コトコト煮出すアボカド染め

アボカド煮染め

アボカドの種と皮をコトコト数時間煮込んで一晩寝かしてから染める方法。インスタグラムで見かけた方法を参考にしてチャレンジしました。

結果、サラシがくすんだ薄ピンクに染まりました。思うような濃いピンクではなかったので、もう少しやり方を検討したいです。

濃く煮出すとオレンジ赤茶色になりやすいのが悩みでしたが、ミョウバン媒染での発色がオレンジなのは自然の摂理。媒染無しで染めればいい、というのが目からウロコ、新たな発見でした。検証はしていませんが、濃く染めれば色落ちも少ないらしいです。

染めた日:2020年9月

コトコト煮込むアボカド染め

コトコト煮込む材料

  • アボカド2個分の種と皮(テストした量:種73g、皮45g)
  • 濃染していない木綿生地(木綿のサラシ1枚1m程度を使用)
  • 酸化マグネシウム(便秘薬)500mg錠を1個

※媒染はしません
※参考にした方法では酸化マグネシウムは未使用でしたが、うまく色が出せなかったので使用しました

コトコト煮込む手順

アボカド2個分の種と皮をブラシを使ってよく洗い、細かくカット

鍋に水と酸化マグネシウムと種と皮を入れて、数時間、弱火でコトコト煮出す。消火後、そのまま一晩放置。

翌日、種と皮をこして、鍋に染液と布を入れて加熱。沸騰直前で数時間煮染め。消火後、そのまま一晩放置。

翌日、よく水洗い

水の違いアレンジ

参考にした染め方は、アメリカ在住の方の方法でした。

水の硬度が0に近いと赤みが出ないと聞いたことがあります。

水道水だけで煮出すと赤みが弱かったので、水の違いかも?と考えて、酸化マグネシウム(お腹にやさしい便秘薬)を入れて硬水っぽくアレンジしました。(この仮説が正しいかはわかりません)

東京の水道水は軟水ですが、全くカルシウムやマグネシウムが含まれていないわけではなく、だいたい硬度60くらいで、少しだけアルカリ性に偏っています。

普段は別の方法でアボカド染めをしています。シャカシャカ空気を含めることで赤みを出していて、それは東京の水道水で赤みが出ます。でも、時間だけで赤みを出そうと思うと、うまくいかない時があります。

※普段の方法はこれに近いやり方です→ 簡単アボカド食べ染めレシピ

何かしら水を変える必要があるのかなと思って、便秘薬を使いました。本当は豆腐用のニガリを使ってテストしてみたかったのですが、スーパーに見あたらず。家に便秘薬が残っていたので代わりに使いました。

重曹(ベーキングパウダー)はまだ試してませんが、重曹を入れて煮込む方法もよく見かけるので、便秘薬じゃなくて重曹を使ってもいいのかもしれません。アボカド染めをする時、重曹を入れると青みのピンクになりやすく、かわいいです。でも、染まりにくくなる感じもします。

コトコト煮込みテスト

種と皮の準備

種と皮は、冷凍保管していました。ワークショップで使う用として、先日、神保町のアボカフェ・avocafe(アボカド料理の専門店)でもらってきたものです。ありがとうございます。

皮が黒くなった、完熟したアボカドを使います。

種は冷凍のままだと硬かったので、常温の水に30分ほど入れておきました。

アボカドの種を水につける

皮は、中身の緑色の実が残らないように、古い歯ブラシでこすり洗いしました。結構、洗う水が濁りました。

ブラシで皮をこする

アボカド2個分の皮と種をカット。

染液作り

ステンレス鍋に水3リットルと酸化マグネシウム、カットした皮と種を入れて、フタをして着火。沸騰したら、コトコト弱火に切り替えて3時間煮込みました。水量は適当ですが、Tシャツをひたひたで染めていた方を参考にしたので、3リットル位かなと思って。

沸騰したところ。酸化マグネシウムを入れる場合、泡立ちます。

アボカド染め染液作り沸騰時

沸騰後、火を弱めて、フタをしたままコトコト弱火で数時間(3時間)煮ました。

沸騰直後の染液の色に、既に赤みが出ていました。

3時間コトコト煮た後。液が赤色、ルビー色になっていました。

そのまま鍋にフタをして、一晩、中に種と皮を入れたまま放置しました。

染色

液をこします。24時間後の染液の色は、ワイン色でした。

アボカド染液の色24時間後

残った種と皮もワイン色、紫色っぽくなっていました。

濾したアボカドの種と皮

軽くすすいだ鍋に染液を戻して、木綿の布を投入。加熱する前から少し色がつきました。

沸騰直前で数時間煮出す、ということだったので、2時間ほど煮染めしました。煮ていると布が水面に浮きやすいので、時々ハシで水中に入れるようにしました。

煮染め

2時間煮染め後。ちょっと小豆色っぽい色です。

2時間煮染め後の晒し布

水中に入るように布をしずめて、そのまま一晩放置しました。

翌朝、染液から出しました。よく水洗いしてからベランダに干しました。

翌朝の晒し布

できあがり。乾くと思ったよりも淡い色になりました。黄色っぽさはなく、くすんだいい色のピンクになりました。薄いですが、サラシは結構染まりにくいので、濃染無しでここまで染まれば、結構染まった方かなとは思います。

アボカド染めの晒し

加熱し続けることで液の赤みが減って茶味が増したので、煮染めせずに、加熱だけして消火、放冷すればもう少し赤みが入ったのかと思います。また、結構染液ができた1日目の段階で赤みが出ていたので、そのまま染めてもよかったのかもしれません。

水道水でのテスト

便秘薬を入れずに水道水だけで3時間煮た場合は、黄土色でした。赤みを出す前の液色としては悪くないと思う色ですが、赤みが出るかが問題です。

アボカド染液の色1日目

違いとしては、水以外にも、皮をブラシでこすらなかった点がありますが、ブラシだけでここまでは変わらないと思うので、酸化マグネシウムを入れたかどうかの違いかと思います。

鍋にフタをして、一晩、中に種と皮を入れたまま放置して、24時間後の染液の色。若干赤みが出た気もしますが、茶味が出ているような気もします。

煮染め中に染液は茶色っぽくなり、最終的な残液も茶色でした。

アボカド染めの色あい

上段:酸化マグネシウムを添加 下段:水道水のみ
左から:シルク、濃染剤した木綿サラシ、濃染無しの木綿サラシ

シルクや濃染した木綿は、濃い茶色に染まりました。濃染しない木綿がピンクで、水道水だけだと肌色。濃染しないと、時間をかけた割には薄い色でした。

コトコト煮出すアボカド染めで思うこと

赤みを出すタイプの染物は、タイミングと、あんばいが難しいです。諸条件によって結構変わってきます。時間ではなくて、液色の変化を見て染める必要がある感じです。

酸化マグネシウムや重曹など何かを添加する場合、染液の色が濃くなることは確かです。でも、その色がそのまま布につくわけではなく、染まる色が出ているタイミングで布を入れる必要があるように思います。

アボカドの皮を使うと、時間が経つと小豆色に染まりやすいと感じていて、種だけで染めたくなります。でも、皮は素敵なピンク色を秘めていると聞いたので、いつの日か、素敵なピンク色を引き出せる条件を明らかにしたいです。

アボカド染めが茶色くなったり、赤みが出なかったことはありますか?不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。