紫玉ねぎの皮でピンクに染める

紫玉ねぎクエン酸抽出で染めた色

タマネギには、皮が茶色のものと赤紫色のものの2種類があります。

茶色の皮で草木染めをすると、アルミ媒染で黄色、鉄媒染でカーキ色に染まります。

紫玉ねぎの場合も、同じように黄色に染まる場合が多いようです。でも、紫なのだから紫にも染められるのでは?と思ってテスト。

無媒染でピンクには染まりました。赤みはアントシアニンかと思うので、すぐ退色するかもしれません。

染めた日:2020年10月~2020年11月

※通常の玉ねぎ染めの方法はこちら→ 玉ねぎ染めの方法

紫玉ねぎで染まった色

クエン酸抽出して、温めずに染めることでクリアなピンク(赤茶色ではない)になりました。

左から、シルク、濃染剤下地のサラシ、五倍子下地のサラシ、下地無しサラシ。
上段:酢水抽出3週間。みょうばんアルミ先媒染をして、染液を温めて20分染めたもの。
下段:その残りを、クエン酸抽出2週間。無媒染で、常温で24時間染めたもの。

紫たまねぎで染まった色

酢水で抽出して、温めてアルミ媒染したものは、全体的に茶色ベージュっぽい色です。

クエン酸抽出は、フルーツ染めをした時のような、クリアな色。濃染剤をしたものは色がくすみました。

紫玉ねぎ染めテストの材料

  • 紫玉ねぎの皮 13g
  • 焼みょうばん 少々
  • お酢 大さじ1
  • クエン酸 小さじ1

紫玉ねぎ染めテストの手順

初日:

紫玉ねぎの皮をミルサーで粉砕してパウダー状にする。ガラス瓶にそのパウダーと、ひたひた位の水、お酢大さじ1を入れて混ぜる。蓋をして常温放置。

その3週間後:

皮をこした液を染液にする。染液を温める。アルミ先媒染20分→染液20分で布を染める。

こして残った皮にまだ色があったので、ビンに戻し、ひたひた位の水、クエン酸小さじ1を入れて混ぜる。

その2週間後:

皮をこした液を染液にする。温めない。液をビンに戻し、布を一緒に入れて24時間放置。

紫玉ねぎ染めテストの写真と詳細

仕込み

材料の紫玉ねぎの皮は、日々溜めてたもの。小さいビニール袋に8分目位の量でした。

紫玉ねぎの皮

紫玉ねぎの皮をミルサーで粉砕。だしの匂いがします。

ミルサーで粉砕

小さいガラス瓶にそのパウダーと、ひたひた位の水、お酢大さじ1を入れて混ぜて、蓋をして常温で放置しました。

瓶に仕込み

1回目の染色

気が付けば3週間も経過。ビンを開けてみました。シュワシュワは全くしていません。発酵を過ぎた感じ?ダシのよい匂いで、腐ってはいない感じ。でも、食べる気にはなれません。

紫玉ねぎ染液

皮をこし布でこして、染液にしました。液に赤みはありますが、茶色っぽい色です。

染液を温めてビンに入れ、アルミ媒染した布を入れて20分染めました。

水洗い後。茶色系の変な色でした。

紫玉ねぎ染め水洗い後の色

乾くとこんな感じです。一番左のシルクは、茶色玉ねぎの皮の色でした。

紫玉ねぎ染め乾燥後の色

火を入れた後、黄色っぽさが強まった気がしたので、加熱をやめようと思いました。酸性度を高めるため、お酢ではなくクエン酸に変更。

2回目の仕込み

残った皮は、まだまだ紫色。これを再びガラス瓶に入れ、水とクエン酸小さじ1を入れて放置。

2回目の染色

また、気が付くと2週間も経ってました。皮をこした後の染液の色は、くすんだ赤茶色。キレイな色ではないです。

加熱はせず、そのまま24時間の浸し染め。紫ピンク系に染まりました。

紫玉ねぎクエン酸抽出で染めた色

乾燥後の色。

最後に残った皮は、まだまだ紫色でした。この色はどうやったら取り出せるのだろう?と思いましたが、わからないので今回はこれで終了。

クエン酸抽出後に残った玉ねぎの皮

追記:紫玉ねぎ染めその後の色変化

2023年8月。ファイルにしまい込んで、3年弱。

左から、シルク、濃染剤下地のサラシ、五倍子下地のサラシ、下地無しサラシ。
上段:酢水抽出3週間。みょうばんアルミ先媒染をして、染液を温めて20分染めたもの。
下段:その残りを、クエン酸抽出2週間。無媒染で、常温で24時間染めたもの。

紫玉ねぎ染めその後

下段だけの写真。紫は消えて、ベージュ。肌色っぽい雰囲気。五倍子下地や下地無しサラシは、紅茶染めのピンクベージュの色に似ています。

紫玉ねぎ染めその後

紫玉ねぎ染めテストをして思ったこと

クエン酸抽出は、ヤマモモの実でやった時に似ていると思いました。ヤマモモの実の時も、染液は赤茶でしたが染まる色は派手なピンクでした。その時は水洗いで色がほとんど落ちました。染色時間の差ではないかと予想しています。

※ヤマモモの実の話はこちらの下の方にあります→ 草木染めの失敗記録

アントシアニンのショッキングピンク系の赤みは木綿が染まらない(水洗いすると全部落ちる)と思っていましたが、冷たいし、時間をかけないとダメなのかも?と思いました。ドラゴンフルーツのベタレイン色素を低温で時間をかけて染めているものを見かけて、それを参考にしました。

紫玉ねぎの皮については、素直に黄色に染めたほうが染めやすいし、簡単だし、色落ちしにくいと思います。

紫玉ねぎから、きれいな緑色にも染まるらしい。

発酵染めの方法がよくわからず、とりあえずビンに酸を入れて放置、という方法でやっています。おすすめの方法があれば教えてください。

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