藍染。ニット生地を生葉染め
藍染の季節です。ベランダで育てている藍の葉っぱが、染められる大きさ(10cmくらい)になってきたので、生葉染めに初挑戦しました。藍の生葉染めの手順と、染まった色について書きます。
藍の生葉染めのコツは、手早く30分以内に染めることと、晴れた日にすること。梅雨が明けて一気に晴天になったので、絶好の藍染日和。生葉染め、想像以上によかったです。とても気に入りました。
染めた日:2019年8月3日
目次
藍の生葉染めの色
生葉染めの色あい
写真の左側、コットンニット生地は薄い水色、ターコイズブルーを薄めた色に染まりました。中国の陶器のような、緑がかった水色です。写真の右側、シルクのハギレはターコイズブルーに近い色。夏にぴったり。どちらも透明感がある、淡い色です。
ターコイズブルーのパーソナルカラーはイエローベースらしいのですが、サマーにも近い色に思えます。微妙な色の差で判断がむずかしそう。
※パーソナルカラーについてはこちら→ パーソナルカラーのこと
本やネットで見た水色と比べると、緑色が強く出ました。育てた藍の種(タデアイ)はいただきものですが、くれた方の藍染はすっきり青だったので、品種の問題ではありません。
原因はわかりませんが、ミキサーで砕いたので液の酸化が早く進んだせいかもしれないし、乾燥に時間がかかると色がくすむらしいので、手際の悪さが原因かもしれません。
もし正しい染め色というものがあるならば、正しい色ではありませんが、色がキレイで、藍の生葉で染めたということは確か。全然ありです。
市販の生地を染めたのですが、生地のミミ部分に濃い水色が現れてシマシマになりました。草木染めをしていると、時々、こんなふうに隠れていた模様が現れることがあります。
元の生地は真っ白でした。ポロシャツみたいなニット生地(鹿の子)です。
木綿の生葉染めについて
通常の藍染めとは違って、生葉染めでは木綿生地はほとんど染まらないものです。
生葉染めの場合も、ソーダ灰とハイドロで化学建てみたいにすれば、木綿も染まります。また、オキシドールを薄めた水で酸化させれば、さらに青くなるそうです。
でも、せっかくの生葉染めなので、とりあえず薬品無しでチャレンジすることにしました。
濃染処理をした場合がどうなのかは、やらなかったのでわかりません。
藍の生葉染め方法のコツ
藍の生葉染めをするにあたって、本やネットで調べた情報です。
- 晴れた日に行う。速やかに乾かすため。
- 新鮮な葉っぱを使う。朝に採取する。
- 染液ができたらすぐに染める。時間が経つと染まらなくなる。
- 木綿は染まらないので、シルクを染める。ソーダ灰やハイドロを使えば木綿も染まる。
- 空気中や水中の酸素で酸化すると青くなる(ミョウバン媒染などの色止めが不要)
- オキシドールを薄めた液で酸化を促進させると青くなる
- 風通しのよいところに干す
- インジカンやインドキシルが水に溶けていて、生地についてインディゴになる、という原理
- 普通の藍染め(建てるもの)と違って、生葉染めは堅牢度が低い(色落ちしやすい)
調べたものの、わからないこともありました。下記について、ご存知の方はぜひ教えてください。
- 天日干しがいいのか、陰干しがいいのか
- 金属の媒染もできるのか
- 重ねるとくすみやすい?
