畑の鹿対策をした話。鹿イノシシ避けのワイヤーメッシュ柵を立てました
2023年秋から2024年春にかけて、鹿よけ柵を立てる作業をしました。畑を新しい場所にするため、元の畑にあった柵を移設しました。大変でした。
鹿よけ柵がどんなものなのか、どんなふうに立てたのか書きます。
完全ではないけれど、なんとか春までに柵ができてホッとしました。
目次
新しい畑の場所
新しい場所は山際なので、平地にあった今までの畑よりも鹿やイノシシの被害にあいやすいです。
※畑の開墾の話はこちら→ 畑の開墾と家庭菜園計画2024のこと
主に鹿による食害が日常的にあります。秋に緑肥の種まきをしましたが、柵なしでは種も新芽も食べられて全く育ちませんでした。
10月下旬、クリムゾンクローバーの双葉が出たところ。発芽はしたものの、いつの間にかすべて消えました。
※鹿さん被害についてはこちら→ 移住とシカやイノシシ、獣害のこと
鹿よけワイヤーメッシュ柵の形
前に借りていた畑の柵をもらえることになったので、はずして同じ形で組み立てることにしました。
柵の高さは180cm程度。
柵の下側は鉄のワイヤーメッシュ、上部は防獣ネット。柵を支える支柱は、鉄の棒。ワイヤーメッシュの両端と中間に鉄の棒を打ち込んで支えています。さらに緑色の園芸用支柱を使って防獣ネットを張っています。
さらに下側のワイヤーメッシュにネットやトタン板を重ねて補強する予定ですが、それはまだできていません。
単管パイプを組む方法なども人から聞きましたが、手に入るものを使って、同じ地域のやり方を優先することにしました。労力はかかったけれど、コストは最小限に抑えられたかと思います。
畑の場所は、古家の裏側、石垣のある段差の上です。畑というか、古家の庭です。段差があって、段差の位置と畑の狭さを考えると畑部分だけを柵で囲むことができなかったので、古家を含めた広い範囲を囲むことにしました。
柵の材料
材料はワイヤーメッシュ、鉄の棒、210cmの園芸用支柱、害獣ネット、結束線(針金)です。
ワイヤーメッシュ
横2m x 縦1m、15cm角の網目状の鉄柵です。鉄なので重く、サイズも気軽に運べない大きさです。柵の下側になります。30枚くらい使いました。ホームセンターにも売っています。
鉄の棒
柵を支える支柱にします。直径1.3cm位のギザギザした丸い棒。たぶん4分鉄筋というサイズかと思います。短めで太い2cmのものも少しありました。など。長さは1m~180cm程度までまちまち。30cm以上は地面に打ち込みました。太いほうがしっかりします。
210cmの園芸用支柱
ダイソーやホームセンターで売っている一番長い支柱が210cm。30cm土に埋め込むと高さ180cmになります。一部、古家の残留物のパイプで代用しました。
害獣ネット
ホームセンターなどで売っているネット。緑色や青色のものが多いです。最終的には柵の上から下まで張りますが、高さが不足してとりあえず上部に張りました。不足分は古家の残留物の漁業用網も活用する予定です。
結束線(針金)
鉄の棒とワイヤーメッシュを結んだり、ネットを支柱に留めるのに使います。ステンレス製にしました。サイズは#21×450mmにしました。
柵を建てる道具
道具は、ハンマー、ツルハシ、ハッカー、脚立(ビールケースで代用)を使いました。
ハンマー
鉄の棒を土に打ち込みます。ダイソーのゴムハンマーを使用。途中で壊れて1回買い替え。金属ハンマーがおすすめですがヤマビコのように音が響くのでゴムにしました。
ツルハシ
ワイヤーメッシュを埋める細い穴を掘ります。借りもの。
ハッカー
結束線を止める道具。ペンチだと難しかったです。安い小さいものを買いましたが、もっと大きいほうが使いやすそうです。
脚立ビールケース
打ち込み作業に背の高さが足りないので、残留物のビールケースを脚立代わりにしました。
柵を立てる流れ
運搬
ワイヤーメッシュをどう運ぶか、というのが柵建ての最大テーマでした。秋に柵を外して、年明けにやっと運搬することができました。
軽トラをレンタルして自分で運ぼうと思ったのですが、普通の自動車と軽トラではハンドルさばきが違うと知って運転に自信がなく、柵も重いし断念。レンタルするにしても費用はかかるので、運搬だけ人に頼むことにしました。
写真は荷台にワイヤーメッシュを積んだところ。ほんの少しだけ後ろがはみでています。この後、背面の部分は半開きに閉じてロープ固定したのですが、その手さばきを見て、自力では無理だったかも、頼んで正解、と思いました。
溝掘り
本当は草刈りしたり邪魔な枝を切ったり、地面のデコボコを整える整地からするべきだと思うのですが、時間がなかったので、それらは必要な場面になったらする、という感じで作業を進めることにしました。
まず、ワイヤーメッシュ1枠分(15cm)が土の中に埋まるように、溝を掘りました。
スコップやクワでは大変で、ツルハシがやりやすかったです。
ネットで見たマニュアルでは、ワイヤーメッシュの下端の5cm程度を埋めるものが多かったですが、前の畑のやり方に従いました。実際、外す時に掘り起こすのも大変だったので、長めに埋めたほうが安定すると思いました。使う支柱の強さにもよるのかも?
