、素敵な色です。
光の加減で色が違って見えるので、画像で表現するのがむずかしいです。
2つの染料で重ね染めで思ったこと
- グラデーションできたら素敵と思うけれど、力量がない
- そのものの色を染めるのもいいけれど、重ねる色もいいと思う
- 動物性ではなく植物がいい場合は、茜染めを重ねるのもよさそう
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。