八ヶ岳で移住お試し住宅の旅

北杜市移住定住お試し住宅

山梨県北杜市の移住お試し住宅に3泊4日泊まって、田舎生活体験してきました。宿泊無料です。その移住体験の感想を書きます。

お試し住宅の制度は、北杜市以外にもあるので、移住に興味がある方は、ぜひ活用して現地に足を運んでみてください。

泊まった日:2019年6月中旬

北杜市のおためし住宅の場所

お試し住宅があるのは、須玉という北杜市役所のある地域です。食品スーパーもコンビニもバーミヤンも、歩こうと思えば歩ける場所にあります。他の地域に比べたら街中ですが、近くに田んぼがあってカエルの声もする、近くに山並みがみえる、田舎です。

お試し住宅の近所の田んぼ

実際に人々が住んでいる集合住宅の、ひと部屋がお試し住宅として使われています。静かだけれど、他にも人が住んでいる生活感がほどよくあります。(人がほとんど住んでない集合住宅って、怖いですよね)

いくつかある建物のうち、お試し住宅があるのは、はじっこの建物の2階の角部屋。道路をはさんで向かいが川で、桜並木が窓から見えました。春はサクラも楽しめそう。今の季節は新緑がさわやかでした。目の前が道路といっても、ほとんど車も人も通りません。

お試し住宅の建物

駐車場も1台分割り当てられていて、無料で使えます。空いているスペースが多くて、運転が下手な私でも、駐車しやすい駐車場でした。前向きに駐車します。

東京から北杜市お試し住宅へのアクセス

車がないと不便なので、基本は自家用車で行くものなのかもしれません。

韮崎か小淵沢でレンタカーを借りる

わたしは車を持っていないので、レンタカーをかりました。

お試し住宅のある須玉近辺にはレンタカー屋がなく、借りられるのは、手前にある韮崎(北杜市ではなく韮崎市)か、奥にある小淵沢になります。

手前にある韮崎の「ニコニコレンタカー韮崎若宮店」でレンタカーを借りることにしました。エネオスがレンタカー屋になっています。店員さんも親切で、その場で給油もできるのがよかったです。

行きは、新宿バスタから高速バス(新宿~諏訪・岡谷・茅野線)で韮崎インター(中央道韮崎というバス停)まで行き、韮崎に住む知り合いにレンタカー屋のある駅近くまで車で送ってもらいました。韮崎インターから韮崎駅は離れています。

帰りは、レンタカー屋から韮崎駅まで歩いて、電車(JR中央線特急あずさ)で帰りました。

新宿から韮崎までの料金は、高速バスが片道2000円ちょっと。特急あずさが片道4000円ちょっと。

金額だけ考えると高速バスを使いたいところですが、レンタカーを借りるなら、アクセスのよい電車を使うのがおすすめです。

高速バスは「ハイウェイバスドットコム」で、特急あずさは「えきねっと」で事前に予約して、少し割引になりました。

韮崎駅から路線バス

お試し住宅を使うだけなら、本数は少ないけれど路線バスが近くを通っているので車が無くても行けます。バスの本数は少ないです。結局使いませんでしたが、事前に調べました。

高速バスで行くなら、須玉インター(中央道須玉、というバス停)から北杜市役所まで徒歩10分。

特急あずさで行くなら、韮崎駅から山梨交通の増富温泉郷行きバスで「北杜市役所」まで20~30分くらい。460円。

市役所からお試し住宅までは、「北杜市役所」から「若神子中」バス停までが5分くらい。220円。「若神子中」バス停からお試し住宅まで徒歩2分です。

北杜市のお試し住宅を借りるためにすること

部屋の空き状況が北杜市のホームページに出ています。「北杜市移住定住お試し住宅の御案内」というページです。そこで空き状況を確認して、日程を決めます。手続きがあるので、開始日と終了日は平日にする必要があります。

申請書と滞在計画書を書いて印鑑を押し、身分証明書のコピーと一緒に郵送します。利用したい2週間前までに郵送で申し込みます。電話での予約はできません。一応、申込み書類を送付する前に電話でも空きを確認しました。

