移住したいと感じたのは、単に働きたくないだけかも

移住のイメージ

移住したい、移住したい、とここ1年ぐらい思っています。まだ少し思っています。

暇があると、空き家バンクや家いちばのサイトを検索して、田舎の一軒家に住んだらどんな生活になるのか考えてみたり、移住者のブログを読んでいます。

雪が降る地域か、温泉があるか、湧き水があるか、自治体の財政状況はどうか、ネット検索したりしています。移住しやすそうな、静岡の三島に日帰りで行ったりもしました。

あこがれのイメージとしては、隣の家が離れていて、窓からは緑が見える、森の中。縁側からお茶を飲みながら山並みが眺められる。畑で野菜を育てて自給自足。天然酵母でパンを焼いたり、味噌やしょうゆを手作りしたり、草木染めや手仕事系のワークショップで人とつながる。でもどちらかというと、山奥で引きこもりたい。つぼ焼いもを庭で焼いて、売りたいけれど、人気がないので売れないかもしれない。樹木、植物が身近に多い環境。新鮮な魚が手に入るとなおよいが、海よりは山がいい。近くに温泉があるとなおよい。

そんなイメージです。移住をとりあげたテレビ番組に影響されていますね。あと、益田ミリさんの「週末、森で」という森に移り住んだ女の人が主人公の漫画の影響もあります。ひょうひょうと自然を楽しんでいる感じが素敵なんです。

私は千葉で生まれ育ったので、田舎に住んだことがありません。東京の郊外である千葉で生まれ育って、学生時代に千葉から東京へ、電車通学が嫌になって引っ越しました。だから田舎に住んだことはなくて、実際どう生活できるのかイメージできていない感じがします。

私は都内のマンションに住んでいて、ローンを返済中です。最近、はじめての大規模修繕工事があったので、それをきっかけにマンションの財政について考えはじめ、私と夫の年金額を考えると、老後に管理費や修繕積立金を払い続けられるのか、疑問になってきました。修繕を検討する役員だった方が、説明会で「次の大規模修繕では資金が足りないかも」と発言したことがきっかけです。

東京に直下型地震が来たら、今住んでいるマンションも壊れてしまう。東京オリンピックが終わる前に、マンションの価格が下がる前に売るべきでは。

だから今なんじゃないか?

そんな気持ちです。

あと、移住したい気持ちになった理由としては、次のようなこともあります。

ここ数年、通勤に使っていた地下鉄のラッシュ混雑がひどくなってきて、これ以上、満員電車に乗って通勤したくないこと。

草木染めをはじめたので、草花、樹木に興味を持ち始めたこと。

今40代ですが、年とともに週末に繁華街に出かけることに興味が全くなくなったこと。人ごみが苦手になったこと。

事務職を辞めて焼いも屋になれないか、と思い描いたときに、近所迷惑にならずに火を起こせる場所が都会には無いな、と思ったこと。

人付き合いが苦手で友達は少なく、めったに会わないので、移住したら友達と離れて困る、ということがないこと。

そんなことから、移住、移住、と気持ち的に盛り上がっていたわけですが、はたと気がつきました。働きたくないだけじゃないの?ということに。

私は働きたくないんだと思います。移住したいんじゃなくて、働きたくない。働きたくないというか、今のようにフルタイム派遣社員の会社勤めで、つまらないなと思いながら一日一日を送りたくない気持ち。

移住したとして、そこで何をして生活をしていくのか?が重要です。どんなに野菜がとれたとしても、現金収入は必要だし、家賃も払わなくてはならないんです。

朝ドラ「あまちゃん」でお母さん役の小泉今日子も「場所じゃない、人なのよ」と言っていたことを思い出しました。

今の仕事が嫌だったら、どの場所に移住するか検討するより、どう生きていくのか(収入を得ていくのか)を考えなくちゃいけないんです。

でも、それを考えるのは難しいから、逃げていて、わかりやすい場所選びにすり替えていたんだな、と思うんです。

ネットでひたすら何かを検索している時、それは別の何かからの逃避の場合が多いです。

そこまで考えた後、清泉亮さんの「誰も教えてくれない田舎暮らしの教科書」を読み終えました。

田舎暮らしの人間関係がどんなに大変なのか、お金がかかるのかが書かれていました。

田舎は都会以上にお金がかかる、とも書かれています。これは移住したい気持ちをゆるがす大問題です。

寒い地方で光熱費がかかったり、場所によって水道代が高いことは知っていたけれど、税金や健康保険料が高いことは知りませんでした。

空き家バンクの、安い値段の古民家にひかれていたけれど、リスクが高いこともわかりました。

確かに、人間関係については、思い当たることが2つあります。

友達が最近、東京から九州の実家にUターンすることになりました。親が高齢になったためです。その送別会で、彼女になにげなく「東京で一番の思い出は何?」と聞いたのですが、その答えが「監視されない自由」でした。田舎では、近所の人から監視されていて自由ではない、というのです。

その時、監視されるって何??と実感がわかなかったのですが、この本を読んで、意味がわかりました。めんどくさいムラ社会の、日本の田舎の人間関係が、イメージできるようになりました。

自然の豊かさよりも、心の自由のほうが大切です。Uターンじゃない移住者なら蚊帳の外でいられるのかと思っていたけれど、本を読む限りでは無理かもしれません。

あと、移住イベントで出会った人に、「町内会に入っていなかったので、ゴミが捨てられなかった」と言われたことも思い出しました。

ゴミが捨てられない、なんてことが日本にあるなんて。

日本の常識が海外の常識ではないように、都会の当たり前が田舎の当たり前ではない。普段、普通と思っていることが普通じゃないなんて、気がつきにくい点だと思います。

あと、本には、都会の家を手放すな、とも書かれています。

マンションを売らずに賃貸に出すという選択肢もありますが、そうなると、移住したいという気持ちのきっかけの1つである、地震リスクが回避できません。地震がきたら、マンションが無くなってローンが残るというリスクです。

本では別荘地をおすすめしていましたが、そうなってくると、今度は管理費リスクが回避できません。

なんだか、貧乏人にとっての田舎移住は、夢のまた夢のような気がしてきました。

毎日のように移住関連の番組を放送しているテレビに洗脳されていたことに気がつかされた一冊でした。

でも、移住してみたいという気持ちが消えたのかというと、まだ消えてはいません。ロト7を買い続ける気持ちと同じで、あわよくば、という気持ちで生きています。