カイコのフン染め
かいこのふん、を絹を作っている方にもらいました。蚕のフンを染料にして、草木染めができます。
草食動物のフンでも、チョウチョのフンでも、草木染めができるそうです。フン染め、おもしろいですよね。
テストした結果を書きます。蚕は桑の葉を食べて育つから、桑の葉で染める時のように緑に染まるのか?
染めた日:2021年10月
目次
蚕のフン蚕沙(さんしゃ)
蚕のフンを乾燥したもの。見た目は、深緑色のつぶつぶ。お茶のようないい匂いがするので、お茶っぽいです。
サンシャ(蚕沙)と呼ばれるそうです。漢方薬でもあり、お茶として飲まれたりするそう。緑茶色を染める食品添加物にも使われるらしいです。
水煮出しで黄色
蚕沙を大さじ2(16g)を水1リットルで煮出してみました。フンなのでアルカリ性になると聞いたので、とりあえず普通に水で煮出すことにしました。そして桑のエキスのようだったという話も聞いたので、量は少なめにしました。
水に蚕沙を入れたところ。お茶っ葉にしか見えない感じ。
液の色は焦げ茶色。
煮残ったフンは緑色。
1番液と2番液を混ぜて染めた色は、黄色系でした。確かに弱アルカリ性でしたが、緑になるほどの強さはないようです。
濡れた状態の染まった色。上段はそのまま、下段はクエン酸で酸性寄りにして染めたもの。クエン酸を入れすぎました。
そのままアルカリ寄りで染めたもの。上段:濃染剤晒し、下段:シルク。左から無媒染、アルミ媒染、銅媒染、鉄媒染。
中和して酸性寄りで染めたもの。
そのまま染めた色のほうが、くっきりした色になった気がします。
アルカリ抽出で緑色
水500mlに重曹1gを入れて煮出した3番液。緑っぽさが出てきました。
鍋の側面に蚕沙が付くので、時々落としながら煮ました。
3番液で染まった色は緑みの入った色。 中和して酸性寄りで染めたもの。上段:濃染剤晒し、下段:シルク。左から無媒染、アルミ媒染、銅媒染、鉄媒染。
さらに4番液を水1リットル重曹2gで煮出しました。抹茶のように濃い感じ。
4番液ではシルクのハギレ1枚を染めてみました。
銅媒染で若草色になりました。(下の写真の右側の布)
煮残ったフン。まだまだ深緑色。何番液まで取ればいいのか悩ましい感じがします。
※緑染めについてはこちら参照→ 緑染め(緑葉染め)
蚕のフン染めで思ったこと
- 木綿の布を濃染して染めて、緑色のシャツを作りたい。(そう思うだけで、すぐ年月が経つことが多い)
- でも、蚕が作ったシルクを蚕のフンで染める、というほうが統一感がある感じはする。
- 畑の藍も、フンらしき粒が葉っぱに載っていた。何の虫かは不明(イナゴか何か?)。集めたらのフン染めもできたかも。
- お茶みたいな匂いがすると、緑色に染まりそうな感じがする
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