岡山に移住して半年で思ったこと
東京から岡山市に引っ越してから、気がついたら半年が経っていました。
生活はまだまだ日常ではなく、右往左往していますが、だいぶ慣れてきました。10月になっても夏みたいに暑かったと思ったら、それから一転、一気に秋めいてきました。
岡山に住んでいるということより、東京を離れたんだなあという気持ち。思ったことを書きます。
目次
キンモクセイが香らない→今日香り始めた
毎年10月はじめになると、街の空気がいっせいにキンモクセイの匂いになって、匂いはするのに木はどこ?という気持ちになっていたのですが、今年はそれがありません。
東京だけでなく、生まれ育った千葉でも同じだったので、全国各地の人が秋はそんな気持ちになると勝手に思っていたけれど、違ったのかも。
キンモクセイが香らない。よく探したら庭木のキンモクセイを見つけたし、その木の前でマスクをずらして息をしたら、匂いもしたけれど、空気全体がキンモクセイになるのとは違いました。
私の生活圏がたまたま、いつもキンモクセイ多発エリアだったのか。私の今の生活圏がたまたま、キンモクセイが少ないエリアなのか。
当初、今年は暑いからまだなのかと思っていたのですが、涼しくなってきても匂いません。
今まで当たり前だったことが今年は起こらないから、少し変な感じがします。異常気象のせいなのか、マスク生活のせいなのか、引っ越したせいなのか。
秋は一番好きな季節。毎年ものがなしい気分になりますが、秋が感じられなくて、それが少しさびしい気持ちになってきました。
もう少し季節が進んだら、また違うことを感じるのかも。
と、朝思ったら、夕方に香り始めました。今年の季節の流れが遅かっただけのようです。
染料がそこにある
セイタカアワダチソウ、五倍子(ごばいし)、クサギの実、ウメノキゴケ。
土地の人からすると、嫌われ者の植物のようですが、どれも草木染めでは有名な染料です。
この緑の丸いものが、ヌルデの木の虫こぶ、五倍子です。
以前、草木染めの講習会で習った時、地方にお住まいの先生が「五倍子があるのは、こういう場所」と詳しく教えてくださったのですが、その時は、わたしが採取する日は一生こないだろうなあと思っていました。
このブログにも、「生の五倍子がどのような場所にあって、どんな時期に採取するのか、なども教えてもらいました。でも、ヌルデなんて見たこともないし、わたしが採取をする日は一生こないと思われます。」と書いています。
※その講習会の話はこちら→ 濃い紫色の五倍子(ふし)染めを習う
まだ人から見せてもらっただけで採取はしていないけれど、がんばれば見つけ出せる気がしてきました。
クサギの実も、東京にいた時、知人に教えてもらって埼玉郊外まで一緒に探しに行ったことがありますが、数カ所を回って取れたのはほんの少し。分けてしまうととても染める量ではなかったので、取れた分は知人に渡して自分では染めませんでした。
それが、岡山に来たら、ワークショップで染めてみようと思うぐらいありました。当初は山に近い場所だけにあると思っていたのですが、よくよく見たら近所でも見かけました。繁殖力があって、気がつくと落ちた種が苗に育ってしまうそうです。ただ、高い木に育った上の方に実が沢山ついていることが多くて、高枝切りバサミがないと手が届きません。
高枝切りバサミを購入。高枝切りバサミを持って移動するなら車。そんなふうに、車生活になり、備品が増えていきます。
テレビの中の東京
テレビに東京の知っている場所が映ると、家からすぐ行けば、そこにその場所があるような気分になります。
実際はないわけだけど、もともと家に引きこもりがちなので、それでいい感じ。
地方のテレビでは、地方のことを放送しています。首都圏ニュース845は見れなくなって、その時間は岡山県のニュースに切り替わります。地方の情報番組も、地方のCMも、徐々に見聞きする情報がすり替わっていき、それが年月で積み上がっていくのだと思います。
NHK岡山だけでなくNHK高松が別のチャンネルで見られるのですが、地方ニュースの時間は別の内容になるのが興味深いです。それが同じ中国地方ではなく、四国地方の県であることが不思議。岡山は香川の間には海があるけれど、物理的な距離も、気持ち的な距離も近そう。
通販とガソリン代
買いたいと思うものが通販でないと手にできないことに、通販で買うと送料がかかることに、まだ戸惑っています。
通販でないとしても、車を動かさないと行けないお店もあって、ガソリン代がかかります。
改めて計算したら、中古車だからか、私がちんたら運転しているからか、軽自動車なのに車の燃費が悪くてガソリン代が思ったより高いです。
車に乗ったその時にはお金は発生しないから、タダみたいな感じはするけれど、実際はガソリン代と維持費がかかっているわけで、お金がかかると思いました。
バスに乗る時に乗車賃を払うみたいに、車に乗る時にガソリン代を箱に入れたらいいのかも。
車の送迎
車で送る、という文化で育ってこなかったので、送迎してくれる人は、すごく親切なのかと思っていました。
引っ越した時、不動産屋で鍵を受け取ってから新居までは近いから歩こうと思っていたのですが、不動産屋さんが車で送ってくれて、すごい親切なのだと思っていたのですが、荷物を持って徒歩移動することは普通じゃないと思ったのかも、と最近思い始めました。
かなり前の話ですが、親族が飛行機で東京に来た時、「なんで空港まで車で迎えに行かないといけないんだろう?電車で来たほうが早いのに」と思っていました。