土を掘ると、そこに鹿が来ることが多くて、数日のうちに鹿がやってきた形跡、鹿の足跡がついていました。
溝を掘りはじめて、これからどんどん進めよう!と思った矢先、冬の土用シーズン(2024年は1月18日~2月3日)になりました。土用には土を動かしてはいけない、ということを初めて知って、作業を中断しました。
鉄の棒を打ち込む
ワイヤーメッシュを溝に仮置きして、鉄の棒の位置に決めて、打ち込みます。写真は柵の内側から見たところ。鉄の棒はワイヤーメッシュよりも内側になるようにしました。
ゴムハンマーで30cmほど打ち込みました。何度も叩きます。金属ハンマーがいいと聞いたのですが、音が響くのでやめました。
間違えて何度かハンマーの柄部分で打ってしまい、そこが折れてハンマー1本目が壊れて同じものを買い直しました。
下からでも叩き込める支柱ハンマーという商品も気になりましたが音がどうなのかわからないし、それなりに値段もするので買うのはやめました。
なかなか入っていかない時は、下に大きい石があることが多かったです。田畑の場合は石が少ないと思いますが、畑ではない場所なので石がゴロゴロしています。土の奥の方は粘土質で、そこも入りにくかったです。
元々使っていた鉄の棒なので、土に埋まっていた部分が白っぽくなっていて、どこまで打ち込めばいいかわかりやすかったです。新品ならどこまで打ち込むか印をつけておくとよいと思います。
長い棒の場合、身長が足りなくて打ち込めないので、ビールケース(残留物)を脚立代わりにしました。
大工仕事に慣れてないので、棒を垂直に、まっすぐ打ち込むことが難しかったです。どころどころ斜めになってました。畑の内側に傾くよりは外側に傾いたほうがいい気がします。
ワイヤーメッシュ設置
まず片側の鉄の棒を打ち込んで、ワイヤーメッシュを仮置きして、もう片側の鉄の棒を打ち込んで、さらに隣のワイヤーメッシュを仮置きして、結束線でつなげました。
ハッカーという道具を使って、鉄の棒とワイヤーメッシュを結束させます。ワイヤーメッシュの一番上と一番下とその間の3ヶ所以上を結ぶようにしました。
ワイヤーメッシュを1マス分重ねる方法もネットのマニュアルで見かけたのですが、長さが足りなくなるので、前の畑通り、端と端を重ねるだけにしました。
ハッカーの使い方はネット動画を参考にしましたが、正しくできているかは不明。
ネジネジしすぎると切れます。結束線の材質はステンレスにしました。前の畑で使われていた結束線は錆びていたのでスチールだと思うのですが、一体化してたのでそれはそれでいいような気もしました。
結束線のサイズは#21×450mmにしました。少し太さが細い気もしましたが、よく売られていたので。
これを書いている間に再度マニュアルを読み返してみたら、結束線は2本重ねると強度が増すとありました。1本で留めちゃいました。今さらなのでそのままにしておきます。鹿さんは壊せないと思うので。
ワイヤーメッシュの鉄線は、畑の外側が縦向き、内側が横向きになるように置きます。イノシシが持ち上げようとした時に外側が横向きだと壊しやすいからだそうです。1枚、間違えてやり直しました。
溝を埋める
掘った溝に土を戻し入れて踏み固めます。改めて写真をみると、一番下の横線が地面から離れて見えるので土不足かも。
さらに鉄の棒を追加
ワイヤーメッシュの両端以外に、もう1本、真ん中に鉄の棒を追加で打ち込み、結束します。メッシュは15マスあるので6マス目と7マス目の間です。
園芸用支柱の設置
下部のワイヤーメッシュ部分がひと通りできてから、ネットを張るための園芸用支柱を立てます。
鉄の棒を打った部分に園芸用支柱を打ち込み、結束線で鉄の棒にくくりつけました。
足りない部分は残留物のパイプも活用。
出入口ドア設置
もらってきた入口ドアに防獣ネットがつながっていたので、ドアを設置してからネットを張り始めました。入口のスペース幅は1m、ドア自体の幅は1m30cmです。
