ブルーベリー染めワークショップ開催報告
ブルーベリー染めの草木染め体験ワークショップを開催しました。その開催報告を書きます。
今回の参加者は、4月5月のワークショップのリピーターが4人、その知り合い1人、わたしの知り合い1人の計6名。糸紡ぎの話で盛り上がって実際にチャルカで糸紡ぎしたり、参加者が入れてくれたハーブティにほっこりしたり、興味の方向性が似ている人が集まって、同好会な雰囲気でした。
場所は、知人の紹介でお借りした昔ながらの民家。板の間廊下にビニールをひいて染物をしたり、そこから小さな中庭が見えたり、おばあちゃん家に来たような、なつかしい、ほっとする感じの場所でした。
染料は、練馬のやまはち農園さんにお願いして、廃棄予定の冷凍ブルーベリーの実をいただいたもの。おかげでブルーベリーの実で紫色を染める、というなかなかできない体験をみんなと共有できました。
染めた色としては、自宅でテストした時とは違ってけっこう紫色になり、興味深かったです。乾いた後、そして時間が経った後は色が変わると思うので、参加した方はぜひ経過報告をお願いします。
※つぎいろ草木染めワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染めワークショップ
染めた日:2019年6月9日
目次
染料のブルーベリーの実
染料は、冷凍ブルーベリーの実です。
紫色を染めるワークショップがやってみたくて、ブルーベリーの剪定枝をゆずってもらえないか、ブルーベリー農園に電話をかけてみました。
練馬区にある、やまはちブルーベリー農園さんにお電話したところ、「剪定は冬なので枝はないけれど、廃棄予定の冷凍した実ならありますよ」ということで、食用にはしないというお約束をした上で、その実いただくことになりました。
クーラーバック片手に成増駅から路線バスに乗り、もらってきました。
無農薬のブルーベリー。夏になったら、ブルーベリー狩りに行きたいです。練馬区は一律料金になっているそうです。立派なハーブ園もあって、いろいろな種類のハーブがありました。マロウが素敵でした。こんなお庭があったら、染め放題だなあと思いました。
ブルーベリーの実をいっぱいもらったので、なんとか自宅の冷凍庫を整理して保管しました。(草木染めをはじめると、冷凍庫が染料でいっぱいになります)
五倍子タンニン下地にチャレンジ
ブルーベリーの色素は、アントシアニン系で退色しやすいと言われています。
自分なりに調べて、タンニン酸の下処理がよさそうな感じでした。自宅でテストして、五倍子タンニン下地が濃く染まったので、ワークショップでも下地染めをしてみることにしました。
染料店(高田馬場の誠和)で買った五倍子(ヌルデの虫こぶ)です。ビニール袋に入れて、棒で叩いて、砕きました。濃い目に煮出します。
布がつかるぐらいの水を加えて、みんなで木綿とレーヨンの下地ぞめしました。(シルクをいれるとシルクは染まらなくなります)
家で豆乳処理をしてきたサラシなど、薄くベージュ色になったものもありましたが、最終的にはブルーベリー色に染まったので問題ありませんでした。
このゴバイシ処理がよかったかどうかは、月日が経たないとわかりませんが、ぬれた状態の染め上がりとしては、結構濃く紫を染めることができて、満足なできあがりでした。
植物染料そのものにこだわらないなら、精製済のタンニン酸を染料店で買うという手もあります。
今回のブルーベリー染めは、みょうばん先媒染にしたり、他にもイレギュラーな染め方になりました。基本の草木染めの方法は、こちらをご覧ください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
草木染めワークショップの雰囲気
知人の紹介で使うことになった、新高円寺の民家。
参加した方の提案で、板の廊下のところにビニールをひいて、染め場所にしました。こういう雰囲気が好きです。写真は、みょうばんで先媒染しているところです。
みんなで並んで、しゃがんで作業しました。
より濃い染液にすべく、冷凍ブルーベリーの実に水を入れて、ミキサーにかけたところ。
水を足して、IH2個と、卓上コンロ1個で煮出します。
20分弱火で煮込みました。煮込むと赤味が減るというけれど、確かに赤味は減っているかな?
