吉祥寺アナンダで毛糸を染める体験

蘇芳と藍染の重ね染めの毛糸

アナンダの吉祥寺店で、ウールの草木染めを体験してきました。その感想を書きたいと思います。

※アナンダ吉祥寺店は2021年1月末で閉店。残念です。

毛糸をスオウ×藍染めにして、紫色に染めました。味のある色でできあがりは大満足。

アナンダは、羊毛などの原毛や機織りや手紡ぎの道具を販売しているお店です。

染物以外にも、糸紡ぎ、機織り、フェルト作りなどの講習会を毎日開催しています。店舗に電話して予約します。

10-12時、13-15時、15-17時の3枠の時間帯があって、講習代は1枠2380円。必要な時間数分のチケットを購入します。お得な価格の5枠の回数券もあります。その他に材料費がかかります。私は2枠購入して講習代が4760円、毛糸と染料で材料費が2567円でした。現金払いです。

染物体験は、インド流の植物染料で染める方法。たくさんある染料の中から好きなものを選んで、好きな素材を染めます。持ち込みも可能です。

ウール素材を染めること。カセ糸の状態で染めること。藍染め。この3つへの不安が一度に解消されました。待ち時間に糸紡ぎや糸にヨリをかける体験をしたり、カセの作り方も教えてもらって、糸の原理もわかりました。

お店の方にマンツーマンで教えてもらい、贅沢な体験でした。カディ布も買えたし、吉祥寺でランチもできて、楽しかったです。

染めた日:2019年1月22日

染物の材料

染料

植物染めの色サンプルを見せてもらって、蘇芳×藍にすることにしました。どちらも初めて使う染料です。

植物染めの色サンプル

上の写真の左上にある赤い布が、蘇芳のサンプルです。真っ赤なので、藍をかけて紫色を目指します。

量り売りで、使う分だけ買います。写真は、ハカリで計量しているところ。

蘇芳の量り売り

藍は、藍染セットを買いました。インド藍。還元剤やビニールなど必要なものが入っています。

賢い藍染めセット

棚にいっぱい天然染料が並んでいました。聞いたことがない染料もあって気になりました。でも、そういうものは素朴な色あいが多いです。

草木染めの天然染料

毛糸

染める毛糸は、編みやすそうなコリデール毛糸にしました。

コリデール毛糸

染めた毛糸で手袋を作る予定ですが、手袋にするには少し糸が細めだそうです。お店には原毛は沢山あるけれど、糸になったものは種類が少ないので、毛糸の場合は持ち込みがオススメです。

2カセ(200g)染めます。半分色を変えたり、染め分けてもよかったのですが、編み物のむずかしさを考えて同じ色で染めることにしました。

200グラム分のコリデール毛糸

媒染剤

フィトカリという、天然のミョウバン。結晶の固まりです。アルミ媒染(色止め)に使います。初めて見ました。こちらも量り売りで使う分だけ買います。

フィトカリみょうばん

植物染めの作業

フィトカリ結晶のかたまりをそのまま熱湯に入れて、溶かして、そこに静かに毛糸を入れたところ。火をかけて30分媒染しました。

毛糸のみょうばん媒染

スオウを強火で煮立てて、染液を作るところ。

スオウの染液抽出

染める液をこしているところ。2番液でもこんなに赤いです。

スオウの染液をこす

媒染した熱々の毛糸をザルで水切り。水で洗わないように注意!して洗濯機で脱水。

毛糸をザルにあげる

毛糸をスオウ染液に入れるところ。火にかけます。

スオウの染液に毛糸投入

トングで静かに毛糸を動かしたところ。

トングで軽く沈める

染液からあげて、ザルで水切りしているところ。染まった毛糸は深みのある赤色でした。

スオウで真っ赤に染まった毛糸

お湯ですすいでいるところ。水洗いは厳禁。洗濯機で脱水もします。

毛糸をお湯でゆすぐ

アイのかたまりを、乳鉢ですりつぶしているところ。粉末状になるよう細かくします。藍染セットの中身全部を自宅用に細かくしました。この日使ったのは、その中のほんの少しです。