田舎の親戚の家に行った時、空港から家まで電車で移動したら、たいした距離じゃないのに駅から家まで歩いたことに驚かれ、帰りは車で空港まで送ってくれました。送迎するのは当然、という雰囲気でした。
いままで深く考えてこなかったけど、車があるのに送迎をしない私はすごく不親切な人間に映ったんだろうなあ、と思います。
ついでに乗ってく?という発想は私の中にもあるのですが、わざわざ送ってく?という発想はなかったんですよね。
では、今もし同じことがあったらどうするかと考えると、きっとバスに乗ってきてとは言わずに、車で岡山駅か空港まで迎えに行くんだろうと思います。それは私が親切になったからではなくて、車で移動するということが、この場所で、自分の日常になってきたからだと思います。
萩の月
手土産をどこで買えばいいか分からなくて、人に相談したら、どら焼きになりました。それは喜ばれて、自分で決めなくてよかったと思いました。私が選ぶと、普通の人より、甘くないものになってしまいます。
そのどら焼きを買ったお菓子屋さんに、○○の月と名前のつくお菓子が売っていて、見た目は萩の月でした。
仙台の萩の月を食べたのは結構前なので、味を忘れてしまったのですが、おいしいお菓子だなあ、と思ったことは覚えています。
その○○の月と名前のつくお菓子を買って食べてみたのですが、普通においしかったのですが、萩の月ではなくて、何が違うんだろう。萩の月を食べたくなりました。
そういう、萩の月に似たお菓子は全国に存在するようです。知らなかったです。
岡山駅の市街地
3月に下見に来た時、岡山駅から不動産屋さんに行くためにバスに乗りました。あの時見た岡山駅の周辺は、埼玉の郊外にある駅のように、のどかな感じがしたのですが、今、岡山駅に近づくと、人が多くて、アクセクした慌ただしい感じがします。
あの時、バスの車窓から見た、田舎だなあと感じた市街地の風景が、今の自分には街中の風景に見えてきました。後楽園や県立図書館近辺が、城下町だからか、少し都会な感じがします。
市街地から離れて、バスが大通りから狭い道に入った時、さびしい感じがするなあと思ったのですが、今は、普通の風景に感じます。もっと何もない感じの道がたくさんあるから、慣れてきました。
岡山駅前にはイオンモールと、都市銀行と、ビッグカメラと、ドンキホーテがあります。みずほ銀行の通帳記帳をしようと思うと、駅前までいかないといけないので、めんどくさいです。引き出しはイオン系列のスーパーのATMでできるのですが、記帳はできないです。生地屋さんも岡山駅の市街地エリアにあるので、時々行きます。
かゆい
草むらに近づくとかゆいんだ、ということを学びました。そんなことも知らなかったんだと思われそうですが、知らなかったんです。その場で蚊に刺されてかゆいんじゃなくて、その後もずっとかゆい。
どんどん育っていく草は、草刈りしないといけない。草刈り大変。
かゆいから、草刈りしないといけないだとわかりました。
きれいな場所は誰かが管理をきちんとしてて、日々労力をかけてその状態を維持しているのだと思いました。
ポポー、日本いちじく、ウーリー梨
夏のスイカの季節が終わってから、大粒のぶどう、主にピオーネを食べて過ごしました。
直売所に時々立ち寄るようになって、今まで見かけなかった果物を知りました。
まずポポー。ポポーは洋梨みたいな形をしていて、パパイヤみたいな匂いで、食感はぼけたリンゴのような、南国みたいな雰囲気の、ラムネのような、とらえどころのない味がします。初めて聞いた名前。珍しい果物だとテレビで言ってました。
それとイチジク。今までイチジクはイチジクだと思っていたのですが、「日本いちじく」と「ドーフィン」という品種が売っていて、今まで食べていたイチジクは日本の品種ではなかったことを知りました。今まで東京で普通に見かけていたイチジクは、ドーフィンなのだと思います。味は同じような気がしますが、産地が近いから、手に入るイチジクがおいしいです。
もうひとつは梨。ウーリー梨(鴨梨)という洋梨の形をした梨が安かったので買ってみたら、味や食感は梨そのものでした。形は洋梨そのものだったので、不思議な感じがしました。
人とは違う果物を育てるのが好きな人が多いのでしょうか。
普通の梨については、東京の場合は千葉や茨城が産地で入ってくるから、東京のほうが安くて身近です。
図書館
図書館ヘビーユーザーなので、移住を考えた時、図書館がある場所が必須だと思っていました。
岡山市には、岡山市立図書館と、岡山県立図書館が揃っているのがいいです。引っ越してからすぐに緊急事態宣言が出て外出してなかったので、利用者カードを作りそこねていたのですが、やっと先日作りました。
「岡山県図書横断検索」というのもあって、岡山県の他の市区町村の図書館の蔵書をまとめてインターネットで検索できます。どう取り寄せ予約するのかはよくわからないけれど、できそう。
引っ越したらないかもしれないと思っていた本が横断検索したら出てきたので、ちょっと安心しました。
公民館やふれあいセンターで受け取れるサービスなどもあって、図書館サービスは充実してそうと感じました。まだ利用し始めたばかりでよくわかりませんが。
とりとめのない話になっちゃいましたが、すぐに半年が経っていて、びっくりです。
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