2020年10月25日(日)柿染めワークショップ開催報告

柿の枝と葉の染色下処理

民家のお庭にある柿の木から枝と葉を切って、草木染めをする会をしました。場所は東京の新高円寺です。

木を切って、準備して、枝葉別々に煮出して、別々に染めて、とみんなで作業。枝からは思ったより濃いピンク~赤茶系の色、葉っぱからは黄色が染まりました。

今回の参加者は、リピーター2名と初参加4名。めまぐるしく次々と作業でしたが、秋晴れの気候のよい日で、採取するところからの染物体験を楽しんでもらえたかと思います。

※ワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染めワークショップ

染料の採取

今回のテーマは、お庭の木で染めること。

庭の柿の木は少々弱り気味で、去年よりも実が少なかったです。手分けして剪定バサミを使って枝をとりました。

柿の木

タライに山盛りの枝。オレンジに色づいた柿の実もついでに取りました。甘柿です。

柿の剪定枝

枝と葉っぱを分けて、手分けをして下処理。この作業、けっこう時間がかかります。

煮出す前の下処理

煮出す

玄関のたたきを利用して、葉っぱを煮出し。煮出した後の鍋。アルミ媒染なので、アルミ鍋でもたぶん大丈夫かと思っています。

煮出し後の柿の葉

量が多いのでカップですくって、こし布でこしながらバケツへ。

液を濾す

枝は台所のIHコンロでステンレス寸胴鍋2個を使って煮出しました。ちょっとしたトラブルもあったものの、2回煮出せました。

今回は下処理の方法を変更したこともあって、思ったより濃い液がとれました。これは2番液かと思います。

柿の枝の染液の色

布の下処理

木綿や麻は染まりが薄くなるので、濃染剤で下処理しました。

濃染用のお湯を作るため、水温を確認しているところ。ダイソーの400円温度計に新調しました。

濃染剤を入れているところ。

濃染剤投入

※濃染剤の詳細はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて

生地を浸しているところ。毛糸や自宅で豆乳下地をしてきた布はお湯へ浸します。

濃染作業

染める作業

枝の染液で染め始めたところ。アベノマスクがすごい染まっていました。真ん中はビニール袋を活用して刺し子糸を2色染め。

葉っぱの染液は緑がかった感じ。媒染前はあまり色が入っていかない感じです。

焼みょうばんを溶かして、アルミ媒染液を作ります。

※媒染の詳細はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方

手前が葉染めの媒染液で、黄色の発色が強まりました。奥が枝染めで、媒染後に染液に戻したところ。

葉染めは媒染後、媒染液がレモンイエローになっていました。色が流れ出てました。

持ち込みのカップで和紙を2色染め。これはたぶん媒染。

和紙2色染め

葉染めは、媒染後に染液に戻すと色が入る感じがしました。

よく水洗いして、洗濯機で脱水。

柿の枝や葉で染まった色

枝はピンク~赤茶系、葉は黄色系に染まりました。素材や下地の違いでも色が違います。濡れた状態なので、乾くと色は薄まります。乾燥後の色を参考にしたいので、参加した方は乾いたら画像をお送りください。このページに追記します。

蛍光灯の光で色が飛んでいる写真もあります。

無印良品の帆布プランターカバー、アベノマスク、無印良品のマイバッグ。

晒し(濃染なし)と豆乳下地の刺し子糸と、濃染剤下地の晒しかと思います。

柿染めの晒しと糸

シルクコットンストール(こちらで用意したもの)は濃染して結構黄色でした。元々色や模様が入った手ぬぐいは濃染しませんでしたがうっすらピンクが重なりました。

和紙。こんにゃく下地を事前にしてあるものです。

麻生地。ラミー。麻は木綿よりも濃く染まりやすいです。

毛糸は薄い色。ウールは加熱しないと色が入りにくいです。

去年も同じ季節に同じ木で柿染めをしたのですが、その時よりも濃色に染まりました。去年染まった色はこちら参照→ 2019年10月20日(日)開催報告 2019年11月9日(土)開催報告

ピンク色は、9月のアボカド染めの色あいに似ていました。乾くと違うのかな?その時の色はこちら→ 2020年9月13日(日)開催報告 2020年9月21日(月・祝)開催報告

次回のワークショップについて

11月の募集は近日中に行う予定です。場所は同じ場所です。

染料をどうするか検討中です。今回は植木屋さんが参加してくださったので、庭の植物の名前を教えてもらい、柿の木以外にも染物に使えないか考えたのですが、季節や量を考えるとむずかしそう。決まり次第ブログで募集をかけます。

柿染め乾燥後の色あい

乾燥後の写真を送っていただきました。

枝が麻(苧麻=ラミー)で、ワインで薄いボルドー色。葉は薄手の木綿。からし色より緑があり、若菜色、ひわ色の間の色とのことです。

乾燥後の柿染め

木綿の布と毛糸。黄色は淡いひよこみたいな色、薄いけどちゃんと色があり。枝は落ち着いた赤紫で、乾いても濃い色。どちらも落ち着いた渋い感じで好きな色とのことです。

乾燥後の柿染め木綿布と毛糸

アベノマスク、無印良品のキッチンクロスとマイバッグ、帆布プランターカバー。乾燥後もそんなに色は薄くなっていないそうです。

乾燥後の柿染め無印良品の布とアベノマスク

プランターカバーをさっそく使ったところ。

ご協力ありがとうございます。

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※つぎいろワークショップ全体についてはこちら→ 草木染めワークショップについて
※草木染めについて知りたい人はこちら→ 草木染めの目次