このもらったドアは下部に木の棒とその先にコロコロ戸車がついていて、開けやすいです。コロコロしやすいようにテント生地みたいなシート(残留物)を敷いてみました。地面がデコボコがあって整地しなかったので、雨が降るとシートに水が溜まりやすいです。要改善。
ネット張り
少しずつネットを広げて園芸支柱に留めていきました。ネットは畑の外側にしました。地面を引きずると枯れ葉や枯れ枝がネットに引掛かかるので、ビールケースの上にネットを置きながらやりました。
結束線とハッカーを使って、園芸支柱の一番上にネットをくくりつけました。よく販売されている防獣ネット用の支柱だと、ネットを引っ掛けるフックがついてて便利そうです。
参考にした前の畑の場合は、畑の内側から、支柱をネットでひと包みして留めてありました。でも、今回は内側に斜面があるので外側からの作業になって、同じように包めませんでした。
前の畑で、ネットを取り外している時の写真はこちら。グルッと巻いてネジネジしてありました。
いずれにしても、たわまないように張れればよいのかと思います。ネットがたわむと柱と柱の間の高さが低くなってしまい、侵入されやすくなります。たわんでいないか、時々チェックするようにしたと思います。
柵完成
ひととおりネット張りをしたら、古家の建物近くの通路などは適当に板などで塞いで、ひとまず完成としました。
ワイヤメッシュ柵の最下部まで防獣ネットが届かなかったので、後日ネットを追加する予定。残留物のトタン板(ゴミ)もあるので、さらに補強したいとも思っています。
ワイヤーメッシュを曲げる
ワイヤーメッシュは結構簡単に折り曲げることができます。カーブさせて、中途半端な長さの角部分に使いました。
ワイヤーメッシュを地面に置いて、上に乗って体重をかけて押さえつつ、ワイヤーメッシュの端を持ち上げると曲がります。曲げる部分に鉄の棒を置いてみました。
ぐいっと持ち上げます。
逆も可能で、曲線になっていたワイヤーメッシュは体重をかけて平たくしてから運搬しました。
斜面の場合
斜面部分を上側の横から見たところ。
鉄の棒は重力に垂直に打って、ワイヤーメッシュは地面に合わせて設置しました。斜面過ぎて、溝を掘る作業はできませんでした。
斜面部分のネットの高さは斜面の上段から飛び越えられない高さ、下段より高めにしました。
柵作り時のできごと
剪定枝が消える
柵を立てるのに邪魔な位置にある木の枝は高枝切り鋏やノコギリで切りました。切った枝は放置していたので、鹿の餌付けのようになってしまいました。
例えば、柵を立てるのに邪魔だったサザンカの枝を切って地面に置いた状態。
その数日後。鹿が食べてしまって、葉っぱが消えた状態になっていました。
鹿さんの足跡
土を掘るとその後に鹿さんが来ることも多く、足跡を付けていきます。たぶん、笹など植物の根が出てくるので、放置した根を食べに来るのだと思います。
子鹿さん来訪
おおよそワイヤーメッシュで囲めたかな、という頃に、子鹿さんがやってきました。まだ入れる箇所もありますが、人がいる時間帯にわざわざ近づこうとはしない感じ。鹿がいるのが柵の外である、というだけで少しうれしいです。
切り株の撤去
柵の外側にあった切り株の掘り起こしもしました。柵の近くに踏み台になるものがあると、それを足場にして鹿が柵を飛び越えてしまうからです。
鹿よけ柵を立てて思ったこと
- 鹿よけ柵ができてひと安心。あると気持ちが違う。
- 春の種まきシーズンにぎりぎり間に合ってうれしい。
- ツルハシがとても便利と思ったので私も買おうと思う。便利なものを教えてもらってよかった。
柵を設置してその後の状況は、また今度書きたいと思います。
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。