問題なく受理されれば、使用許可書と、利用方法が書かれたしおり、周辺の地図が郵送で届きます。思ったより返信までに日数がかかりました。

初日は、入居手続きに市役所に行き、許可書を見せて鍵を受け取ります。指定時間は15時でした。

滞在中に1回は移住相談に行く必要があるので、鍵を受け取ったついでに、その日に移住相談もしました。標高による積雪の違い、除雪車のこと、空き家バンクの住宅のこと、太陽光発電パネルのこと、ゴミ捨て問題のこと、中部横断自動車道の建設計画のことなど、親切に教えてもらいました。

鍵を受け取ったら、手続きは完了。自分でお試し住宅へ行きました。市役所から車で5~10分くらいです。

滞在中に何をしたか簡単に報告書を書いて、退去時にカギと一緒に提出します。お掃除のリストがあって、それにしたがって掃除や洗濯もします。

最終日は、係の方がお部屋まで来てくれます。指定時間は11時でした。それまでに掃除を済ませておきました。お部屋のチェックを受けて、移住関連の話を少しして、報告書と鍵を提出。それで終了です。

北杜市のお試し住宅の設備

設備も新しく、私の家よりもずっと掃除が行き届いていて、こぎれいな部屋でした。部屋に入ったときは、少し空気がこもった感じはあったものの、窓を開けるときれいな空気が入ってきて、すがすがしかったです。

電子レンジ、冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、掃除機、テレビ、ドライヤーなど必要な家電は揃っています。フライパンや鍋、包丁などの調理用具もありますが、食器はありません。

私は食器がない事を見逃していて、ローソンで紙コップを買い、割り箸をもらってしのぎました。食器がないと電子レンジも使いにくいし、不便です。電子レンジでも使える食器を持参することをオススメします。

ローソンの紙コップ

コンセントは全部抜いてあるので、まず冷蔵庫にコンセントを入れて冷やしました。

そして、寝具がありません。そのかわり、コタツの敷き布団が1つ、コタツの掛け布団が1つ、長座布団が4つありました。1人だったら、それにタオルをひいたりして、寝具代わりにすればなんとかなる感じです。床がフローリングなので、そのまま寝るのはつらいです。

お風呂は毎日、日帰り温泉に行きました。なので、お風呂場の使用感はわかりませんが、普通のユニットバスで清潔でした。湯沸しの関係で、一日に使えるお湯の量が決まっているので、家族が多いとお湯が無くなることがあるそうです。

日当たりも風通しもよくて、無料とは思えない、なかなかよいお部屋でした。

お試し住宅ベランダからの風景

使わなかったけれど、無料wi-fiもあります。泊った方が自由にコメントを書いたノートも見ることができて、とても参考になりました。

北杜市の移住体験

スーパーで買い物してお部屋で調理して食べたり、洗濯したり、車で各地域を回ったり、移住者の知り合いを訪問したりしました。

お部屋から近いのは、「ザ・ビッグ」というスーパー。それなりでした。

お試し住宅の近所のスーパー「ザ・ビッグ」

初日に次の日の朝食のことを考えてなくて、朝用のパンをパン屋で買えばよかった、と後悔しました。

北杜市には、おいしそうなパン屋がたくさん点在しています。ただし、お休みの曜日が多いので、開店している曜日か事前に確認したほうがよいです。パン屋に限らず、水曜休みのお店や施設が多いです。

直売所・道の駅は各地域にあって、「道の駅こぶちざわ」が大きくて品揃えがよかったです。お試し住宅から近い直売所は「おいしい市場」。他の直売所より小さめですが、きちんと野菜が売っています。

直売所で野菜を買って、小淵沢のチーズ工房でチーズを買い、清泉寮でドレッシングを買って、サラダにして食べました。

直売所の野菜

車で15~20分くらいの大泉の「ひまわり市場」というスーパーは、成城石井みたいな印象。旅行だと思えばいい感じですが、日々の生活で使えるかというと、話は別です。私には贅沢すぎるかもしれません。

ひまわり市場

東京は物価が安いということを、実感しました。

きららシティというショッピングモールも車で15分くらいの所にあります。モールには行かなかったけれど、少し見ておけばよかったかも。

車での移動

初日、簡単に夕食を作っていたら、お部屋に食器がない(お箸、お皿、コップがない)ことに調理後に気がついて、ローソンに行くことにしました。2ブロックくらい離れていて、普段の感覚で言うと、「わざわざ車で行く場所ではない」距離です。

