紫根染め・ウール薄手マフラーでも臭いで失敗
初めてウールの草木染めをしました。染色用の薄手マフラーを紫根(ムラサキという植物の根っこ)で染めました。銅媒染です。
染色原液は、綿フレンチスリーブの紫根染めでアルコール抽出した残りを使用しました。
ウールは温度を上げる必要があるので、熱で色素が飛んでしまう紫根は不向きでしたが、時期的にウールのマフラーが染めたかったので、ついつい強行実施。
結局、地味な赤茶色、小豆色になりました。それはそれで使いやすい色になったものの、フレンチスリーブと同様、においがくさすぎて失敗。
数回使ってみたものの、マフラーは顔に近い箇所にある分、においが気になって使うのをやめました。
数回、洗濯洗剤で洗っても、ニオイはとれませんでした。その後、放置すること1年。においがとれていました。何故なのかはわかりません。
この紫根のにおい問題、いつか解決したいです。
作業は自由度の高い染色教室で行いました。
染めた日:2017年11月27日
目次
紫根染めの材料
- ウール薄手のマフラー 75g(SEIWAで購入。染色用)
- 紫根アルコール液(あまり)
- 銅媒染剤(SEIWAで購入)10cc ・・・入れすぎた
- 酒石酸カリナトリウム(SEIWAで購入。媒染剤の沈殿防止用。ウールの先媒染に使う)小さじ2くらい
ウール紫根染めの手順
- 事前の準備:紫根染料を無水アルコールに入れて抽出(時間がなかったため4時間)
※綿フレンチスリーブの紫根染めと同じもの - 酒石酸カリナトリウムを熱湯で溶かす。
- 先媒染:大きいタライいっぱいに湯を沸かして、2を入れて、銅媒染(10cc。10分)
- 水洗い
- 薄めた染液を80度以上にして、煮染め 30分
※綿フレンチスリーブの紫根染めの残液を使用 - 水洗い
- 脱水して乾燥
ウール紫根染めの写真と説明
※作業を染色教室で行ったので、写真を撮り忘れてしまいました。
染色用の精錬済マフラーなので、下処理はいりませんでした。
ウールの場合、媒染の金属が沈殿するということで、媒染液には酒石酸カリナトリウムを入れて防ぎました。
大きなステンレスのタライに、40℃くらいでお湯を沸かす。酒石酸カリナトリウムを熱湯で溶かした液と、銅媒染剤10ccを入れて、かきまぜます。マフラーを入れて10分なじませます。
お湯の色がブルーになってしまったので、銅媒染剤を入れすぎたようです。
水洗いしてから、染液で煮ぞめします。
大きいタライで、80度以上にお湯を沸かして、マフラーを入れて煮染めしました。
この時、周りの人から「変なにおいがする」って言われたのですが、私は他の人がやっていた藍染のニオイでは?と思っていました。
紫根は、70度以上になると色が飛ぶので、80度以上で染めるのはよくないのですが、強行してしまいました。
その後、よく水洗いして脱水。自宅のお風呂場で干して乾燥させました。
ケモノくさい、変なにおいがして、はじめはウールが動物の毛なので、そのニオイなのかとも思いました。
でも、同じように染めた綿も同じようにくさくなったので、原因はシコン染料だと思います。
ウール紫根染めで思ったこと
- ウール染めの知識が乏しすぎて、突然思いつきでやったのは、よくなかった
- ウールの草木染めは薬品(酒石酸カリナトリウム)が必要なのか?勉強したい。
- ウールは熱を加えないと色が入らないのか?媒染時の正しい温度は?勉強したい。
- まだはじめたばかりなので、ウールでの染物は当面、やめておこう
追記:このマフラーのその後
2020年1月、硬紫根のアルコール抽出の残液を使って染め直しをしました。クエン酸水で色を落とした後、みょうばん先媒染で染めて、小豆色に近いくすんだ赤紫色になりました。
その時は、夜ベランダに干した後、途中でとりこんでたたんでおいた、内側が微妙ににおうような気がしました。
2022年10月現在、ニオイは全くしません。派手さはないけれど、自分にしっくりくる色です。
ここ2年ほどアルコールが手に入りにくい状況だったので、紫根は何もしていませんでした。
まだ古い染料は残っているので、染めて時間経過でニオイを飛ばす、ということを試してみようと思います。気の長い話ですが。
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