手作りでコート(中綿コート)を作った話
2月3月の一番寒い時期用、冬用のコートが欲しくて手作りした時の話を書きます。ハンドメイドのウールコート作りに何年か試行錯誤しています。
目次
初めて自分で作った冬コートは寒かった
だいぶ前に初めて自作したウールコートは、生地が薄くて、風が通り抜けるので寒く、晩秋から初冬くらいまでしか着れませんでした。
表地は、よく見かける中厚のウール生地。それに普通のキュプラ裏地を付けただけでは、温かいコートを作るには厚さが足りないと感じました。
軽くて着やすいのですが、いかんせん寒いです。風を通しにくいコットン生地でできた春コートのほうが、風が通らない分、暖かいくらいです。
でも、手芸店のウール生地売り場を見ると、そういう生地ばかり売っています。Pコートやダッフルコートを作るような、厚手のメルトン生地はどこに売っているのか?よくわかりませんでした。
洋裁初心者向けの縫いやすい生地って、生地の厚み、裏地の厚みが足りないものが多い気がします。これが、手作り服が普通に着れない原因になっていると思います。
それとも薄手でも寒くない生地もあるのでしょうか?謎です。
ちなみにこのコートは、衿の形が気に入らなくて後から何度か直しました。まだ気に入らないですが、もう生地がありません。当初短めの袖口だったのも、後からカフスを足しました。テロっとして手作り感があるのは、今思うと前や裾の接着芯不足です。
寒さを防ぎたい、生地のストックを使いたい
どうしたら防寒になるコート、自転車に乗っても寒くないコートを手作りできるのか?
自分なりに考えて、風を通さない生地を中に挟むことと、生地を重ねて厚みを増せばいいことを思いつきました。
表地+風を通さない生地+厚みを増す中綿的な生地+裏地、という4層構造にすれば、保温性が高まると思ったんです。
そして、できたら新しい生地を買うのではなく、家にある生地を有効活用したいと思っていました。生地だけ買って服になってないストック生地が溜まっていました。
スキーウェアの生地の活用
スキーに何年も行ってなくて、断捨離すべく捨てようと思っていたスキーウェアが家にありました。スキー自体あまり行かなかったので、着用回数はかなり低いです。灰色と黒で地味な雰囲気で、使い回ししやすい色です。
その生地だったら、風を通さないと思いました。ウインドブレーカーみたいな布ですが、薄くてしっとりしていて、着心地は損ねない感じの化学繊維。
スキーウェアを切ってみると、中に薄いワタも入っていました。スキーウエアをほどいて、ショートコートにあわせて切り貼りして、風を防御する策にすることにしました。
縮んだ古着ウールシャツ
スキーウェアだけだと、中綿が足りませんでした。
そこで、洗って縮んで着なくなっていた、チェック柄のウールシャツが目に入りました。まずまずの厚み。昔の物、ウールマークも付いていて質はよさそう。
保温性を高めるべく、ウールシャツも切り貼り。足りない部分を補足しました。
木綿の裏地
つい買ってしまった、日暮里繊維街のトマトの1メートル100円の中厚地のコットン生地。
花柄がプリントミスのため安売りしていました。その裏側が好みの青色だったので、裏を使って「いつか」バッグを作ろうと思っていた生地です。この「いつか」は危険です。
裏表を逆に、青い無地を表面にして、裏地にすることにしました。下の写真の赤枠部分。
それだけでは生地が足りなかったので、袖の裏地だけ、他のコットンのハギレ生地を使っています。
通常、服の裏地は、着脱しやすさを考えて、薄くてツルツルしたキュプラなどにします。でも、そんなことより「風をいかに通さないか」が重要だし、デッドストックを活用したかったので、裏は木綿にすることにしました。
時々春コートで、裏がかわいい柄のコットンプリントのものを見かけて、裏地を木綿生地にするのもあり、と思っていたんです。
つい買ってしまった薄いウールのハギレ
地味な紺色、生地の雰囲気が好きで、つい日暮里繊維街で買ってしまったウールハギレ着分500円。ウールにしては薄いぐらいの厚さ。トップスにしようと思って買ったものでした。
普通に考えるとコートの表地にするような厚みではありません。表地で重要なのは、自分が好きな色柄で、着やすい色であることなので、これを表地にすることにしました。
縫うのは大変
表地、風よけの生地、中綿の3枚を「表」として重ねて縫いました。ツギハギだったので、どこを使えるか?考えるのが大変。3枚重ねて縫うのも大変でした。
2回目に作った冬コート
そういう訳で、2回目に作ったのはこのショートコートです。
ミセスのスタイルブックを見て作ったもの。襟の雰囲気がいいと思って作り始めたら、パターンがやけに複雑で、難航。
でも、意地で作り上げました。
型紙は文化式原型から平面で作りました。試着補正もしていないので、着にくいです。パターンの特徴は、ケープ型の切り替え。これは着にくく、腕を上にあげにくいです。あと、ポケットの位置も高すぎて手が入れにくいです。
でも、とても暖かい。2月の自転車も怖くありません。手作りバレ感はありますが、ちらっと見える青い裏地と、変わったスナップボタンが特徴です。
失敗といえば失敗だけど、「暖かいコート作り」と「生地の活用、リメイク」がテーマだったので、その2つが達成できて満足でした。
3回目に作った冬コート
その後、中綿が売っている場所がわかったので、中綿入りコートを作りました。基本暖かいのですが、ゆったりした形にしすぎたので、スソから冷気が入ってきます。そこだけ残念。
立体裁断でパターンを作ったヘチマショールとドロップショルダーで、おじいさんみたいなツイード生地というのが特徴です。このコートを作った話はまた今度書きたいです。
もこっとしてスマートさはないですが、だんだんコートらしくなってきました。
中綿は、日暮里繊維街の長戸商店で見つけました。こういう、ちょっとしたものがどこに売っているのか悩みます。
手作りコートで思うこと
- どこで生地を手に入れるのかがよくわからない。高い生地を使うのは怖い
- リサイクルショップで服を買ってリメイクしてみたい(古くさい形でいい生地の洋服)
- ニットソーイングでもコートを作ってみたい
- コート代わりになるマウンテンパーカーを作りたい
コートを作ってみたら寒かった、という経験ないですか?
不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。