藍の生葉染め残液で緑色
藍の生葉染めの残液にかなり色が残っていたので、濃染したリネンコットン生地をつけたところ、緑色に染まりました。黄色みの少ない、この緑色。この色がとても気に入りました。
緑色の染液から、同じような緑色が染まりました。これは酸化しようとしても色が変わらなかったので、藍染め本来のインディゴ酸化還元による染色ではなく、通常の草木染めと同じ原理での染色になるのでしょうか?
生葉染めの手順を調べていて、「時間が経つと染まらなくなる」という説明が多く、「緑に染まる」という説明がなかったので、とても不思議でした。
染めた日:2019年8月3日
目次
藍の生葉染めグリーン
生葉染め残液で染まった色
濃染したリネンコットンが緑色に染まりました。媒染はしていません。生地をかぐと、草のいい匂いがします。色と匂いが一致していて、草木染めをした、という感じがします。
パーソナルカラーは、オータムの色見本に近い色がありました。自分の個人的な感覚的だと、スプリングっぽい雰囲気の色です。
さらに追加した木綿のオックスフォード生地(玉ねぎ染めで薄ベージュだった布)は、濃染していないからか、薄い緑になりました。下の写真の右側です。玉ねぎ染めのベージュに重ねたので、やや黄色が入って、不思議な色。退色したら汚い色になりそう。薄い色過ぎて、写真では色が表現しきれていません。
<参考>生葉染めの色
早い段階で染めたものは、ターコイズブルー系、緑が入った水色でした。これも思ったより緑が入った色でしたが、「何色?」聞かれたら「水色」って答えるだろう色で、残液で染まった緑とは全然違う色です。
※生葉染めの話はこちら→ 藍染。ニット生地を生葉染め
藍の生葉染め残液の疑問点
疑問に思った点:媒染
生葉染めの延長で染めていたので、無媒染。酸化しても色が変わらなかったので、藍染本来の酸素による媒染にはなっていない気がします。ミョウバンなどで媒染が必要だったのかが、わかりません。
無媒染の場合にすぐに退色してしまうのか、今後、染まった緑色の経年変化をみたいと思います。
疑問に思った点:緑染め
草木染めでは普通には緑が出しにくく、黄色や茶色が入った色になりがち。緑染めをする時は、アルカリ性にして、銅媒染を使ったりします。もしくは、藍染と黄色い染料の植物を重ね染めをして、緑色に染めます。あとは、鉄媒染にするとカーキっぽい色が出せたりはします。
そう思っていたので、藍の葉っぱの液に漬けただけで、無媒染で、緑に染まるのが不思議だと思いました。これではだめなの?という気持ちです。
素手が染まらなくなる
生葉染めを素手でしていると、手が少し藍色に染まります。それが、残液の場合は染まりませんでした。時間が経つと、酸化されない状態になり、手も染まらなくなるのかも?
藍の生葉染め残液で緑染めの材料
- リネンコットン生地 289g 150cm幅×130cm・アナンダで購入(型番:H-106)
- コットン オックスフォード生地 294g
- 藍の生葉染めの残液(※こちらの残液です→ 藍染。ニット生地を生葉染め)
- 濃染剤カラーアップZB 適当な量(※詳細はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポン)
藍の生葉染め残液で緑染めの手順
- リネンコットン生地を濃染処理(53℃ 20分)
- よく水洗い
- 生地を染液に入れる。常温2時間。時々動かす。
- 洗わずに、水気を切ってベランダに15分干す(酸化されると思ったが青くならず)
- よく水洗い
- 洗濯機で脱水して、ベランダ干し
※媒染していません
藍の生葉染め残液で緑染めの写真と説明
綿麻の濃染処理
濃染しないとほとんど染まらないので、濃染剤で濃染することにしました。濃染剤カラーアップZBを使い、台所のシンクにお湯(50~60℃)を溜めて、20分。ときどき動かします。
終わったら、シンクのお湯を抜いて、水をためて布を水洗いしました。
染液に布をつける
水気を切ったリネンコットン生地を、染液に入れました。2時間ほどつけてみました。
干してから、水洗い
生葉染めの手順通り、ベランダに1時間ほど干しました。しかし、色は青に変化せず、そのまま緑色でした。
色が変わらないので、そのまま水洗いして、終わりにすることにしました。
残り液でさらに染色
残った液がまだ緑色だったので、木綿オックスフォード生地を一晩つけて染めました。
同じように外に干しても青くならず、水洗いしたときの色はこんな色でした。(この写真の色が、実際の生地の色に近いと思います)
残液の色
2つの生地を染めても、まだ残液に色がありました。草のいい匂いも、まだありました。
藍の生葉染め残液で緑染めで思ったこと
- 他の染料と違って、染めるためだけに藍を育てたので、使い切りたい気持ちが強い
- 緑色に染まったことに驚いた。これだけ研究されている藍染なのに、情報が見当たらないのが不思議。当たり前すぎてのっていないのかな??
- スカーフやストールなら染色で終了だからいいけれど、この生地も服にする予定。洋裁のやることリストが満杯。
後日、思ったこと
後日、桜の葉で緑染めをしたら、染まった布が同じように草の匂いがした。同じ成分なのか?
残液でシルクも草色に染まったそうです。こちらの一番下の写真右側→ 2020年7月特別企画「藍の生葉染め」ワークショップ開催報告
インスタグラムでも木綿が緑色に染まっているのを見たので、緑にも染まるものなのだと思う。
※不明点がありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、なんなりと聞いてください。また、情報をお持ちでしたら、ぜひ教えてください。