みたか紫草復活プロジェクトで紫根の種まき

紫根の種

東京・三鷹で紫根の種まきに参加してきました。その感想を書きます。

紫根(シコン)は、ムラサキという草の根っこ。シコニンという色素があって、青みのある紫色が染まります。ムラサキの栽培自体が難しいこと、薬効があるため漢方や化粧品に使わていて人気があることから、希少になっています。

自分でも紫根を育ててみたいと思ってネット検索していた時、三鷹で紫根を育てている活動を発見。春の種まきシーズンになったので、種まきに参加させてもらいました。

ムラサキの育て方や紫根染め関連のお話も聞けたし、ニオイもかがせてもらって、行ってよかったです。

種まきした日:2019年3月20日

みたか紫草復活プロジェクト

昔は三鷹や井の頭公園の辺りで、紫根染めがされていたそう。伝統的な染め方で紫根染め(江戸紫)を復活させようと、ムラサキの栽培を三鷹地域で広めています。

参加しているかたがたの、ムラサキという植物に対する愛情を感じました。活動場所は、中央線・三鷹駅の近くです。

3月はもう1回種まきの日があって、4月には紫根染めをする予定とか。その2つには都合があわなくて行けませんが、また次の機会に参加してみたいです。

ムラサキの種まき

紫根の種をはじめて見ました。小さくて、鳥のえさみたいなツブです。

ムラサキの種

4日程度水に浸した種を、ポットに種まきしました。ぬらすと種もムラサキがかった灰色をしています。

紫根の種

ポットに土を入れて、霧吹きでスプレー。1つのポットに3粒程度、5mm~1cmの深さに種をまきました。わたしが種をまいた部分です。植えかえの時に根が痛みやすいので、そのまま植えられる、土にかえるポットを使っています。

紫根を種まきしたポット

一般的な紫根の発芽率は20%程度だとか。このプロジェクトでの発芽率は年によってまちまちだそうです。

多年草なので根っこが生きていれば枯れたあともまた生えてくるとか、こぼれだねの話とか、なるほどと思う話を聞くこともできました。

江戸紫と京紫

紺屋めぐりをした時、高田馬場の「染の高孝」で墨流し染め体験をしたのですが、その工房の方が、丸善・日本橋の「江戸の紫・京の紫 きものと帯展」に出展された、という情報を目にしていました。

種まきに参加した会員の方とお話していて、江戸紫のお話や、その展示の話も出てきて、染物はつながっている、と感じました。

※墨流し染め体験の話はこちら→ 墨流し染め体験でマーブリングなハンカチを染めました

紫と一言にいっても、日本古来の紫って、たくさん和の名前があって、それぞれ微妙に色あいが違っていて、そういうところも、草木染めが素敵だなと思う点です。

ちなみに私の好きな紫色は、このブログのテーマカラー(桑の実色)です。江戸の色と京の色のどちらに近いかといったら、京都の色に近いかも。でも青も好きなので、その中間色がいいと思います。

紫根のニオイをかぐ

わたしが紫根で一番気になっていることは、紫根のにおいのことです。

紫根染めの鉄媒染の色が好きです。草木染めには青系の色が少ないし、他の原料ではなかなかその色にならないので、できたら紫根でたくさん染色したい。でも、以前、紫根で服を染めた際、布に変なにおいがついて取れない、という失敗をしました。

こちらの手作りフレンチスリーブです。

紫根染めのフレンチスリーブ

※紫根染めのにおいで失敗した話はこちら→ 綿フレンチスリーブの紫根染めで失敗(におい)

原因がよくわからず、紫根染め自体がそういうものなのか、自分の染め方の問題なのか、使った原料がよくなかったのか、判断できずにいました。

紫根を染色したことがある人に聞くと、「気にならない」という人もいるし、「薬効もあるし、におうものだ」という人もいました。ニオイは感覚的なものなので、その人が気にならないだけなのか、本当ににおわないのか、話を聞いただけではわかりません。実際に染色された布のニオイをかぐチャンスは今までなかったんです。

今回、プロジェクトで保存している紫根の根っこと、以前染めた布のにおいをかがせてもらいました。根っこは少し匂いがするけれど、そんなに変なにおいではなく、布については、においませんでした。

ムラサキの根

紫根染めのフクサ

におわずに染めることもできるんだ、ということが初めてわかって、大収穫です。においって、感覚的なものだから、実際に嗅いでみないとわからないものです。希望が見えてきました。

水洗いが足りないとにおいの原因になることがあるので、仕上げの水洗いが不足していたという可能性もありますが、たぶん、原料がよくなかった気がしてきました。

市販の乾燥染料で古いものと、日本で育てられた国産の生の根っこでは、違うのかも。

ベランダで紫根の種まき

種を少しもらったので、ベランダに撒いてみます。

野菜が育つような日当たりのよい場所よりも、半日日陰になるような場所の方が向いているかも?というお話をお聞きしました。

北向きで、なかなか野菜が育たない私のベランダ、ムラサキの栽培に適している気がしました。

自分で育てた紫根で、染められたら本当にすてきです。妄想が広がります。

とりあえず、家には以前使った染料の残りと、先日藍熊染料で買った乾燥染料があるので、今度、自宅でも紫根染めに再挑戦してみようと思います。服を染めると取り返しがつかないので、まずはハギレテストからしてみます。

追記:もらった種をベランダのポットにまいたのですが、全然発芽しませんでした。そのまま放置すること半年。2019年9月16日、種をまいたポットに芽が出ているのを発見。よく見かける形の双葉なので、紫根じゃなくて飛んできた種の可能性が高い気がします。紫草だったら嬉しいのですが。

発芽