2021年10月31日(日)クサギ染めワークショップ開催報告(岡山)

クサギ染め体験ワークショップ

10月最後の草木染め体験ワークショップは、クサギ染め。クサギ(臭木)の実を煮出して、緑がかった水色を染めました。場所は岡山市中区です。

素敵な色に染まったのは、たくさんの実を集めることができたからで、協力してくださった方々のおかげです。ありがとうございます。

今回の参加者は、先月のアボカド染めにも参加してくれた方5名。アボカド染め1回目参加者と2回目参加者は初めて会った方同士のはずなのですが、もともとの知り合い?と思うぐらい打ち解けて、にぎやかな楽しい会になりました。

※ワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染めワークショップ

クサギの実の確保

岡山にはクサギがあるのだと気がついたのは、夏にチラシを置かせてもらいに倉敷てまり会さんを訪ねた時。秋に実ができる季節になり、お分けしますよと声をかけていただいたことで、「ワークショップできるのでは?」と思いつきました。貴重なものをありがとうございます。

クサギの木

探してみると、近所の空き地や土手、農園への道すがらにもクサギの木がありました。

ワークショップができる量を確保できるのか多少の不安はあったものの、今を逃すとまた来年、翌秋を1年待つことになるので、1回だけ開催することにしました。

手が届かない場所も多かったので、高枝切りバサミをホームセンターのタイムで買って採取に挑みました。高枝切りバサミを使ったのは生まれて初めてです。市民農園で知り合った方にも協力してもらい、数回にわけて集めて、実だけを外して開催日まで冷凍庫に保管しました。

土地勘がつかめて目星がつけられるようになったら、染料採取もワークショップに組み込んでみたいです。

※採取方法の詳細はこちら→ クサギの実の採取とクサギ染めテスト

ワークショップの雰囲気

開催場所

場所は、キッズハウスいちごアトリエ(平井地区の子どものデイサービス施設で、土日はお休み)をまたお借りしました。素敵な古民家です。ワークショップ中は換気のために入口を開けていたのですが、「何の施設なのかと思っていて」と立ち寄られた方がいたぐらい、気になる古民家です。

クサギの実の下準備

どの実を使って、どの実を除外するか。冷凍した実だとわからないので、直前に取った生のクサギからも少しだけ実を取る作業をしました。

生のクサギの枝
クサギの実のとりわけ

冷凍の実も色をチェック。ダメそうなのは外しました。

大漁。ステンレスの寸胴鍋2個で煮出す分です。

クサギの実2鍋分

※実の状態別でのテスト結果はこちら参照→ クサギの実の採取とクサギ染めテスト

クサギの実の煮出し

ステンレスの寸胴鍋2個で煮出しました。実がいっぱいです。

クサギの実を煮出す寸胴鍋

沸騰したところ。

クサギの実の煮出し

一番液を煮終わったところ。

実をこしているところ。青みのある濃い液が取れました。青い色が出ていて一安心。

2番液はつぶしてから煮て、こんな感じ。

クサギの実2番液

2つの鍋で煮出したのですが、微妙に色も違って、片方は濃く緑がかっていて、片方は薄めで青みが強めでした。使った実の個体差なのか、火加減の差なのか。

緑っぽく染めたい方々が緑っぽい染液を、水色を染めたい方々が青っぽい染液を使うことになっていて、ちょうどよかったです。

煮出している時、換気で開けた窓からもクサギが見えて、あそこにもあった!とみんなで驚きました。

布の下処理

煮出す間に、布の下準備。

クサギの場合、木綿や麻などの植物繊維でも薄い水色が染まるのですが、濃く染めたいので今回は濃染剤を使って濃染しました。

布の下処理

今回から少しだけやり方を変更。今までやってなかったのですが、濃染前にも一度お湯につけることにしました。

染める作業

1番液と2番液をまぜて使いました。保温できていたので、再加熱なしで使用。

ストールをいれて染めているところ。

きれいな色!と感動しているところ。

染め上がったらよく洗って、洗濯機で脱水して完成。

クサギ染めの色あい

水色~少し緑みのある水色に染まりました。濡れた状態なので乾くと色は少し薄まります。

左から、シルクストール、濃染した木綿ストール、コットンシルクストール、元が薄黄色の濃染した木綿ストール、濃染した麻布と、私が残液で染めたシルクハギレ。

使った染液だけでなく布の素材によっても色は違うので、微妙に1枚ずつ違う色です。

屋外で撮影チャレンジ。

クサギ染め体験ワークショップ

素敵に染まってよかったです。参考のため、参加した方は乾燥後のお写真をお送りいただけるとありがたいです。このページに追記させていただきます。

残液の活用

液色が透明になるまで色を吸う予定だったのですが、実の量が多かったようで、残液に色が残りました。持参した絹のハギレで吸えばいいと思ったのですが、全然吸いきれず。

残液は参加した方が持参のペットボトルで持ち帰り。それでも入り切らずに余った分があって、寸胴鍋で持ち帰って家でウールのショールを染めました。

クサギ染め残液ウール染め作業

染めてすぐ、乾いた状態。実物はこの写真よりもちょっと緑寄りの色です。

100g以上あるウールが染まるぐらい、残液に色が残ってました。染料の余裕を取りすぎたのかも。

今後のワークショップ

11月は「五倍子(ごばいし)」を使って鉄媒染で染める会をします。濃染しないでも木綿が染まる、おすすめのメジャーな染料です。

それとは別に、ウールは染め方が違って普段のワークショップでは染められないので、特別企画として「ウールを草木染め」の会もします。先ほど残液で染めたショールも染める布小物の1つとしてご用意しています。

どちらも草木染めを楽しむのに知っておくと幅が広がるやり方です。ぜひご参加ください。

乾燥後のクサギ染めの色

参加した人に乾燥後のお写真を送っていただきました。

地の色が薄黄色だった100均木綿ストール。濃染したもの。一度洗濯して色落ちもなく、素敵な色とほめられたそうです。

クサギ染め木綿ストール

麻生地。濃染したもの。写真に撮ると少し色味が違うとのことです。

臭木染め麻生地

コットンシルクストール。濃染なし。実際はもう少し水色とのことです。

臭木染めコットンシルクストール

ご協力ありがとうございます。使ううちに変化があったらまたぜひ教えてください。

変化後の色

3ヶ月後、洗ったら色が落ちてしまったというストールを見せてもらいました。水色だったはずがうぐいす色になっていました。詳しくお話をきくと、洗剤ではなくマグネシウムで洗濯したとのこと。マグネシウム媒染になって変化したんですかね?不思議です。

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。