ジャガイモ栽培。不耕起、垂直仕立てにする予定→失敗
家庭菜園初心者です。家庭菜園の春の始まりは、ジャガイモの種芋を植え付けるところから。3月上旬、「ジャガイモ植えた?」が季節の挨拶ワードであることを知りました。
自分の初めてのジャガイモ栽培について書きます。日々更新します。
不耕起(耕さない)&無肥料&ビニールマルチ無し(草マルチしたいけれど草が足りない)です。育ってきたら垂直仕立て風にしました。
途中で病気が出て徐々に伝染。放置した後、6月中旬に収穫。自分では十分な量が取れて大成功ですが、他の人と比べたら少ないのかも。病気の影響が大きくて、垂直仕立てとそうでない場所の差はわかりませんでした。
目次
ジャガイモを植え付ける時期
いつ植えるべきか?は、遅霜の被害にあうかどうかで判断するらしい。
地域によって違うので、近所の畑の人に確認するのが一番確実。ということで、教えてもらった時期にしました。
読んだ本では2月下旬からもいける気がしましたが、3月上旬。
「菜の花が咲いた頃にジャガイモを植える」という目安もあるらしく、ぴったりだと感じました。
畑の準備
畑のどこに植えるか
自然な育て方の場合、土を作るのではなくて、できるだけその場所にあった作物を育てるという考え方です。
ジャガイモは酸性寄りの土、種芋が腐るから水はけがよいところ。肥料が多いとツルボケする。
私のメインの作物は染色用の藍で、昨年、藍を育てた場所は鶏糞を使ったのでアルカリに偏ってそうなので除外。
酸性度は雑草で判断することにしました。他の場所にはあまり生えてない、ギシギシ(もしくはスイバ)と思われる雑草が生えているエリアがあったので、それを酸性寄り、と勝手に判断しました。
この子です。スイバ?ギシギシ?
畝立て時に出てきた根っこは、枝みたいでした。オレンジ色。染まるかな?と気になります。
生えている雑草で土を判断する、という方法、おもしろいです。酸性度が合っているかはわからないけれど。
水はけは大してよくない場所ですが、水はけがよりよい場所は、他の野菜を優先しました。
うね立て
じゃがいもは収穫が早いので、初夏には場所が空くはず。その空いた場所を、夏に藍の葉を干すためのスペースにしたり、タープテントを立てることを想定したサイズにすることにしました。180cm角のうねに決定。
耕さずに、2月下旬に高さを出すためだけに溝を掘って畝の上に土を置いただけ。
ウネを立てたら刈り草を乗せて草マルチするのですが、草が少なくて地表が乾いてしまう箇所があります。
通路から真ん中に手が届かないので作業しにくいです。
当初は畑全体を南北の長いうねにする予定でしたが、何度測っても、紐を張っても、それでも長方形にならないのが嫌になってきて、方針変更。家庭菜園らしい、自由な形のうねを作ることにしました。
土作り無し
初めての家庭菜園なので、自然農っぽく始めることにしました。畝立てをした時に土を上に乗せましたが、耕してません。耕さず、無農薬、無肥料。育つのか今年は実験。
食べたネギの端
ネギとジャガイモはコンパニオンプランツ、同じ場所で交互に育てるとよいらしいです。
食べた長ネギの端1個。水につけたら根っこが出てきました。
種芋植え付けの数日前、端に植えました。
周りを草マルチ。
種芋の準備
食べるジャガイモから
食べまき(食べた野菜の種を育てること)が好きなので、食べられなかった小芋を種芋にしようと思って芽出しにチャレンジしましたが、全然芽が出ませんでした。
休眠期間があってその日数が足りないのか、販売用に芽が出ない照射処理がしてあるのか、自分の芽出し方(濡らしてから弱い日光に当てる)というのが間違っているのか。
もしかしたら土の中で芽が出るかもしれないので、畑の隅に3個、芽が出ないまま植えました。→4月4日(植え付け28日目)に1箇所、発芽確認。その後残り2個も芽が出ました。
ホームセンターの種芋
ホームセンターで種芋を購入。3月に入ってから買ったので売れ残りかと思います。
