カラスノエンドウ染め(雑草で草木染め)

空き地のカラスノエンドウ

4月に空き地に行くと、雑草がいっぱいです。特にカラスノエンドウがたくさん生えていました。

以前ドクダミ染めをした時に、同じ成分がカラスノエンドウにも含まれていることを知ったのですが、同じように重曹を少し入れて染めるとぱっと鮮やかな黄色に染まりました。

※染めた日:2022年4月10日、11日

カラスノエンドウ染めで染まった色

少し薄汚れていた感じの着物の裏地のシルク2枚。1枚が20g程度。

鮮やかな黄色(アルミ媒染)と、くすんだカーキ色(鉄媒染)になり、薄汚れた感じは上塗りされました。

テストで染めたハギレ。重曹を煮る時ではなく、煮た後に入れたほうが黄色が強めでした。木綿さらしは、濃染しないとほとんど染まらない。

カラスノエンドウ染めテスト

カラスノエンドウ染めの材料

  • シルクはぎれ1枚 20g
  • カラスノエンドウの葉っぱ 200g ※スーパーのビニール袋1個分くらい
  • 焼みょうばん 6g ・・・大さじ2強
  • 重曹 小さじ1弱

※葉っぱに対する布の量は少なめ。同じ染液で、もっと多い布が染まると思います。

※鉄媒染をする時は、みょうばんの代わりに、木酢酸鉄を少々。

※木綿や麻を染める時は、濃染が必要。濃染処理はこちら参照→ 草木染めを濃く染める方法 

カラスノエンドウ染めの手順

  1. 事前の準備:道端、川沿いなどでカラスノエンドウを摘む。地上部。
  2. 事前の準備:布を少量の中性洗剤(台所洗剤、モノゲンなど)を入れたお湯で洗う
  3. 事前の準備:布をぬるま湯につけておく
  4. 草を軽く洗う
  5. ステンレス鍋に草200gと水3Lを入れて沸騰後20分煮る(※重曹テスト1)
  6. 草をこして、バケツに染液を入れる(※重曹テスト2)
  7. 布を入れて20分つける。布は動かす。
  8. 水洗い
  9. 焼みょうばん6gを少量の熱湯で溶かし、水3Lで薄める
  10. 布をみょうばん液に20分つける。布は動かす。
  11. 水洗い
  12. 再度染め液に漬けて20分。布は動かす。
  13. しっかり水洗い
  14. 脱水して日陰に干す

※重曹テスト:テスト1は草を煮る時に重曹小さじ1弱を入れました。テスト2は煮終わった後、染液に重曹(小さじ1弱)を入れました。煮終わった後に入れたほうが、より鮮やかな黄色だと感じました。入れる量を増やしたらまた違う結果かもしれません。

※草木染めの基本手順や注意点はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹

カラスノエンドウ染めの写真と説明

※重曹添加テストとして、煮る時入れるテスト1と、煮た後に入れるテスト2をしました。

雑草を探して採取

カラスノエンドウは、豆がついた、ツルっぽい雑草。

カラスノエンドウ

似たもので、もっと小さくて花が白っぽいのはスズメノエンドウ。

似たもので、紫の花がたくさんついて美しい、ナヨクサフジ。たぶん似た感じかな?と思いました。

ナヨクサフジ

その他にも4月は他の野草が生えてました。ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、スギナ、スイバ、ナズナ、ヨモギなど。

春の雑草

たいがい、黄色~黄緑色に染まるのかと予想。今回使ったのは、ほぼカラスノエンドウですが、少し他の草も入っています。スイバだけ赤みがでそうだったので取り除きました。

草を煮る

草を軽く水洗いします。小さい虫が付いています。

ステンレス鍋に草200gと水3Lを入れて、フタをして着火。沸騰後、ふきこぼれない程度の強火で20分煮ます。※テスト1では重曹を小さじ1弱入れました。

鍋で煮る

ひたひたの水量で葉っぱが浮きやすいので、時々ハシで沈めました。やけど注意。

沸騰20分後、草をザルやこし布でこして染液をバケツにとります。野菜を煮た時の、おいしい匂いがします。

こす

黄緑色の液が取れました。

重曹を入れて煮た時に煮残った葉っぱ。より緑が鮮やかな感じがします。

残った葉っぱ

※重曹テスト2では、こした染液に、重曹小さじ1弱を染液に入れて混ぜました。

重曹

布を染液に漬ける

洗ってお湯につけておいた布を入れて染めます。動かしながら染めます。終わったら水洗い。

みょうばんアルミ媒染

媒染には、焼きみょうばんを使います。

COOPの焼きみょうばん

焼みょうばん6g(大さじ2強)を少量の熱湯(今回は500ml)に溶かします。白かった液が透明になったら、バケツに常温の水2.5Lとその液を入れて、合計3Lの媒染液にします。

※みょうばん媒染液の作り方はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方

水洗いして絞った布を広げて、作った媒染液に入れます。染液と同様、動かしながら媒染します。20分。終わったら水洗い。

再び染液につける

水洗いした布を再び染液につけます。うまくいっていると、ここで染液が黄色っぽい感じがします。

動かしながら20分くらい。染まりが足りないと思ったらそのまま時間を置きます。

※下の写真はワークショップ時の残液。重曹を煮た後に入れたもので、液が黄色っぽい感じです。

残液

※ワークショップ時の液色はこちら参照→ 2022年4月17日(日)野草染めワークショップ開催報告(岡山) 

カラスノエンドウ染めで思ったこと

  • ドクダミ染めに似た感じ。赤みが出にくいので、より鮮やかな黄色にしやすい。
  • 重曹をちょっと入れるだけで染まる色が変わる。理由を知りたい。
  • 季節によっての違いも、いつか知りたい。
  • 漂白された白い木綿よりも、シルクや麻、生成の木綿が色が入りやすい感じ。

※ドクダミ染めの話はこちら→ どくだみ染めテスト

※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。