染液をこし布でこしたら、スプーンで押して最後まで液を抽出。
各自、布が漬かるぐらいに水で薄めて、染色作業。
結構、濃い色の染め液になっていました。ペーハーも3ぐらいあって酸性度合いが高かったです。
市販服の糸が染まらない、と見ているところ。こちらの染液は、食酢を少し加えてみましたが、さほど色は変わらず。
ウールの毛糸は、他に比べて色が入ってない感じでした。お湯を入れましたが、熱湯を入れればよかったかも。染液を持ち帰って、家で加熱して重ね染めしてもらうことになりました。
シルクを染めるのに、クエン酸を少し入れて赤色を出したもの。
水洗いした後の、インドシルクのストール。水洗いでもっと青くなるかと思いましたが、結構、紫でした。
染液に長く漬けたかったので、染めながら休憩をとりました。畳のお部屋で、参加者が入れてくれたハーブティーを飲みつつ、お茶タイム。ほっこりしました。(今回は午前中から開始だったので、お昼タイムもあったのですが、写真を取り忘れました)
糸つむぎに興味がある人が複数いたので、ひとりが家から持ってきたチャルカを実演してくれて、別の参加者が体験したり。なんだか自由な感じになりました。
草木染めは、ハーブにも、糸紡ぎにも、織物にも、刺し子にも、お裁縫にも、他のいろいろな手芸にも、つながっていく感じがしました。
染め上がりの色
ブルーベリーをたくさん使って染液を濃くしたからか、私の家とは水道水の成分が違うのか、水洗いしても青っぽくならず、紫色に染まりました。濡れた状態はいい感じでした。乾くと色が変わると思うので、どうなるのかが楽しみです。
ワインレッドに染まった60cm角のシルクチーフと、青紫の木綿のポケットティッシュケース。
紫色のインドシルクストール。
レーヨンのストール。アルミ媒染の色で青紫。なんだか紫根で染めたかのような色でした。もっと青くしたかったそうです。
市販のボーダー柄のトップス。ボーダーを目立たなくしたい、という希望でした。目立たなくなったかな?
縫い糸はポリエステルなので、草木染めでは染まりません。
木綿の糸と、シルクのスカーフ。
豆乳下地してある木綿サラシ。濃い紫色に染まってました。絞り方のコツを他の参加者が教えてくれて、きれいな絞り模様になっていて、すごいです。
基本的には染める布は持込みで、好き好きに染めてもらいました。人それぞれな感じが好きです。
荷物の運搬
前回までは自転車で運搬していましたが、今回は電車移動。
荷物の運搬用に、使っていないキャリーカートを友達にゆずってもらいました。寸胴鍋専用バッグに用具を詰め込み、なんとか電車で運びました。今回は寸胴鍋は不要でしたが、寸胴鍋もキャリーにのせられます。
この寸胴鍋専用バッグ、手作り市の荷物運搬にも活用できたし、重宝しています。
※寸胴鍋専用バッグの作り方はこちら→ 寸胴鍋専用バッグの作り方
今後のワークショップ
次回のワークショップは、同じ場所で7月に行う予定です。使われていない植物染料の液(クチナシブルー、ロッグウッド、ラックダイなど)を使っていいことになり、有効活用すべく、テスト的に染める会をしたいと思っています。
まだ日程調整中ですが、決まりましたら、今回の参加者にご連絡した後、ブログでも参加者を募集します。
追記:乾燥後のブルーベリー染めの色
追記:その後、参加した方に乾燥後の写真を送っていただきました。現時点ではしっかり染まっているようです。日にちが経ったら、また違う色になるかと思います。
シルクチーフ
コットンポケットティッシュケース
ブルーベリー染めのインドシルクストール(くすんだ紫色とのことです。画像は本当の色とは少し違うかも?)
レーヨンストール
綿100%のボーダー柄トップス。ボーダーが近くで見ないとわからない感じになったそうです。
<参考画像>染める前。
染めた後。
シルクのスカーフと木綿糸。残液で自宅でさらに重ね染めしたもの。青み紫、ブルーベリー色とのことです。
毛糸。残液で染め直ししたものの、あまり変わらなかったそうです。これはこれでいい色、とのことです。
ご協力ありがとうございます。また変化があったら教えてください。
追記:ブルーベリー染め色の経年変化
7週間後の色
追記:次のワークショップに参加いただいた際に、色の具合を見せてもらいました。木綿さらしとポケットティッシュケースです。キレイな紫色でした。
半年後の色
ポケットティッシュケース。色が落ちて、紫がかった薄ピンクです。(2020年1月撮影)
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