藍の生葉染めの材料
- コットンニット生地 236g 180cm幅×70cm・日暮里繊維街のNAGATOで購入
- シルクのハギレ 22g
- 刺し子糸 19g
- 藍の生葉(葉っぱの部分のみ) 225g
※ベランダで採取できた葉っぱ全量を使用
藍の生葉染めの手順
- ヤシノミ洗剤で生地を洗う
- 生地をお湯(40℃くらい)につけておく
- 藍の葉っぱを茎ごと刈り取る。茎と葉っぱを分ける
- 葉っぱ部分だけを、水を入れてミキサーにかける。
- こし布で葉っぱをこす。8リットルバケツ一杯分になった(6~7L位)
- 生地を染め液に入れる。常温20分。時々動かす。
- 洗わずに、水気を切ってベランダに15分干す(酸化される。風通しのよい場所がよい)
- よく水洗い(酸化される)
- 洗濯機で脱水して、ベランダ干し
※空気で媒染されるため、媒染剤は使いません。
藍の生葉染めの写真と説明
生地の前準備
染液を作ったらすぐに染める必要があるので、事前に生地を準備万端にしておきます。
中性洗剤(ヤシノミ洗剤)で洗って、ゆすぎます。
お風呂ぐらいの温度のお湯につけて置きます。
藍の葉っぱを収穫
ベランダの藍の葉っぱを収穫。先のほうを15~20センチぐらい、クキごと切り取りました。刈り取ったほうが、横に育つそうです。※藍を育てた話はこちら→ 藍の種と栽培
葉っぱとクキに分けます。
葉っぱだけにしたら、小さいビニール袋1個分(225g)になりました。葉っぱだけ使います。クキも通常の草木染めに使えそうなので、冷蔵庫に保管しました。
布の重さ(236g)を考えると、藍の葉っぱの量は少なめです。本を見ると生地の10倍量、25倍量の藍の葉で絹を染めていたりします。でも、実際に染めてみて、木綿への染まりが弱いため、残液も濃く残ったし、必要以上の量だったと思いました。
染液の作り方
ミキサーで細かくする方法にしました。水中で揉みだす方法、包丁で刻む方法、酢水を使う方法などもあります。
ミキサーすることで、泡立って空気が入るので、ミキサーはよくないかも、と思いました。
ミキサーに水や葉っぱを入れすぎてモーターに負荷がかかりすぎると、過熱防止機能で停止してしまうので、少しずつやって、時間がかかってしまいました。
こし布(テトロンメッシュ)で葉っぱをこしました。目が細かいので、なかなか絞りきれず、ここでも時間がかかってしまったかも。
こして残った葉っぱの搾りかす。
ダイソーの8リットルバケツ1杯分、6~7リットルぐらいの染液になりました。草くさくて、いい匂い。青汁みたいな感じです。
ミキサーをかけはじめてから染液になるまで、20分かかりました。次にやるときは、水の中で揉みだす方式でやってみようと思います。
染液に布をつける
お湯につけていた生地を絞って、染液に入れました。20分、動かしながら染めました。青汁の色です。
洗わずに干す(酸化)
20分後、取り出して、洗わずに水気を切ってベランダに15分ほど干しました。
残液にかなり色が残っていました。コットンの染着がよくないからかと思います。追加して刺し子糸やシルクも染めました。
水洗い(酸化)
屋外に干した後、しっかり、たっぷり水洗いします。水洗いすることでさらに酸化されるそうです。洗う水の色がかなり緑になりました。何度か洗って、水に緑色が出なくなってから終了にしました。
タオルにくるんで洗濯機で脱水してから、夜のベランダに干しました。
乾燥後
乾いたら、ターコイズブルーのような、薄い緑青色になりました。
藍の生葉染めで思ったこと
- 染液から草の匂いがして、それがとてもいい気分
- 藍という植物がすばらしいと思った。乾燥葉とかインド藍とかインジゴの染色では思わなかった感覚。
- 自分で育てた植物で染められたことが嬉しい。植物を育てて、それで染める、そんな生活をしてみたい。
- 通常の藍染(建てるもの)よりも、生の葉っぱで染めるほうが自分にあっている
- 残ったクキや搾りカスの使い道を考えたい
※不明点がありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、なんなりと聞いてください。
※この残液で緑色を染めた話はこちら→ 藍の生葉染め残液で緑色
※その後、ニット生地はTシャツになりました→ 自分好みにTシャツ型紙を補正
生葉染めのその後
時間が経つと、シルクは緑っぽさが薄まり、普通の水色っぽくなりました。
Tシャツにしたニット生地は2~3回着用と洗濯を繰り返したら、色が抜けて、白に近い水色になりました。やっぱり、薬品の処理をして染めないと木綿はきちんと染まらないようです。