黒豆で染める(ブラウス用コットン生地)失敗
黒豆を煮て、その煮汁で草木染めをしました。
黒豆や黒米から、青みがかった紫がとれそうながしたので、やってみたかったのです。でも日常では黒豆を煮る機会がないので、おせち作りシーズンを待っていました。
自分用のブラウスを作るため、綿のオックスフォード生地を粗断ちした布を染めました。
染液が薄かったからか、鉄媒染で薄い水色に着色しました。薄すぎたからか、時間がたつと黄ばみやすい感じとなり、きれいではありませんでした。
結局、しばらくしてブラウスに縫製した後、他の染料で染め直ししました。
今回はちょっと失敗でしたが、食べ物から色をとって布を染めるって、楽しい感じがしませんか?
染めた日:2017年12月31日
目次
黒豆染めの材料
- 綿のオックスフォード生地402g ※粗断ちしてかがりミシン
- 食用の乾燥黒豆(スーパーで購入)200g
- 木酢酸鉄液(SEIWAで購入)4滴
- ディスポン 50ml(木綿・麻を濃く染める濃染剤。成分:特殊カチオン性高分子)
黒豆染めの手順
- 事前の準備:買った生地を洗濯機で洗って乾燥(染め用の精錬された生地ではないため)
- 事前の準備:黒豆を一晩水につける
- ディスポン処理:82℃の湯12L、ディスポン50mL 20分 ※綿・麻はカチオン化が必要
- しっかり水洗い
- 先媒染:水に木酢酸鉄液を溶かして布をひたす(水13.5Lに木酢酸鉄液4滴。常温、20分)
- 水洗い
- 薄めた染液に布をひたす(水12L、50℃程度)
- 水洗い
- 脱水してお風呂場に干して乾燥
黒豆染めの写真と説明
生地を洗ってカットする
ブラウスの生地は、カジュアル感のある綿のオックスフォード生地。日暮里繊維街で購入した、染色用ではない通常の服地です。
事前に、洗濯洗剤(トップクリアリキッド)を使って洗濯機にかけ、そのまま乾燥機にかけました。乾燥機にかけたのは、日常の洗濯で乾燥機を使うと服が縮むので、あらかじめ生地を縮めておくためです。
その後、粗断ちして、かがりミシンをしました。
以前、裁断してから染めたところ、端がほつれて、サイズが小さくなってしまいました。また、服の形にしてから染めた時は、三つ折にした部分に色が入りにくいのが気になりました。
そこで今回は、「布をそのままのサイズで染める」と「裁断して染める」の中間をとって、器に入るぐらいのサイズに切り分けて染めることにしました。
衣装ケースや洗濯カゴだったものを入れ物にして染めているので、1メートル以上ある布をそのままのサイズで染めることはできません。
見ごろ・袖といった部品のサイズを考えつつ長方形にカットしました。サイズが小さいほうが染めやすいですが、枚数が多くなるとそれはそれで煩雑になるので、そのかねあいを見ながら大きさを決めました。染色時に縮むことも考慮して、多少大きめにとります。
また、横方向がほつれやすいので、横方向だけミシンでかがりミシンをしました。(なければジグザグミシンをします)
黒豆から染液をとる
一袋200g入りの乾燥黒豆を買ったので、それを全部使うことにしました。スーパーの棚に普通に並んでいる、北海道産の光黒大豆です。
布が402gだったので、黒豆200gは布重量比は50%です。染まった色は薄かったので、もっと量が必要だったのかもしれません。
煮豆にするので、前日から水に一晩つけました。
一晩つけた際の戻し汁は、下の写真のような黒っぽい紫色です。煮なくても色素が出ています。
戻し汁とは別の水をひたひたになるぐらいに加えて、30分弱火で黒豆を煮ます。出てきたアクはとりのぞきます。鍋はステンレス鍋を使いました。
戻し汁と煮汁で、だいたい700~800mLぐらいの染液がとれました。下の写真のビンの中身とボールの中身が染料液です。
黒豆はその後、食べるために、調味料(みりん50cc、しょうゆ大さじ1、塩小さじ半分)を入れて、45分煮ました。その煮汁にも色が出ていたので、もう1回染料用に煮て、2番液をとるべきだったと後から思いました。
ディスポン濃染処理
綿・麻の場合は、このカチオン化処理が必要です。(豆汁・豆乳でも可能です)
大豆汁でカチオン化できるなら、黒豆で染める際は不要な作業なのでは?という疑問はあるのですが、参考にした書籍「草木染め大全」の色見本は、濃染処理した方が色が出ていたので、処理することにしました。
ステンレスの鍋でお湯を沸かして熱湯にし、容器(衣装ケース)に入れます。
ディスポン50mlを入れて、かきまぜます。布を静かに入れて、時々動かしながら20分つけました。
もう少し水量があったほうが、生地同士がくっつかないのでよさそうですが、ディスポンを節約するため、この水量にしました。
20分経過後、ディスポンが残らないように台所のシンクに水をためて、よく水洗いしました。
鉄媒染で先媒染
次に、木酢酸鉄液で媒染しました。先媒染にした理由は、参考にした書籍が先媒染だったからで、あまり意味はありません。鉄媒染にしたのは、青紫色にしたかったからです。
SEIWAの木酢酸鉄液の使用量の目安は、濃色4% 中色2% 淡色0.5%です。
布402gの4%は、16gです。それでは多すぎる気がしたので、少なくすることにしました。
常温の水13.5Lに、木酢酸鉄液のうわずみを4滴いれて、かき混ぜます。布を入れます。
ビニール手袋をして、生地をたぐるように動かしつつ、20分つけました。
終わったら水洗いします。
黒豆で染める
衣装ケースに50℃くらいのお湯を15.5L入れて、黒豆の戻し汁・煮汁(700~800mL位)を全部入れました。
生地を入れて、動かしながら、20分ひたします。染液の色はうすいネズミ色になりました。
この時点で、ちょっと薄いかもしれない、と思いました。
20分たったら、生地をとりだして、台所のシンクに水をためて洗います。
灰色がかった水色でした。想定していたよりずっと薄い色になりました。
お風呂場に干す
草木染めは日陰干しが基本なので、お風呂場に干しました。何枚も生地があるため、洗濯物干しハンガーで干しました。
洗濯ばさみの挟む部分はあとが残りますが、粗断ちした生地なので、はさんだ箇所は使ったとしても縫い代になるので問題ありません。
できあがり
乾くまでは、灰色がかった水色に染色できた、と思っていました。
しかしながら、乾くと白に近い色でした。元の生地と並べれば色がついていますが、単独で見ると白に近いです。
半年くらい後、やっとブラウスの形になりました。(撮影日:2018年6月16日)
白いというだけでなく、なんとなく黄ばんで薄汚れた感じになっています。その後、別の染料で染め直ししました。
黒豆染めで思ったこと
- 食べ物を料理しつつ染めるという方法に興味があったので、できてよかった
- もっと濃くするべきだった
- 服地を粗断ちしてかがりミシンをしてから染める方法は上手くいった