藍の生葉染め(ソーダ灰とハイドロ)
薬品を使わずに木綿を染めた際は、薄くてすぐ退色したので、今回は薬品を使って化学建てにチャレンジ。
2020年今年初、藍の生葉染めをしました。ベランダの藍は、育ちが悪くて枯れかけ。5センチ程度の小さな葉ばかりでしたが、収穫して木綿のTシャツを染めました。
アルミ媒染で草木染めをした生地だったので、くすんだ水色に染まりました。ついでに染めた刺し子糸はパステルな水色。
使わないよりもずっとしっかりした水色が染まったものの、薬品が苦手なので、生葉染めの良さは味わえず。
やっぱり藍の生葉染めはシルクを染めるべき、と実感しました。
染めた日:2020年6月27日
目次
薬品を使うかどうか
薬品を使わない場合、木綿はほとんど染まりません。前回は初めてだったので全く薬品は使わず、薄く染めて、短期間だけ楽しみました。詳細はこちら→ 藍染。ニット生地を生葉染め
濃染剤を使った時は緑色に染まりました。その詳細はこちら→ 藍の生葉染め残液で緑色
豆乳下地は試してないのでわかりません。
今回、自分で薬品を使ってみて、還元剤のハイドロ(ハイドロサルファイト)が好きじゃない、ということがわかりました。独特のにおいがして、台所で使いたくない感じです。薬品を使うなら、生葉ではなくて、インド藍などインディゴ色素の含有量が多い原料を使って、普通に化学建ての藍染をした方がいいと思いました。
だから、どの本にも生葉染めは「シルクを染める」と書いてあるのだなあ、と改めて思いました。
その後、葉っぱの量をたくさん使って、とろみが出るまでもめば、薬品なしでも染まるという話と、もしかしたら、豆乳や豆汁でタンパク下地がよさそうという情報をいただきました。次に生葉染めをする時はやってみたいです。
生葉染め(ソーダ灰+ハイドロ)の材料
- 木綿のTシャツ (以前、草木染めしたもの) 165g
- 藍の生葉 97g
- ソーダ灰 大さじ2(15gを目指したが、適当)
- ハイドロ 大さじ3(15gを目指したが、適当)
- お酢 大さじ3(洗うのに使用)
藍の葉
ベランダで、大小11個の植木鉢で藍を育てています。6月の育ちは悪く、小さめのプランターでは枯れかけ、弱っていました。
野菜用の深いプランターは比較的まし。でも、元気はない感じです。
大きい葉でも5センチ程度でしたが、切り戻しもかねて収穫。8リットルバケツ1個強。葉っぱだけにすると97gでした。Tシャツを染めるには、少なすぎるかと思います。
※藍の栽培記録はこちら→ 藍の種と栽培(生葉染め染料用)
ソーダ灰
ソーダ灰(炭酸ナトリウムNa2CO3)はアルカリ性にするためのもの。天然の灰汁を使う人は、かまどの灰や草木灰などを使ってアルカリにすると思いますが、その薬品版みたいなもの。染料店に売っています。
アルカリなので、肌に触れたり目に入らないように注意。重曹は加熱しないとアルカリが弱いので、重曹では代用できないです。
ハイドロ
ハイドロサルファイト。還元剤です。本建ての藍染では微生物の発酵で還元するところを、薬品で還元させるための薬品。薬品らしい、変な臭いがします。苦手です。
染めた生地
元々は、去年の生葉染めしたニット生地から作ったTシャツです。
数回着て洗濯したら退色して白っぽくなったので、巨峰染め(アルミ媒染)で重ね染めしようとして失敗。アルカリで洗ったり、クエン酸で洗ったりして、薄いピンク色になっていました。
生葉染め(ソーダ灰+ハイドロ)の手順
- Tシャツをお湯(40℃くらい)につけて濡らしておく
- 藍を茎から取って、葉だけにする
- 葉と水を入れてミキサーにかける
- 葉をこし布でこして液をバケツで受ける
- 葉をこし布に包んで、さらに液の中でもむ(ここまでは手早く)
- ソーダ灰をお湯で溶かしてから追加、まぜる
- ハイドロをお湯で溶かしてから追加、まぜる
- Tシャツを入れて30分浸す、動かす
- 水けを切って、ベランダに30分干す
- 再度、藍液に浸すのと、干すのを1回繰り返す
- バシャバシャ水洗い3回
- 酢水につける
- 水洗いして、洗濯機で脱水、ベランダに干す
生葉染め(ソーダ灰+ハイドロ)の疑問点
いつくか本を見ながらやってみたものの、細かい点がよくわかりませんでした。
- 生葉染めの原理と藍染(建染め)の原理は違うので、混在させるとどうなるのかがよくわからない
- 藍染の化学建ては、液の色や状態を見て判断する(青より緑がいい)のだけれど、生葉を使った場合はどう判断するのかよくわからない
- ハイドロを入れた後、時間を置かずに染めたけれど、30分~1時間くらい置いたほうがいいのか?
- 常温の水を使ったけれど、お湯を使ったほうがいいのか?
- ソーダ灰やハイドロの量の決め方がわからない(2023年6月追記:ハイドロの使用量が多いかも?ソーダ灰もpHをみて入れるべき?と思っているところです)
生葉染め(ソーダ灰+ハイドロ)の詳細
ミキサーに水と葉っぱを入れて細かくしました。ミキサーで使った水は2リットルでしたが、後から追加して、使った水量は合計5リットルくらい。
こし布でこして、バケツでうけているところ。
不織布がなかったので、集めた葉っぱをこし布でまとめて、液の中でもみました。袋状ではないので、こし布から葉っぱが出てきてしまいました。
再度、液をこし布でこしてから使いました。
ソーダ灰をお湯で溶かしてバケツの液に追加。
液は緑っぽいくすんだ紺色になりました。
さらにハイドロをお湯に溶かして追加。
特に時間を置かずに、Tシャツを入れて染め始めました。(反応させるのに時間を置いたほうがいいのかも?)液は緑っぽい紺色だけれど、布は黄緑色に染まる感じ。この液の状態がいい状態なのか、判断がつきません。
30分くらい入れてから、出してすぐ。黄緑色。
だんだん青に変わるのが色むらのように見えるので、色むらじゃないかと慌てます。
縫い代が重なった部分は、酸化の進みが遅くて黄色っぽかったですが、干しているうちに同じ色になりました。
ベランダに干して、空気にパタパタすると、だんだん青みが出てきました。重ね染めだからか、くすんだ色でした。
もう一度染液に30分くらい浸して、外に干しました。最後によく水洗いすると緑っぽさが抜けました。酢水でも洗いました。
脱水して、ベランダに干してできあがり。乾くと色が薄くなりましたが、落ち着いた感じはそのまま。もう少しクリアな色の方が自分好みです。染めたての服を着たら、イグサみたいな緑の匂いがしました。
ついでに染めたもの
刺し子糸
重ね染めではない場合の色を確認したかったので、ついでに刺し子糸32gも染めてみました。
絞って空気にさらすと、パステルっぽい水色でした。なので、Tシャツがくすんだ色だったのは重ね染めの影響かと思います。
シルクのはぎれ
翌日、こして残った葉の再利用にチャレンジ。シルクのハギレ37gを染めてみました。薄いターコイズブルーに染まりました。前に習った方法を応用したつもりですが、薄かったので上手くいっているのかわからず。
生葉染め(ソーダ灰+ハイドロ)で思ったこと
- やっぱり生葉染めには薬品を使いたくない
- でもそうすると木綿が染まりにくいので、つまらない
- 藍染ってむずかしい
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。