近所の散策がてら歩いていってみよう、と徒歩で行くことにしました。でも、夕暮れ時の人通りの少ない(でも車は結構走っている)道を歩いていたら、逆に、「わざわざ歩いていく場所ではなかった」と感じました。

田舎ではコンビニにも車で行く、という話は聞いていたけれど、距離の問題だけでなく、感覚的なものもあるのかなと思いました。

渋滞もなく、車線変更や合流もなく、対向車も少ない、風景のよい場所での車の運転は楽しかったです。でも、カーブや坂が多いから気を抜いたら危ないし、疲れました。

北杜市に限らず、車の運転が主な移動手段になる場所に本当に自分が住めるのか、まだわかりません。

北杜市で印象に残った場所

木々に囲まれる別荘地

パン屋に行くために入った高根の別荘地や、白州の白根渓谷までの道沿いの別荘。ステキでした。樹木がとても高くて少し暗くて、鳥の声がして、緑のにおいがして、静かで落ち着いた感じ。あこがれます。

コンプレ堂というパン屋

こういう場所に住んで、日当たりのよい場所に土地を借りて農作業をしたら、と妄想が広がります。問題はお金と、冬はどうなのかという点ですが、住んでみたくなりました。

田園からの山並みの眺め

別荘地だけでなく、平らな田園から山々が見える風景も捨てがたく、ひろびろした感じが好きでした。

白州の田園地帯

新緑の風のにおいや、それにまじる牛っぽいにおいや、突然現れる太陽光パネルが並ぶ地帯。坂とカーブの山道でつい運転が乱暴になってしまったり、いろいろ体感できました。

突然現れる太陽光パネル

暑さはぜんぜん違うけれど、沖縄の離島でのドライブに雰囲気が似ていると感じました。

大滝神社と白州の湧き水

残念ながら、お試し住宅の近所には湧き水はありませんでした。

湧き水は2ヶ所で汲みました。空になった500mlのペットボトル2本を持参しました。

大滝神社の湧き水は、神社の中にあります。神社の荘厳とした雰囲気の中くんだ湧き水は、なんだかご利益がありそう。カーナビで行く時は、大滝神社を目指すとよいです。

大滝湧き水

境内でわさびも栽培されています。

大滝神社のわさび田

白州の湧き水は、道の駅はくしゅうの建物の前にあります。湧き水を入れる場所が整備されていて、大きなペットボトルを持った人が次々に来ていました。(人がひっきりなしだったので、写真がとれませんでした)

北杜市のカフェごはん

高根エリアにある、engawa cafeという眺めがよいカフェでラーメンを食べました。おいしかったです。庭先にヤギがいました。

engawacafeのヤギ

北杜市の日帰り温泉

各地域に日帰り温泉があります。市民以外は820円、市民410円という料金体系の場所が多いです。

立ち寄った場所で選んで、むかわの湯、パノラマの湯、クララの湯に行きました。もっとたくさんあります。

温泉生活にもあこがれます。ただ、出不精で運転が下手な自分が、車に乗ってお風呂に行く気になるのかが問題です。温泉の隣近所に住みたいです。

清里駅前の衰退

清里は、標高が高すぎて住むには寒いらしいのですが、ご存知の通り、自然がすばらしい高原リゾートです。

子供の頃の印象では、かわいいお店がいっぱいあって、にぎわっていた場所です。うわさの廃墟とまではいかないけれど、平日はやっているお店もほとんどなく、シャッター街になっていました。

清里駅前の牛

駅売店の「峠の釜めし」の看板が目立ってましたが、釜飯は売り切れでした。峠の釜飯といえば、子供の頃に、軽井沢に行く途中の駅で、電車が停車中にホームに買いに行った、思い出深いものです。器が陶器でできていて、その器が欲しくて買うようなものでした。

峠の釜めし食品サンプル

普段は思い出さないけれど、自分の心の奥に、そういう子供の頃の記憶、印象が残っているのだなと思いました。