桜染め。桜の枝(太枝)から染液作りメモ2024

桜の太枝で桜染め染液作り

2024年2月は桜染めをしています。細枝はワークショップで使うので、太めの剪定枝を使っています。どうすれば桜色になるのか?がテーマですが、こうやればできるというレシピはないです。

日数をかけるやり方、濃縮液を作るやり方は手探り状態なので、そこを探れたらと思っています。

桜の枝は何度も煮出せるので、その間どう保管するのか(途中で乾燥しても好きな色になる?)も探りたいです。

工程が多いので、このページにメモをとっておきます。液色の健忘録です。

※桜染めの方法についてはこちらに書いています→ 桜染めの方法について

桜染めで桜色の状況

数日寝かせた染液で、大判コットンストールが桜色になりました。うれしいです。

桜染め桜色ストール

数日置いた液で染めるとなんだか暗くなる(それはそれでよい色であっても、透明感がない)というのが今までの桜染めだったので、一歩前進。

いつものやり方(細枝を煮出して当日染める)は、やさしい桜色。これはワークショップの試し染めシルクです。こっちのほうが自分のイメージする桜色に近い、やさしい和の色。右のグレーはノグルミ染めです。

桜染めノグルミ染め巾着

桜染め太枝の前準備、下茹で

枝の中を確認

枝の中身を確認。茶色の樹皮の中は黄緑色。鮮度は良さそうです。

桜の枝の樹皮の内側

太さは直径2.5cmでした。太さ1cmを超えると剪定ばさみで切りにくくなり、ノコギリで切りました。

太さ2.5cmの枝

長さ10cm程度に切りました。1316gありました。

下茹で

水5リットルで沸騰後30分煮出し。下茹でなイメージ。木のにおい。

下茹で液の液色。

下茹で染液

棒のまま煮出し(10cm6本)

はじめ下ゆでした枝は、水には浸けず、蓋付き鍋の中に1週間ほど放置していました。

そのうち長さ10cmにした棒6本分の樹皮をむきました。状態も悪くなさそう。

樹皮を除いた棒6本(443g)、剪定ばさみで縦に割りたかったのですが、切れず。そのまま水2.5リットルで沸騰後30分煮ました。

煮出した直後。

一日置いた液。赤み増えていたので染めることに。

染め方を間違えて、染液を薄めすぎて色が入らず。液ももう少し時間を置いてもよかったかも?

残った枝は水に浸けて放置しました。(乾燥させて大丈夫かよくわからないので)

芯材&間のチップ、灰汁煮出し(10cm6本以外)

棒のままでは薄いと思ったので、樹皮をむいた後にすぐチップにして、濃く煮出すことにしました。別の枝でやってみることにしました。

下茹でをしてから使ってなかった枝(上記の6本以外)。蓋付き鍋の中に10日程度放置していました。彫刻刀で傷を入れてペリッとむきます。

剪定ばさみで棒の端に切り目を入れて、エイヤッと切ると、木が裂けて割れました。ナタがあるといいのかも。さらに半分、さらに半分、と割いていき、ハサミで切れる太さになったら長さも半分にしました。

間部分も芯材についたままの状態です。水5リットル。ひたひたの倍ぐらいの水量。灰汁を少し入れました。浸けておくだけでも色が出てきています。

灰汁煮出し

沸騰後1時間45分煮出し。pH7くらい(低すぎ?)液はとても赤いですが、そのままシルクを染めたら黄色でした。

灰汁煮出しの染液

水以外に何か入れた時の液色は水だけの時と違うので、慣れなくてわかりにくいです。

翌日は似たような液色、pH6に近い。染まる色は黄色。

灰汁少なかったかも、と思ったので追加。混ぜたら泡っぽく、泡はピンク茶。pH8くらい。

灰汁追加した液

液色が黒くなりました。

灰汁入り桜染液

その次の日。液に赤み黒みが増えました。黄色っぽさも感じる。

灰汁入り染液の変化

その次の日。黒くて赤みあり。赤み染まりそうな感じがする。pH8かな?pH7寄りな感じもする。

灰汁入り染液の変化

その次の日。黒くて赤みあり。pH7っぽい。いつ染めるか悩みます。

灰汁入り染液の変化

その次の日。黒くて赤みが結構ある感じ。pH7くらい。きれいにみえる。

灰汁入り染液の変化

その次の日、黒くて赤みあり。pH7~8?茶色くなってきたのかもと思って、染めてみることにした。煮出した日を1日目と起算して、5日目。

灰汁入り染液の変化

濃いので使った染液は少し。お湯に薄めて、淡ピンクだった濃染シャツを重ね染めしました。紫や茶みが入ったくすみピンク。

乾いたシャツは、使いやすそうな、くすみピンク。クリアな淡ピンクと並べたところ。目指す桜色とは違うけれど、よい色だと思う。

桜染めシャツくすみピンク

染め終わった残液(薄めていた液)の色は、きれいで赤みが残っていました。捨てずに保管。

その2日後の残液。なかなか赤い。この残液を使って、クリアな淡ピンクに染まっていた下地なしシャツを重ね染めしました。

染め終わったシャツの色。濡れた状態。ちょっとアボカド染めっぽい雰囲気。

その残液。薄くなったので廃棄。

原液の色。引き続き、赤みはあるが黒っぽい。pH7。

その2日後。引き続き、黒っぽくて赤いのか茶色いのかよくわからない。

芯材&間、さらに水道水で煮出し(10cm6本以外)

