柿の枝、柿の葉で染めた色
10月の草木染めのワークショップに向けて、柿の枝、柿の葉でどのような色に染まるのかテストをしました。
柿の枝から赤茶色(写真の上段)、柿の葉から茶色、黄色、薄赤茶(写真の下段)が染まりました。すべてアルミ媒染で、濃さによって色が変わります。
※普通の草木染めで、柿渋染めではありません。
染めた日:2019年9月24日~9月26日
目次
柿染めのテスト結果
柿の枝葉で染まった色
コットン(鹿の子ニット生地)を濃染剤で下処理してから染めた色です。
上段:柿の枝20gを水1リットルで煮た。
下段1番目:柿の葉52gを水1リットルで重曹を入れて煮た2番液。こげ茶色。
下段2番目:柿の葉52gを水2リットルで煮た。黄色。
下段3番目:柿の葉20gを水2リットルで煮た。黄色。
下段4番目:柿の葉5gを水2リットルで煮た。薄い赤茶。
染液の濃さによって色合いが変わります。2番液を使ったり、葉っぱの量を減らすと赤みが出ます。
柿の葉で緑色に染まったという話もきいたので、緑色にも染まるかもしれません。
濃染処理での違い
枝を使って、赤みの強い茶色になりました。濃染しないと薄いピンクです。
葉を使って、黄色になりました。濃染しないと薄い黄色です。
濃染処理をしなくても染まりますが、色が薄めなので、濃く染めたい場合は濃染処理したほうがよさそうです。柿にはタンニンがあるから木綿も染まるかな?と予想してましたが、普通に染まりにくい感じでした。
柿の枝染め、柿の葉染めの材料
- 鹿の子ニット生地はぎれ 1枚5gくらい
- 柿の枝、柿の葉
- みょうばん
- ディスポン(濃染剤) 1リットルに小さじ1杯くらい使用
※濃染剤の詳細はこちら→ 濃染剤カラーアップZBとディスポンについて
柿の枝染め、柿の葉染めの手順
- 事前準備:ディスポン(濃染剤)3㏄を熱湯1リットルに溶かし、布を20分つける。終わったら水洗い。
- 事前準備:濃染しない布は、別の容器でお湯(40℃くらい)につけておく
- 【柿の枝の場合】剪定ばさみで柿の枝を1㎝程度に細かく切る
【柿の葉の場合】柿の葉を4等分ぐらいに手でちぎる - 鍋に枝(葉)と水を入れて強火。ふたをする。沸騰後20分強火で加熱する(1番液)
- こし布で枝(葉)をこす
- 染液に空気を含ませる
- 水を変えて、同様に2番液をとりはじめる
- 1番液に生地を20分つける
- 布を水洗い
- ミョウバンで媒染液を作り、布を20分つける
- 布を水洗い
- 2番液をこして、空気を含ませる
- 染液に2番液を追加して、布を20分つける
- 水洗い
- タオルドライして、自然乾燥
※枝と葉は別々に行いました。条件によって多少手順を変えています。
※ワークショップ用のテストなので、生地5g程度に対して染液120㏄を使用しました。
柿の枝染めの写真と説明
採取した柿の木
民家のお庭にある柿の木。柿の種類は不明。染色テストの2日前に採取しました。
柿の枝の染液作り
柿の枝を細かく切って、水を入れて鍋で煮ます。フタをして強火。沸騰後20分、けっこう強火で煮ます。(ピーラーして、剪定ばさみで枝を縦に割り切るとさらに色が濃く出ました)
枝をこすと、赤茶色の染液が取れました。
空気を含ませると、赤みが増します。
2番液は、1番液に比べると少し薄めですが、同じように赤茶色の染液が取れました。
空気を含ませると、同じように赤みが増します。
染液に布をつける
染色液に布を浸します。テストのため、染液のうち120㏄をとって、布5gを染めています。
みょうばん媒染
みょうばん媒染液に布を浸します。
再び染液に布をつける
染液に2番液を追加して、水洗いした布を入れます。
下の写真は20分経過後。濃染した布の場合、染液の色が透明になっています。
逆に、布を濃染していない場合は、染液に色が残っています。
水洗いした後、タオルドライして自然乾燥しました。
柿の葉染めの写真と説明
柿の葉の染液作り
柿の葉を4等分ぐらいにちぎって、水を入れて鍋で煮ます。フタをして強火。沸騰後20分、けっこう強火で煮ます。
葉っぱは、煮ていると泡立ちます。
煮出しが終わった後も、鍋のフチに白いカスが付着します。
柿の葉20gを水2リットルで煮て取れた染液の色は、黄色でした。空気を含ませても黄色でした。
染液に布をつける
染色液に布を浸します。
下の写真は、20分経過後に布を取り出したところ。容器が赤いので染液の色がわかりませんが、生地は黄色っぽく染まっていました。
みょうばん媒染
みょうばん媒染液に布を浸します。
再び染液に布をつける
染液に2番液を追加して、水洗いした布を入れます。
下の写真は、20分経過後に布を取り出したところ。生地はさらに黄色っぽく染まっていました。
水洗いした後、タオルドライして自然乾燥しました。
2番液は色が違う
1番液は黄色っぽかったですが、2番液の染液は、赤みが混じった黄土色でした。
空気を含ませると赤みが増し、枝の染液に近い色になりました。
試しに濃染していない布を染めると、薄いピンク色に染まりました。濃染していなかったので薄い色です。
重曹を入れて煮出した場合
葉52gと水1リットル、重曹小さじ1/2を入れて、沸騰後20分煮出すと、こげ茶色の染液になりました。染まった色もこげ茶色でした。
染液を混ぜた場合
黄色の染液と、赤みが出た染液を混ぜて染めた場合、黄色に染まりました。混ぜない場合よりも薄めの色に染まりました。
柿の枝染め、柿の葉染めのテストで思ったこと
- 柿の実のようなオレンジ色にはならなかった
- 柿の枝葉での草木染めは、ビワ染めに似ている感じがした
- 濃染しなくても色は入るが薄いので、濃染すべきか悩む
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。