2019年11月16日(土)液体植物染料染めワークショップ開催報告

茜染めの刺し子糸やサラシ

液体植物染料を使った草木染め体験ワークショップを開催しました。場所は東京都杉並区にある新高円寺の民家です。

染めたものはすべて持込み。ストールや刺し子糸、晒し生地、つまみ細工用の絹生地、ポジャギ用の麻などが茜染めで朱赤、五倍子染めで青紫に染まりました。

今回の参加者はリピーター4名、その知人1名、ブログから初参加の方1名でした。ブログを見て初参加の方は、草木染の色落ちについて調べていて、このワークショップを見つけたそう。色落ちについてブログに書いていてよかったです。

前回10日のドタバタを反省して、段取りを改善して、流れの説明に力を入れました。草木染めに慣れた方、このワークショップにも何度か来ている方の協力もあり、なんとか計画通りに実施できたと思います。

まだまだ反省点や勉強すべき点はあるのですが、とりあえず参加した方には染物を楽しんでもらえて、また来たいと言ってもらえたので、よかったです。

※ワークショップ最新情報はこちら→ 草木染めワークショップについて

染めた日:2019年11月16日

ワークショップの雰囲気

説明に力を入れていたら、写真を撮るのを忘れがちで、写真が少ないです。

今回は前回の反省を踏まえて、下地染めまでは一緒に、そこからは2組(3人ずつ)に分かれて作業をしました。茜染めアルミ媒染と五倍子鉄媒染の二手に分かれて、交代で並行作業しました。

鉄媒染とアルミ媒染を併用すると、ちょっとでも液が飛ぶと変色するなど、生地が汚れやすいので、水場も2つに分けました。

茜染めアルミ媒染

茜染めアルミ媒染の作業は煮染め。アルミ媒染と煮染めを何度か繰り返して染めました。

茜染めアルミ媒染の作業

今回アルミ媒染用に使ったのは、酢酸アルミです。在庫があったので使うことにしました。酢のにおいが少しします。

媒染は常温でしました。寒くなってきたので、水道水の水温が低い、という意見をいただきました。多少は温めてやったほうがよかったのかも。夏の常温だったら30℃ぐらいまでなるので、そのぐらいでやったらいいのかな?

液体染料は汚れやすいです。原液がつくとなかなかとれません。なので、テーブルに養生用のビニールを敷きました。そして、原液のボトル置き場も確保しました。

茜の液体染料

なお、薄めた染液の茜の赤い色は、激落ちくんのメラミンスポンジでこすれば取れます。

茜染め鉄媒染で調整

茜染めの鉄媒染は、多少色を暗くする調整だけに使いました。

つまみ細工にするならムラ染めもいいかも?ということで、茜アルミで染めた後に、茜鉄でムラ染めチャレンジ。くしゃくしゃ畳んでいるところ。

茜染めむら染めチャレンジ

均一にくしゃくしゃに畳むのって、きちんと畳むより難易度高いです。

輪ゴムで軽く縛って鉄媒染で染めてみます。

鉄媒染

写真がうまく取れてませんが、紫っぽく、ムラになりました。使い道によって、いろんな染め方があるなあと思いました。

茜ムラ染めの正絹

五倍子染め

五倍子染めは、バケツで浸染めをしました。日当たりが良くてポカポカする窓際です。

五倍子染めの作業

左側のステンレスタライの液が、鉄媒染液です。木酢酸鉄(古いもの)を適当な量入れています。木酢酸鉄は古くなると効きが悪くなるので、適量を入れるのが結構むずかしいです。

五倍子染めを洗っているところ。水に入っているのがつまみ細工用の絹なのですが、かなり濃色に染まっていました。

五倍子染めの水洗い

手順が多かったので時間は押しぎみでしたが、染物の後は、後片付けをしてお茶タイム。

お茶タイム

染める生地や糸をどこで買うとか、染物体験がどこでできるとか、そういう情報交換をしたり、今後のワークショップ開催場所について意見をいただいたりしました。

茜と五倍子の色

濡れた状態での色です。乾くと色が薄まります。参加された方は、ぜひ乾いたらお写真をお送りください。どんな色になるかの参考に、このページに追記できたらと思います。

茜染めの色

茜染めは、前回よりも染液の濃度を上げて染めたのですが、オレンジ寄りの色になりました。なかなか濃い色が入らず、タンニン下地をした割には、素材によって染まり具合が弱いものがありました。

茜染めの刺し子糸やサラシ

今回のタンニン下地の効きが弱かった可能性もあります。茜染めのやり方としては、灰汁や石灰水を加えて赤みを増す方法があったり、さらにうまくやる方法もありそうです。今後勉強したいと思います。おすすめの方法があればぜひ教えてください。

五倍子染めの色

五倍子は、濃い青紫色に染まりました。手前のストールは、もともと薄ピンクの生地で、薄く五倍子染めをしたので、薄い赤紫色です。

五倍子染めのストールや糸

上の写真の絞り染めは、下の写真のようにストールをねじねじ編んでから染めたものです。

五倍子染めのストールと刺し子糸

やっぱり、液体染料で染めた色はキレイだなと思いました。自分で抽出すると、五倍子で適度な染液を作るのは結構むずかしいです。いつか煮出すところから、五倍子染めのワークショップもやってみたいです。

ワークショップの反省点

鉄媒染で少し色むらになった部分がありました。

鉄媒染の準備をした時の手袋そのままで染色作業をしたのが原因だと思います。私の配慮不足でした。鉄媒染の場合、鉄の影響が大きく出るので、手袋に鉄がついてないか考えつつ作業をする必要があります。

鉄媒染はアルミ媒染よりむずかしさがあります。

今後のワークショップ

11月は3回液体染料染めをする予定で、11月24日残り1回です。(満席です)茜の染液が残りわずかになったため、茜の代わりにラックダイ(ピンク系)に変更します。

次回12月は、何の植物で染めるか検討中です。テスト的に染めた紫根染め(シコン染め)のストールの匂いをみんなに嗅いでもらったのですが、「クサイ」という評価だったので、紫根はやめておきます。染めたては臭くなかったのに、ビニール袋に保管して開封すると、臭いです。

12月の詳細が決まり次第、このブログでお知らせして、メール送付の許可をいただいている方にはメールでお知らせします。

追記:乾燥後の茜、五倍子染めの色

乾燥後の写真を送ってもらいました。今回の茜染めはやっぱりオレンジ寄りの色に染まったかと思います。

麻のハギレと刺し子糸。上が五倍子染め、下が茜染め。

五倍子染めと茜染めの麻のハギレと刺し子糸

晒しと刺し子糸。

茜染めと五倍子染めの晒と刺し子糸

コットンシルクのストール。元が薄ピンクの生地で、薄く五倍子染めをしたもの。

五倍子染めのストール


不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。

ワークショップに使える場所を探しています。染物に必要なのは、火力と水場です。ご存じな方はぜひ教えてください。

※ワークショップ全体についてはこちら→ 草木染め体験ワークショップについて
※草木染めについて知りたい人はこちら→ 草木染めの目次