真冬に紫根染め
冬の草木染めといえば、紫根染め。
ここ数年、消毒用アルコールが入手しにくくなっていたので、紫根染めのことは放置していました。そろそろアルコールを抽出に使ってもいい時期だと思い、久しぶりに紫染めにチャレンジしました。
自分で染めるとなぜか臭い、という問題が解決できてなくて、「寒い真冬に染めれば臭わない」というアドバイスをもらったので、チャレンジしようとずっと思っていました。※その話はこちら→ 紫根染めと紫根の臭い問題(未解決)
お酢でのもみだしと、アルコール抽出(短時間すぎたかも)をして染めて、染まった色は薄い藤色。ニオイは付きませんでした。
かなり前に買った軟紫根を使ったのですが、原料自体のニオイが弱くなっていました。ニオイ問題が解決したというよりは、ニオイの元が年月で薄まり、さらに色素も薄まったのでは?という疑惑が生まれました。
目次
紫根染めの材料
材料は、5年前に買った紫根。布に変なニオイが残ってしまった時の未使用の残りで、パッケージに入れてダンボール箱の中にしまってました。13gありました。
原料自体も独特のニオイがするはずなのですが、あまりニオイがありませんでした。
染めたのは、古着の着物の裏地。以前、人からもらったものです。32g。
お酢は、スーパーで売っている穀物酢を使いました。
媒染は、みょうばんにしました。いつも使っている、焼みょうばんです。椿灰媒染もしてみたいと思っていたのですが、テストが進んでないため、また今度にします。(そうこうしているうちに、暖かくなってしまいそう)
紫根染め揉み出し
熱い酢水で揉み出すという方法は、硬紫根という別の品種の紫根でするものですが、軟紫根でもできるのかやってみたくて、まず、それをしました。
熱い酢水でもみだして取った染液は、小豆色でした。
温度に気をつけながら加熱して、みょうばん媒染で染めました。ちょっと暗さも入ったような、薄いピンク紫色。薄すぎる色です。
寒い日の、日の当たらない、風のふくベランダで干しました。乾いてもニオイは出ませんでした。
紫根染めアルコール抽出
薄すぎると思ったので、さらにアルコール抽出をすることにしました。
手を消毒するために買っていた、消毒用エタノールを使いました。エタノール濃度は76.9~81.4%です。
ガラス瓶に紫根とエタノールをひたひたより少し多めに入れて、1時間。紫というよりは赤みの液になりました。
本当はもっと長時間抽出するべきだと思いますが、寒い今日中に染めたかったので、短時間になりました。
以前抽出した時は、紫色の液だったので、何かが違います。
アルコール抽出した液をお湯で薄めて染めました。少し紫みが増えましたが、まだ薄い色です。
乾かしてから、さらに新しいエタノールを入れて1時間抽出した液でも染めました。
残った染料。もっと長時間アルコールにつければさらに色が出るのか。使うのか悩みます。
結果、淡い藤色になりました。ニオイは出ませんでした。
鉄媒染ではこういう藤色に染まる染料もあるけれど、アルミ媒染では少ないので、鉄媒染したくないものを染めるのによさそうです。
もう1種類、その後買った軟紫根が残っていて、それは原料のニオイも残っているので、それでもチャレンジしてみたいと思います。(うっかり暖かい時期になってしまい、また来年、染めることにします)
重ね染め
抽出時間が残った染料を再度アルコールにつけること1ヶ月。液色は紫ではなくて赤みの色。思ったより薄い色でした。
着物の裏地の半分を重ね染めしました。右側が重ね染めしたもの。
言われてみれば重ねたほうが濃く見える、程度の違いで、あまり変わりませんでした。
既に3月。2月に比べて暖かい気候(室温19℃)、雨天のため室内干しでしたが臭いは出ませんでした。
真冬の紫根染めで思ったこと
- とりあえずニオイがでなくてよかった
- 紫染めというには薄い色だけれど、こういう藤色が好き
- 寒い日を選んで染めようと思っていると、冬が過ぎていく
- もう1つ残っている軟紫根でもチャレンジしてみたい
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。