ネットに入って売っていて、1kgで15個入りでした。(ネットに芽が引っかかるので、2月に買って自分で芽出しするほうがよいらしいです)
種芋は2kgで売っていることが多く、少ないサイズでも1kgだったので、量を考えて品種は1種類だけにしました。
男爵、デジマ、キタアカリなど何種類か売っていましたが、メークインの種芋を買いました。煮崩れしにくいから。
地域的に涼しい土地向きと暖かい土地向きの品種があるのかも。ここがメークインでいいかは不明ですが、近場のホームセンターに売ってるのだから大丈夫と判断。
後から「休眠期間が短い品種なら、収穫したジャガイモを秋植えの種芋にできる」と知り、メークインは休眠期間が長いので、秋の種芋にしにくいことを知りました。(メークインを遅めに秋植えしている人もいるので、できる人にはできるのかも)
※追記:その後2023年9月初旬、春作で収穫した芋を秋作の種芋として植えました。芽があまり出てない状態で植えて10月上旬に発芽。12月初めに収穫予定でしたが、鹿被害があって11月中旬に収穫。栽培期間が短くなったからか収穫は種芋1個から1個程度でした。
カットして乾かす
そのまま9個、包丁でカットしたのが6個(種芋カウントすると9個+12個=21個)。カット後60g以上を目安にしました。
切れ目が芽スレスレになってしまった種芋。
乾かす
切れ目を数日乾かすため、3月4日に切って、3月7日植え付け。
3月5日。切った翌日。
3月6日。切った翌々日。黒ずみ、シワシワ縮んできた。
3月7日。切った翌翌々日。植え付けの日。こんなに縮んでシワシワしていいのか疑問。
種芋の植え付け
3月7日、穴を掘って種芋を埋めました。
向きは上向き、深さは10cmに決定。垂直仕立て風にする予定なので、芽は上向きを選びました。
埋める深さは悩みどころです。自然農だと草マルチだけで土寄せもしないので深め、垂直仕立ては黒マルチするので土寄せ無しで浅め。
自分は黒マルチはしないので、深め10cmにすることに決定。イモが緑になったら嫌だし草マルチの草が足りないと思うので、土寄せはする予定です。
ということで、10cmの深さに埋めました。一番大きい芽の向きを上にしました。
メークインは横長なので、横長に穴を掘るのがむずかしい。
10cmの深さに埋めるのではなくて、10cmの穴を掘って埋めるのだったかも。深すぎたかも、と後から思いました。
耕してないので、穴を掘ると根っこが結構出てきます。穴に出てきた根は取り除きました。ミミズも見かけました。思ったより土の水分が多い気がしました。
最終列植え付け時の写真。株間30cm、条間40cm。6株、5株、5株、5株でずらして4列。
畝の上に乗らないと作業できないので、ウネ上に長靴の足跡があります。
端っこに小芋3個、芽が出ないまま植えました。食べまき。
最後に草マルチを戻しました。霜を防ぐには足りない気がします。
コンパニオンプランツ
その後、コンパニオンプランツとしてネギの種をジャガイモ畝の端にまきました。細ネギと太ネギ。ジャガイモをどこに植えたかわからなくなり、畝の両端に筋蒔きしました。
コタンで買った九条細ネギ。
日本一のだがし売場で買った固定種、大和ふとねぎ。
ネギの病気予防効果を期待。
これは失敗でした。ジャガイモとネギの位置が近すぎて、土寄せした時にネギの芽が切れてしまいました。
4月下旬の細ネギ。左側のひょろひょろした細いやつ。ジャガイモに近すぎます。
ジャガイモの発芽
暖かい日が続き、岡山にしては雨の日がある3月下旬。植え付け18日後、ジャガイモの発芽を2個発見しました。位置はどちらもネギの近く、畝の端っこ。種芋はカットして植え付けたもの。
ギシギシ?スイバ?が育っていたので、葉っぱを切ってジャガイモの芽の周りを草マルチしてみました。
3月31日。植えつけ24日後。種イモ21個のうち、11個が発芽していました。
まだ芽が出たて、小さい株が多いです。はじめ葉の色が黒紫がかった株も黄緑色になっていました。
この芽は、雑草も横に生えてしまいました。スイバ?雑草を刈る際に根っこは残しているので生えてきます。
