独学での服作りと立体裁断のこと
ここ5年ぐらい、できなかったことの糸口が今日(2018年3月17日)見えてきました。すごくすごくすごくうれしいです。立体裁断というものに出会いました。
目次
作った服が着にくい
服を作り始めたのは、4~5年ぐらい前です。一番初めは、本についてる型紙でコットンの半袖トップスを作りました。なんとなく作れて形になったものの、なんか体にしっくりきませんでした。
直立不動にまっすぐ立っていたらおかしくないし、既製品ともそう違わない感じなのですが、何かがおかしい感じです。着づらい。動きづらいし、ずり上がるし、襟ぐりが開いてしまいます。
でも、初めて服を作ってみて、服の形にはなったので、補正さえできれば「自分が普段着る服を自分で作る」ということができるんじゃないか、と思いました。面白いかも!と。
自分で服を作ろうと思ったきっかけ
私は買い物自体がすごく苦手で、中でも洋服の買い物が嫌いです。店員さんとのやり取りも、試着も、ほしい服を見つけ出すことも苦手です。
初めての服作りの少し前、パーソナルカラー診断と、その結果を元にデパートで服を見て回るセミナーを受けました。自分に似合う色を見つけて、その色の服を見つけるというものです。
少しは洋服を買える人になるかと思って受けたセミナーでしたが、「自分に合うカラーで、自分に合う形で、自分のサイズの服」を見つけ出すことは、私にはできないと感じました。
「この色はサマーの色ですよ」と先生が教えてくれる洋服は、色はよくても形は好みでなかったり、サイズが大きかったり。さらに、化繊ではなく天然繊維の服を選ぼうとすると、一気に幅が狭まります。
それもあって、自分で服を作りたいと思ってました。もし自分で作れたら、生地さえ自分に合う色のものを買えば、あとは自分に合う形やサイズのものを作ればいいだけです。それは買い物よりもずっと簡単にできそうな気がしました。
文化式原型と出会う
簡単にできそうという予想は外れていて、何年も続けているのに、「なんとなく違うけど、着れなくはない」ものしかできていません。
初めて服を作った後、まず、型紙の補正の本を図書館で借りて読みました。「美しい服作りのための型紙の補正」という本です。古い本ですが、文化式旧原型を体型にあわせてどう補正すればよいか書いてあります。
原型というものがあって、それを作れば自分に合う服が作れる、ということをその本ではじめて知りました。おお、それはすごい、と思いました。1つ原型さえ作って補正できれば、それをもとに展開すれば、自分に合う服が作れるという理論です。
本に書いてあるとおりに原型を製図してみました。自分で鏡を見ながら採寸。本をみながらなんとなく補正。自作の補正された原型を作りました。
しかし、それが正しいか自分で作っただけなので判断がつきません。
文化学園の原型を作る講座に行ってみようかと思いながらも、「生徒同士で採寸するのが恥ずかしい」という気持ちと、「結構労力をかけて原型を作ったのに、またイチからその作業をするのか」と思うと踏み切れずにいました。
独学で服作りをはじめる
とりあえず自分で作った原型で、独学で服作りを開始しました。
「ミセスのスタイルブック」という、洋裁の雑誌を見ながら作り始めました。前半にファッション誌のような洋服写真、後半にその服を作る方法、文化の原型からその服を作るための展開方法が載っています。
その雑誌を見て、自分の原型を展開して自分用の型紙を作ります。
しかし、袖の形や衿は、それなりになるものの、襟ぐりがうまくいきません。囲み製図の型紙と同じように、胸元が開いてしまったり、腕を上げると背中の開きがパカッと広がったり。きつくて腕があげにくかったり。やはりそのままでは着れません。
補正が必要なんだと思い、「型紙の補正」を読んで、あてはまりそうなところを修正。ネットを検索して、修正。でも、何かが違うなあという感じです。
服が後ろにひっぱられて、背中側の開きが開いてしまうことが多いです。衿が抜けているという状態です。前天巾と後天巾(えりぐりの開きの幅)を調整してみても、うまくいきません。
2ヶ月ぐらいかけて作った服を1日着てみて、襟ぐりがあいてしまって無理、これ以上どう補正していいかわからない、と断念したりもしました。
そもそも、自分で作った原型が間違っているのかも、とも思いました。
シーチングで作る段階をおろそかに
私はずっと、「シーチングで作って型紙を補正する」という段階をおろそかにしていました。
服を作るのってすごく時間がかかるし、ただでさえ前シーズンに作り始めないとシーズン中に出来上がらないのに、さらにその前にシーチングで作るなんて、時間が足り無すぎる、と思っていたのが原因です。
もう服は買わない、と決めていたのもシーチングをサボった原因の1つ。
買わないと決めて、服を買わなくていい、と思ったら気が楽になりました。でも、買わないと決めたので、着るためには作らないといけないわけです。新しいコートがほしいと思ってコートを作り始め、できあがった頃に季節が終わってしまう。
なので、「まずシーチングで作ってみる」という段階の存在はうすうす気がついていたものの、無視していた訳です。
持っている服を元に型紙を作る
友達に相談したら、「自分の持っている服で、気に入っている服を元に型紙を作ってみれば」とアドバイスをもらいました。
これはなかなかいいアイデアです。
ニット(収縮性のある編地の生地)はロックミシンを持っていないから縫えないので、ニットじゃなくて気に入っている服って限られるのですが、ためしに衿つきのシャツを作ってみたら、いい感じになりました。
でも、気に入った手持ちの服が少なく、そのままコピーはネタ不足です。こんな服がほしい、という服作りはできません。
立体裁断を習い始める
ミシンが壊れて買い換えたのをきっかけに、きちんと習いたい気持ちが高まってきて、2018年2月から洋裁教室で立体裁断を習い始めました。
まだはじめたばかりで何もできてないけれど、体に生地を合わせていく考え方に、目からうろこというか、私がおろそかにしていた、シーチングの試着補正みたいな部分がキモなんだ、と気がつきました。
あたりまえのことなのだけど、長い間、そこがわかっていませんでした。
ずっとうまく補正できてなかったフレンチスリーブの型紙。腕を上げると後ろの襟ぐりがぱかっと開くし、前身ごろが後ろにひっぱられて、前の襟ぐりが詰まる。
いらない生地で作ってみて、足りないところは布を切り貼りして、あーでもない、こーでもない、とこねくり回したら、その2つの難点がなおってきました!すごい!!
この写真は、その試行錯誤をした際の型紙です。(布は捨ててしまいました)切り貼りしたのでセロハンテープだらけです。
まだ完璧ではないけれど、「朝、服を選ぶ時に着心地が悪いからつい敬遠したくなる服」だったものが、「今日これを着ようと思える服」にはなりました。
あと、このシーチングを切り貼りしたりヒダよせたりするという方法、バッグ作りにも使えそうです。紙に書くだけでなく、立体的に試作してみればいいんだ、ということが、私にとって大発見でした。
※洋裁をはじめて一番うれしかったことだったので、2018年3月17日に書いたメモを加筆掲載しました。
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