黒豆を煮たら草木染め。黒豆染め。
黒豆の煮汁で草木染めをして、絹のミニきんちゃくをシルバーグレー、銀鼠色に染めました。その方法について書きます。
今回はみょうばんでアルミ媒染をして、やさしい色あいになりました。
おせち用に黒豆を煮る時に鉄クギを入れると発色がよくなるといいますが、同じ原理で、鉄媒染をするときれいなグレーになります。
おせち作りで黒豆を煮る際は、ゆで汁で草木染めもお試しください。冬の草木染めです。木綿よりもシルクを染めるのがおすすめです。
目次
黒豆染めの材料と道具
材料
- シルクのミニきんちゃく 1枚
- 乾燥黒豆 40g
- 焼みょうばん(スーパーで購入できる漬物用の焼みょうばん)小さじ1
※焼みょうばんはスーパーの乾物コーナーのあたりに売っています。
※布の量に対する黒豆の量を増やせばもっと染まるかも。
道具
- ナベ(できればステンレス。圧力鍋も使いました)
- ボール 1個
- 計量スプーン 大さじ
- ザル
- ハシ
- ゴム手袋(染色中はゴム手袋をする)
染めた巾着袋
ちょうどいいサイズのものが売ってなかったので、手元のシルク生地でミニきんちゃくを作りました。
小さくてかわいいです。作るのが簡単なので紐1本の片口タイプ、ウッドビーズで留める形にしました。
黒豆染めの流れ
前準備:黒豆を水で戻す
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黒豆を下ゆでする
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黒豆をさらに圧力鍋で煮る
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みょうばん液を作って布をつける(アルミ先媒染)
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黒豆の煮汁(戻し汁+下ゆで汁+圧力鍋で煮た汁)を温めて布をつける
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布を洗って乾かす
下ゆでが終わった黒豆は別途味付けして調理。
黒豆染めのやり方
染料の黒豆
今回は地域の特産品から染めるため、作州黒というブランドの黒豆を使いました。今回は去年の豆を使っていますが、おせち作りシーズンの12月には今年の黒豆が手に入るかと思います。新しいもののほうがたぶん色が出やすいです。
豆を水で戻す
水で戻しました。戻し汁も染液に使います。乾燥黒豆40gを水220ccで戻しました。
翌日、こんな感じの戻し汁がとれました。戻し汁も使うので、豆をザルでこして、汁はとっておきます。
お湯から戻したほうが豆は割れないようなのですが、水からにしました。
下ゆで
鍋に、戻した豆と新しい水220ccを入れてフタをして、沸騰後20分くらい弱火で煮ました。
煮ている時に出てくる泡はアクじゃなくてサポニンらしい。放置。
下ゆで汁も染め物に使うので、ザルでこして別容器に保管しました。
圧力鍋でやわらかくする
圧力鍋に水400cc入れて、さらに豆を煮ました。高圧で弱火20分。圧力鍋でとれた汁はこんな感じ。この汁も使いました。
時短になるので圧力鍋で煮ましたが、普通の鍋でコトコト煮てもいいと思います。
染液を温め直す
ワークショップのテストも兼ねているので、染めるのは次の日にしました。戻し汁、下ゆで汁、圧力鍋でとれた汁、全部を60度くらいまで温めました。
布をお湯につける
バケツにお湯(お風呂ぐらいの温度。40℃)を入れて、布をつけておく。新品の場合は、台所洗剤で軽く洗ってから行う。
みょうばん媒染液作り
焼みょうばん小さじ1を50ml位の熱湯にまぜて溶かしてから、さらに水450mlを入れて合計500ml位にしました。
今回染めるものは小さいので、少量です。
※詳細はこちら参照→ みょうばんアルミ媒染液の作り方
布をみょうばん液につける(先媒染)
布をみょうばん媒染液に入れる。時々、ゴム手袋をした手でまぜながら15分。輪ゴムとビー玉で模様入れをしました。
※模様入れのやり方はこちら参照→ 布に絵を描く、模様を入れる
布を染液につける
布の水をしぼって、温めた染液に入れる。熱い時は、箸を使う。よくうごかしながら15分染めました。
あわあわしていました。サポニン?
時間があれば長時間つけてもいいと思います。その場合はゆとりある水量にしたほうがいいです。
水洗いして乾かす
染め終わったら、布を取り出して水けをしぼって水洗い。
できあがり
かわいい巾着が完成。やさしいシルバーグレーに染まりました。模様入れるとわかりやすいです。
黒豆を食べる
使った黒豆は、自分好みの味に味付けして食べました。40gは1人分かな。
黒豆染めの色
こんな色に染まりました。すべてシルク。左がアルミ媒染、右が鉄媒染。上段は水で、下段はお酢を少し入れて染液をとった場合。
お酢を入れた場合
お酢を入れるとピンクっぽい雰囲気の色に染まります。
お酢を少し入れたお湯で戻した時の、戻し汁はこんな感じでした。写真ではわかりにくいですが、肉眼で見ると赤みが増しています。
黒豆染めで思うこと
- 調理の副産物で染められるのは楽しい感じがする
- 先媒染がいいかな。
- 食用の重曹を持ってないのでやらなかったけれど、煮豆に重曹を使うのもやってみたい
- 今回はやらなかったけれど、アルコール抽出もいつかやってみたい。強いお酒とか?
- 今回はみょうばんでアルミ媒染にしたけれど、鉄媒染もおすすめ
※染まった色が薄いと思ったり、使っていて退色したら、同じ手順で染め重ねたり、別の植物で重ね染めするのもおすすめです。
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