さらに煮出します。灰汁で煮出し終わった芯材&間を、水道水5リットルに一晩浸けて次の日、そのまま加熱、沸騰後20分煮出し。

黄土色。空気を入れても変化なし。

水道水桜染液

その次の日。黄色いけれど赤みが増えた感じがします。

半分加熱して、ひとにだち、下地なしシャツを重ね染めしました。(5リットルで煮た半分なので2.5リットル弱)

桜の芯材で染色

まあまあピンク。まだ薄い感じ。

桜の芯材で染めたシャツ

染め途中の液色。

桜の芯材染色中の液

染めた後の残液。赤みは消えて、黄色がきれいです。

桜芯材残液

その次の日(煮出した日の翌々日)の残り半分の液色。そんなに変化していない感じがします。

2.5リットルのお湯に染液を4~5回に分けて薄めながら染めました。濃染剤下地&酢酸アルミ先媒染。

染め途中。薄く色が入ったところ。布の地の色が少し黄色っぽいのでそれも入った色あい。かわいい。

桜染め染色中のストール

かわいいピンク。

コットンストール染色

濡れた状態。自然光。日数を置いた液でクリアな色が染まったのは初めて。

桜染めストールの色塗れた状態

乾いた状態。春色。

桜染め桜色ストール

芯材&間、さらに間をはがして水煮出し(10cm6本以外)

煮残りの、間部分が付いた芯材チップ。間の部分が皮を剥くように手ではがせたので、分解。

間部分をはがした芯材

水道水5リットルで1時間半、煮出し。すごいクマリン桜餅の匂いがしました。

液色は、透明感のある黄色。空気を含めても変化なし。

桜チップ濃い染液

煮残った芯材&間は、そのまま紙に広げて乾燥。

次の日。ドロッとした雰囲気。黄色だけれど濁りも感じます。

桜チップ濃い染液翌日

濃すぎるのかドロドロしすぎなのか、赤みが出てこないまま放置中。火入れするべきか?

その次の日。白濁した黄金色。赤みほとんど感じない。

桜チップ濃い染液翌々日

入れ物を変えたら、沈殿物がありました。

沈殿物

その次の日。まだ全然黄色。だんだん液がさらっとしてきた感じがします。

桜チップ濃い染液よく翌々日

その次の日。少し赤みが出てきた気がいます。

桜チップ濃い染液よくよく翌々日

芯材&間のチップ、灰汁煮出し(10cm6本)

ストール染めた液がうまくできたので、棒のまま残していた6本も似た感じでやってみることにしました。

水に浸けていた6本、浸けていた水の液色は薄い黄色でした。その水は廃棄しました。

水に浸けた桜の枝6本

剪定ばさみで切り込みを入れて縦に裂きました。

桜太い枝のカット

間の部分も手ではがして、長さも半分(10cmを5cm)にしたチップにしました。

チップにカット

水道水3.5リットルに灰汁ガラスカップ1杯分入れて、pH8くらい。沸騰後30分煮出しました。クマリン桜餅な匂いがしてきたのが30分後だったので、そこで煮るのを止めました。

灰汁煮出し

赤くて黄色みもあって、結構きれい。pH8。そのまま放置。

灰汁煮出しの液色

残ったチップは、水3.5リットルにつけて置きました。

次の日の液色。暗いけど赤みがきれいで、まあまあ色染めれそうな雰囲気。pH6~7くらい?

灰汁煮出しの液色翌日

その次の日。暗いけど赤みがきれいで、まあまあ色染めれそう。

その2日後。赤みが減った?ように見えたました。

その2日後。暗さが薄まった感じがして、赤みが見えます。

芯材&間、さらに水道水で煮出し(10cm6本)

翌日、残りチップを水3.5リットルにつけたもの、そのまま煮出しました。沸騰後20分。少し木のにおい。

液色は黄土色。きれいな色に感じる。

空気入れて泡立ちました。色はそんなに変わらない。きれいな色に感じる。

残りチップは水につけた。

その翌日。きれい。赤みも黄色みもある。染まる色も薄いけれどきれいでした。pH7。

その2日後。きれいな赤み。pH7。

その2日後。まだ少し黄色っぽい感じもしますが、染めてみることにしました。

豆汁下地をした綿糸。液はまだ冷たい状態でしたが、糸を入れると赤みが吸われて、液は黄色になりました。

糸には淡いピンクが入りました。

液色は黄色に。

芯材&間の染色中の液色

酢酸アルミ(後媒染)。

アルミ媒染中の糸

加熱しながらバシャバシャ。媒染後の糸を入れたら赤みが吸われて、ガリみたいな雰囲気もあるピンク色に。

芯材&間の液色
芯材&間の液、豆汁下地の綿糸染色

染め上がり。ちょっと地味なやさしい和な色。自分が思う桜色のイメージに近いです。糸がもつれました。

芯材&間の液で染めた豆汁下地の綿糸

この糸は月日をかけて何度か染める予定なので、先々はピンクではない色になるかも。

日数を置いた液で染められて一歩前進と思ったけれど、日数を置いた割には、赤みの濃さが少ない気もします。

また作業が進んだら、このページを更新していく予定です。

写真がどれがどれか撮影時間で記録しているものの、同じような写真すぎてわからなくなるので、このページにまとめています。読んだ人には意味不明かもしれません。

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