2020年9月21日(月・祝)アボカド染めワークショップ開催報告
9月の草木染め体験ワークショップ2回目、みんなでアボカド染めをする会を開催しました。場所は東京の新高円寺です。
蛍光灯で写真の色が飛んでいますが、秋らしい味のあるピンクや、かわいいピンク、小豆色っぽい赤系など、素材や下地によって様々なアボカド色に染まりました。
今回は、初めての参加者が4名、2回目の参加者が2名。染物好きな方が多く、私も勉強になりました。みなさん初対面同士でしたが、作業しているうちに打ち解けて、なごやかな雰囲気になりました。
コロナ対策で開けっ放しで換気していたのですが、蚊取り線香が途中で消えてしまい、お庭から蚊がきて、かゆかったです。すみません。
※つぎいろ草木染めワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染めワークショップ
目次
いろいろな素材
今回染めたものは、すべて持込み。木綿やシルク製の布小物だけでなく、和紙や毛糸、牛乳下地のもの、既に化学染料で染まった布、リネンシャツなど、いろいろな種類のものを染める会になりました。
ストールだけでなく、いろんなものが草木染め体験できたらいい(たとえ失敗しても)という方向性でワークショップをしています。
※とはいえ、通常とは違う素材や下準備は、状況によっては対応できません。事前にご相談ください。持ち込み注意点はこちら→ 草木染め体験ワークショップ(持ち込み注意点)
和紙とコウゾ
和紙と和紙の原料になるコウゾは、布と同じ手順で草木染めにチャレンジしました。このブログ内で、牛乳パックからの紙すきや染色についても書いていて、そこからこのワークショップを知って来てくださった方です。
和紙やコウゾも布と同じように、濃染処理をしているところ。
染液で染めているところ。左側が和紙で、右側がコウゾです。
染め終わった和紙。左側に染める前の和紙を置いて撮影。事前にコンニャクで補強した和紙だからか、赤みが強く、布とはまた違った味のある色に染まりました。
とても薄かった和紙は、染める途中で溶けてしまいました。染液が熱いからでしょうか。残念。写真の左がコウゾ、中央が途中で溶けた和紙、右が染色前のコウゾ。
牛乳下地と毛糸
お家で牛乳下地してきた木綿生地と、毛糸。染液に入れた後は、薄いピンクに染まっていました。
毛糸は染め方が違うので持ち込み対象外にしています。きちんと染まらない可能性もあることを事前に了承してもらい、持ち込みしたものです。
牛乳下地は、やさしい色合い、薄ピンクに染まりました。
牛乳下地というものを初めて見ました。ニオイも大丈夫と聞いたので、私も一度やってみたいと思いました。確かに、豆乳=植物性のタンパク質よりは、牛乳=動物性のタンパク質の方が、シルクに近い気がします。
毛糸も同じように、かわいいピンク色に染まりました。通常ウールはもっと濃く染まるので、重曹を入れた染液ですぐ染める、という今回の方法のせいかもしれません。
化学染料で染まったストール
既に化学染料で染まったストールを染めているところ。
濃染した割には染まり方が薄く、鮮やかな黄色が少し落ち着いたかな?ぐらいの染まり具合でした。
隣のシャツはユニクロのリネンシャツで、みょうばん媒染をしなかったもの。味のあるよい色に染まりました。
糸を使った絞り
事前に針と糸で準備した絞り染め。クッキリ模様が出てました。
キナリのバッグ
キナリのトートバッグは濃い赤みのある、こっくりした色に染まりました。キナリだと小豆色のような濃い色になりやすい気がします。手前のアームカバーはシルクです。
ワークショップをしていると、私が自分では染めないものの持ち込みがあったり、自分では思いつかない染め方があって、興味深く、勉強にもなります。
アボカド染めの作業
濃染剤カラーアップZBを使って、下地染め。シルクや事前に下地したものなどは、お湯につけました。
※濃染剤についての詳細はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて
アボカド染めは濃染しなくても植物繊維が染められます。昨年開催したアボカド染めのワークショップでは違う染め方をして、濃染処理はしませんでした。
※昨年はこんな色でした→ 2019年8月18日(日)開催報告 2019年8月31日(土)開催報告
※昨年の染め方は、こちらに近い感じです→ 簡単アボカド食べ染めレシピ
ワークショップの場合、限られた時間で染める必要があるため、今回は濃染剤を使いました。今回のようなやり方でも、染料の量を増やして時間を置けば濃染しなくても染まるかと思います。残った皮や種を持ち帰った方はお試しください。
アボカドの皮と種を準備。交代しながら手分けして作業を進めます。種と皮は、神保町にあるアボカド料理の専門店、avocafe(アボカフェ)で、先日もらってきたものです。ありがとうございます。
寸胴鍋2個で煮出し。沸騰後の液はこんな感じでした。
空気を入れてできた染液には、赤みが出てました。
染液ができた人から、どんどん染めていきます。
みょうばん媒染後、再度染液に戻しいれたところ。2回煮出しをしたので、はじめの染液と後で煮出した染液、どちらを使うか考えながら染めました。
アボカド染めにも、いろんな染め方があるのだと思います。アボカドを食べたら、ぜひお家でもお試しください。
※今回のワークショップでの使用量は、こちらのページの下のほうに記載しています→ アボカド染めの紫っぽさ
ワークショップの方向性
はじめて草木染めをしてから、丸3年経ったことに気がつきました。
草木染めと一言で言っても、染め方もたくさんあって、効率的な化学寄りのものや、伝統寄りのものや、ハーブや薬効寄りだったり、スピリチュアルな感じのもの、海外のものや発酵もの、蒸留もの、いっぱいあります。やればやるほど、わからないことが出てくる気がします。
どこを目指すべきか悩んだりもしますが、ワークショップについては、「自分が面白いと思えること」を軸にテーマを決めています。今回もアボカド染めを楽しんでもらえたと思うので、よかったです。
10月のワークショップは準備中です。決まり次第、このブログ内でご案内します。
乾燥後のアボカド染めの色あい
乾燥後の写真を参加者に送ってもらいました。思ったより乾燥後も色が濃い感じがします。
シルクウールのストール、レーヨンのサクラハンカチ、シルクのアームカバー、キャンバス地のトート。違う種類の生地ですがどれも同系統の色とのことです。
リネンシャツ。イメージより茶色よりで濃かったとのことです。
手ぬぐい、ローンスカーフ、生成のエコバッグ。色彩は少し薄まったものの、いい色。生成りエコバッグは濃いそうです。
牛乳下地したものと、毛糸。
和紙。
ご協力ありがとうございます。
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。
※つぎいろワークショップ全体についてはこちら→ 草木染めワークショップについて
※草木染めについて知りたい人はこちら→ 草木染めの目次