ガーゼ綿生地をコチニール染め
前回の染色で余ったコチニール染液(サボテンに付く貝殻虫・乾燥染料から抽出)を使って、自宅のキッチン初の草木染めをしました。日暮里繊維街で購入したガーゼのコットン生地(ハギレ売り)をみょうばん媒染にして染めました。洋服になる予定です。道具は家にもともとあったプラスチック容器や片手鍋で代用しました。先日行った麻染めと同じように、鮮やかすぎるピンク色になってしまったので、再度染めなおす予定です。
染めた日:2017年10月28日
目次
コチニール染めの材料
- ガーゼっぽい綿生地151g W幅(150cm)×1m・日暮里繊維街で購入
- コチニール染液(麻生地染めで余ったもの)200mL
- みょうばん1袋(スーパーで購入した食品用)60g
- ディスポン(木綿・麻を濃く染める濃染剤。成分:特殊カチオン性高分子)
コチニール染めの手順
- 事前の準備:買った生地を洗濯機で洗って乾燥(染め用の精錬された生地ではないため)
- ディスポン処理:水6L、ディスポン20cc、温度90℃、時間30分 ※綿・麻はカチオン化が必要
- しっかり水洗い
- 薄めたコチニール染液に漬ける(水6Lに対して原液60mL位、15分、80℃)
- 後媒染:みょうばんを溶かして媒染(水6L、みょうばん1袋分60g、布重量比10%、60℃、15分)
※温度を間違えた。正しくは常温。 - 水洗い
- 再度、コチニール染液に漬ける(原液を120mL追加、53℃、15分)
- 水洗い
- 脱水して乾燥
コチニール染めの写真と説明
精錬されていない通常の生地のため、事前に洗濯機で普通の洗濯物と同じように洗濯して乾燥しました。洗剤はトップクリアリキッドを使用。
まず、木綿・麻を濃く染める濃染剤、ディスポン処理をします。
ステンレス鍋で数回に分けて水を沸騰させます。→草木染めにはステンレス鍋を使う
ポリプロピレン容器(洗濯物かご用)に6Lの熱湯を入れ、ディスポン20ccを入れてかき混ぜます。静かに布を入れて、水面から出ないようにハシで動かしながら30分。ゴム手袋をして手で動かすには熱すぎます。
30分経過したら、ディスポンが残らないようにしっかり水洗いします。台所シンクの排水溝を小皿でふさぎ、水をためて洗いました。
次は染液。コチニールの原液をどれだけいれるか計算してみました。
- 原液は、乾燥コチニール30g/水2Lで作成。
- SEIWAの乾燥染料の説明では、必要なコチニールの分量は布重量比10%。
- コットン生地は151gなので乾燥染料15gが必要。
- 原液に換算すると1L・・・どう考えても多いので、その5分の1の200mLぐらい?
ということで、水6Lに200mL入れようと思っていたのですが、それでも濃そうだったので、ワンカップの3分の1=60mLぐらい入れました。下の写真は、ワンカップに残った原液。
染色1回目。水6Lに原液60mL。きれいな薄むらさき色です。
水洗いも、台所のシンクで行いました。薄い色がついていて、ここまではいい感じに進んでいました。
次に媒染の準備です。今回は、ナスの漬物にも使われる、食品用の「みょうばん」を使いました。アルミ媒染になります。
1袋60g入りだったので、全部使うことにしました。(水6L:みょうばん60g、布重量比40%)多いかもしれません。
ポリプロピレン容器に6Lのお湯を入れ、みょうばんを溶かしました。溶液の温度は59度。そこに布を入れると、なぜか色がどばっと抜けて、布がみるみるうちに白くなってしまいました。本来は、少量の熱湯でみょうばんを溶かして、常温の媒染液にするところを、媒染液自体を高温のお湯にしてしまったせいかもしれません。
15分媒染した後、残った液はピンク色です。もったいない感じです。
色が抜けたことにあせって、先ほどの染液バケツに、ワンカップに残っていた原液120mLを追加して、再度布を浸しました。
媒染とは逆に、布がどんどん色をすって、溶液は透明になっていきます。15分浸しました。お湯の温度は53℃。アルミ媒染を経た色は、鮮やかすぎるピンク色になってしまいました。
台所のシンクで水洗いします。
よく水洗いして水を絞り、干します。
草木染めの基本は日陰げ干しなのですが、色が鮮やかすぎたので退色することを期待して、麻布染めと同様、ベランダに干しました。干す時は、金属に触れないように、物干し竿もきれいに拭いて干します。洗濯ばさみでとめるのもよくないですが、服を作る場合は布端は使わないので許容範囲としました。
染まった布は、こんな感じの、鮮やかなピンクです。ガーゼっぽい生地なので、織り目がゆるい布です。
コチニール染めで思ったこと
- またしても、あまり好みではない鮮やかなピンク色になってしまった
- 同じ媒染の場合、濃度を変えても彩度は同じだった。別の媒染で染め直しをしたい
- 布の重さ150gなら、扱いやすく、自宅でも染められる(がぜんやる気になる)
- 媒染で色が溶液に流れでてしまったのは、お湯の温度が高すぎたためか?
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