藍を乳鉢ですりつぶす

写真はとりませんでしたが、その後還元させる作業をしました。

大きいビニールに入れて藍染しているところ。空気を入れないようにするのがむずかしい感じ。お湯なので、スオウの色が出て液体が紫色になっています。

藍染1回目のビニール袋

ちょっと失敗して、2回目で成功。染まると液が透明になってくるそう。

藍染2回目のビニール袋

藍染を重ねるとこんな色になりました。

藍染を重ねた毛糸の色

ちょっと色むらがあったので、もう一度スオウにつけたので、できあがりはもっと赤味がある紫になっています。

アルカリっぽくなっているので、最後に酢リンスしているところ。

毛糸を酢リンス

まだまだ出そうなので、こした染料の残りカスは、持ち帰って再利用します。

蘇芳の染料の残り

染めあがり

蘇芳と藍の重ね染めでできた毛糸は深みのあるグレープジュースみたいな紫色。

蘇芳と藍染の重ね染めの毛糸

暗い場所で見ると赤っぽい感じが強くなります。

いろいろ教えてもらう

フェルト化するので振動を与えないことが重要とか、急冷はだめだけれどお湯に入れるのは結構大丈夫とか、アルカリに弱いので藍染は短時間、などウールならではの注意点を教わりました。

私にとって一番よかったのは、カセ糸について練習させてもらえたことでした。

カセ糸を作る道具

別糸で八の字にカセをまとめる練習。

別糸で八の字に留める

カセをひねってまとめる練習。

カセ糸をひねる練習

本で読んでもよく理解できず、実際にやってみたいと思っていたので、うれしかったです。

待ち時間に糸つむぎの練習もさせてもらえたので、糸ができる原理もちょっと理解できました。

糸紡ぎ

布ではない糸というものについて苦手意識があったので、それが解消されてよかったです。

アナンダのお店

お店の中には原毛がいっぱい。下の写真以外にもいっぱいあります。私は詳しくないのですが、織物する人が毛を買うといえばこのお店らしいです。

アナンダのお店は原毛がいっぱい

アナンダに並ぶ原毛

生地もけっこうあります。私はコットンの服を作って染めたいので、カディが並んでいる棚を見てテンションが上がりました。カディは手織りのインド綿で手触りがよい布です。

カディ生地

シルクも、インドの木版プリント生地も、ボタンも、いろいろあってワクワクします。

アナンダってアマダナと語呂が似ていて、私はまだお店の名前が覚えられずにいますが、魅力的なお店です。

アナンダ吉祥寺店の場所

東京の吉祥寺にあります。

吉祥寺の中央北口から徒歩10分。線路沿いの高架下にあるお店ですが、意外に距離があります。北口から高架下沿いにずんずん歩いていくと、あれ?まだかな?と思います。

横断歩道沿いの駐車場にこんな看板があったらもうすぐです。
アナンダの看板

先を進むとお店があります。

高架下の路地

お店の前はこんな感じです。窓の向こう側にシンクやガスコンロがあり、染める作業場になっています。

アナンダ吉祥寺店の外観

ホームページに道順の説明があるので、そのとおりに行けばたどり着けます。

毛糸を染めた感想

  • ウール染めも、糸染めも、藍染めも、思っていたより簡単で安心した
  • でも、自宅でひとりで藍染するには慣れが必要かも
  • 熱い温度からはじめれば浸し染めでも大丈夫そうなので、大きい鍋がない我が家でもウールを染められる
  • キレイな色に染まったので、はやく手袋にしたい(手袋を編んだ経験はないけれど)

※追記:その後、割り箸製の編み棒で手袋を編みました→ 割り箸から編棒を作って手袋を編む