2021年10月16日(土)キウイフルーツ染めワークショップ開催報告(岡山)
キウイフルーツの枝葉を煮出すところからする、草木染め体験ワークショップを開催しました。場所は岡山市中区の古民家施設です。
ピンク系と黄色系。素材や下処理で同じ染液、媒染でも雰囲気の違う色に染まりました。
参加者は4名。リピーター1名とそのお友達、インスタグラムを見た方と、パンフレットを見た方が参加してくれました。枝葉を分けて煮出して、下処理して染めて、3時間。作業がいっぱいでしたが、一期一会。楽しい時間を過ごせました。
※ワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染めワークショップ
目次
キウイフルーツ染めについて
岡山で、手に入る植物の枝葉を探していたら、その1つにキウイフルーツがありました。岡山では家庭でも育てている人がいます。今まで見かけたことがなく、日本で育てる果物だと思っていなかったので、興味がわきました。
いくつかテストして、よいと思った方法でワークショップをしました。今回は枝でピンク系、葉っぱで黄色系を染めましたが、いろいろ方法がありそう。食べた後のキウイの皮も染まるそうです。
マタタビ科なので猫注意。煮出す時はよく換気したほうがいいと思います。染めやすいかというとそうでもない気もしますが、おもしろい植物だと思います。
ワークショップの雰囲気
前回に引き続き、キッズハウスいちごアトリエ(平井地区の子どものデイサービス施設で、土日はお休み)をお借りしました。素敵な古民家です。
お会計を済ませたら、まずは煮出す準備。手分けをして、葉っぱと枝を分けました。
葉っぱを煮出しているところ。思ったより葉っぱのサイズが大きかったかも。枝は別の鍋で煮出しました。
煮出し中に、布の下準備。木綿や麻は染まりが薄いので、濃染剤を使いました。
※濃染剤の詳細はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて
シルクなど濃染しないものはお湯につけておきました。
煮出し終わって、葉っぱを液から取り除いているところ。
枝から取れた染液の色の違いを見ているところ。ワインみたいな色でした。
葉っぱの染液で染めているところ。
お家でアルミ媒染をしてきたものは色が濃く入っています。
枝の染液に布を入れたところ。
染めはじめは、思ったより紫みのある色でした。ビワ染めに似ている感じがします。
草木染めの色止めは、媒染。今回は焼きミョウバンでアルミ媒染をしました。明るめの色に発色します。
※アルミ媒染の話はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方
※媒染を変えると色あいも変わります。他の媒染剤の話はこちら→ 媒染とは(鉄媒染、銅媒染の媒染剤)
媒染したら、水洗いして、もう一度染液へ。シルクストールを染液に戻して染めたところ。
いくつかイレギュラーな作業もあって、説明時間があまりとれず。初めての草木染めした方への基本的な説明が不足してしまいました。基本的な草木染めの方法や注意事項は、こちらもご覧ください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
キウイ染めの色あい
予定通り、枝からピンク系、葉っぱから黄色系が染まりました。素材によって微妙に色合いや濃さが変わります。濡れた状態なので、乾くと色は薄まります。
国産の繭の毛羽で作っている絹から手織りしたストール。素敵に染まりました。
このストールは、群馬県桐生市の工房風花さんに特別に織ってもらったもの。
厚めの染色用ストールが見当たらない、という気持ちから始まって、特別に織ってもらい、ワークショップで染めてもらって感無量です。繭から国産の絹はかなり希少だそうです。重ね染めできることも草木染めのよいところなので、飽きたらまた染め直して、ぜひ使い倒してください。
ワークショップの方向性
初の試みとして、簡単2時間コースも設定したのですが、今回は申込みがなくて煮出す3時間コースのみの開催になりました。
夕方は道路が混むので午前からのほうが都合がいい、という話もききました。
車社会だから車移動と思っていましたが、バスを乗り換えて来てくださった方、遠方からの方で岡山駅からタクシーで来てくださった方もいました。
よく考えると、車社会と言っても、山の中ではないのだから1人一台ではなくて、家族で都合をあわせて使う人も結構いそうな気がします。
気軽に参加してもらえる形にするには、どんなふうにしたらいいのか。少しずつ新しい設定をして、よりよい形に変えていければと思います。
次回のワークショップ
10月20日(水)に、同じ内容のキウイフルーツ染めをします。場所は岡山市北区中牧(藍を育てた市民農園の近く)のここちよい民家です。
10月31日(日)に今回と同じ場所(平井)でクサギの実で染める会をしますが、こちらは満席・募集締切済です。
11月は準備中。鉄媒染をする会か、ウールを染める会をする予定です。鉄媒染は暗めの渋い色になるので色合いが秋冬に向いているし、ウールは冬の準備に向いているので、悩んでいます。場所も検討中。決まり次第、ブログで募集します。
キウイ染め乾燥後の色あい
参加した方に乾燥後のお写真を送ってもらいました。
木綿のさらし布。色は少し薄くなりましたが、いい感じとのことです。
コットンストール。実際はもう少し赤みがあるそうです。前に別の染料で染めていたもので、色の入りがよかったです。
ブッチャーコットンストール。
国産の繭の毛羽で作っている絹から手織りしたストール。 かわいいピンク色とのことです。
葉っぱで染めた黄色のトートバッグは、残液で鉄媒染をかけたそうです。
残液で染めたランチョンマット。
持ち帰った枝で染めたTシャツ。
ご協力ありがとうございます。
※ワークショップ全体についてはこちら→ 草木染めワークショップについて
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。