4月4日、21個中、18個くらい発芽。少しずつジャガイモ畝っぽくなってきました。手前が最初に発芽した株で他より大きいです。
葉っぱが少し虫に食われているものが1個ありました。
そして、食べまきの小芋3個のうち1個の発芽も確認。その後4月下旬までに3個すべて発芽しました。植えてみるものだと思いました。
天気予報が寒の戻りになったら、不織布でカバーしようと思ってましたが、暖かい日が続いています。
てんとう虫
4月4日、てんとう虫がジャガイモの畝にもやってきました。
黄色い卵も発見しました。
4月中旬、ニジュウヤホシテントウも出現。テントウムシダマシ類の害虫なので捕獲駆除。卵は見つけ出せず。
ニジュウヤホシテントウの卵も黄色だと知り、私が放置した卵が本当に益虫のテントウ虫の卵だったのか、自信がなくなりました。
4月下旬にも別の株にニジュウヤホシテントウを発見。葉っぱに目立った被害は見られません。卵は見つけ出せず。
5月に入って、被害が増えてきました。写真は撮れなかったのですが、小さいニジュウヤホシテントウも見ました。
黄色の卵も発見。小さい黒い虫が同じ葉にいので幼虫かも。普通のテントウムシのものと判別できませんでしたが、被害を考えるとニジュウヤホシテントウの可能性が高いので、葉っぱごと取り除きました。
葉っぱの病気、虫被害
4月下旬、いまのところ目立った被害はありません。この葉っぱ裏の黒い跡、なんだろう?(追記:たぶん、上のと同じなので、ニジュウヤホシテントウが食べた跡かと思います。)
赤い小さな粒みたいな虫が葉っぱにいました。赤ダニ?ハダニ?見たものは取り除きました。被害のほどはよくわかりません。
縛ったものと縛らないもの、どちらにも虫はついてました。縛る作業をする時、葉っぱをよく見るので、その時に虫を発見しやすいです。
土寄せ
4月11日、たぶん全部、芽が出ました。食べまきも3個中2個芽が出ました。
耕さなくても芽が出る、ということがとりあえずわかりました。
垂直仕立てをする予定なので、芽かきはしていません。通常のじゃがいも栽培では、多い芽を引っこ抜いて、2本程度にします。
一度枯れ草を移動させて、三角ホーで土を寄せました。
土寄せ後。これでいいのかな?
敷き草を戻して、足りない部分は草刈りして追加しました。
土寄せ中に茶色いサナギを発見、駆除。
垂直仕立て風
翌々日、4列中、2列を垂直仕立て風にすることにしました。
ウネの端に棒を立てて、ヒモをわたらせて、茎葉をはさみました。
2列は比較対象に普通に育ててみようと思います。まだ芽かきをしていないので、次の時にします。
芽かき
数日後、普通に育てる2列は、芽かきをしました。茎が3本以上あるものを2本にしました。
先に土寄せをしてしまったのでわかりにくいですが、ぐいっと手で茎を押さえて見ると4本。これを2本間引き。
ちょっと失敗。適当に引っ張ると茎がポキっと折れます。再度短くなった茎を引っ張って地面の中の残りも取りました。
これは別の株ですが、2本すっと抜けました。地面を押さえながら、ていねいに引っこ抜きました。白い根?茎?が付いてきます。
2列分、芽かき完成。こうやって写真で改めて見ると、垂直仕立てが垂直になっていないですね。写真で確認、いいことかも。
垂直に縛り直し
数日後、垂直になるように縛り直し。茎を挟んでいる麻紐の位置を少し上げて、株の両脇を麻紐で縛って支えました。下のほうの短い葉が横向きでいいのか気になります。
左手前が芽かきをした、しばらないジャガイモ。右奥がヒモでしばったジャガイモ。右手前はまだまだ小さすぎる芽(植え付けの時、種芋から芽が取れてしまったもの)
株ごとに成長度合いにばらつきがあって、1列1本のヒモなので、的確な位置にするのがむずかしいです。きちんとするなら一株ずつ支柱を立てるのだと思いますが、ジャガイモにそこまでする必要はない気がしました。
今年は雨の日が多くてその合間に週2くらいで畑に行っています。行くたびに成長していて、縛る位置を調整。葉っぱの風通しが悪くなるのが気になります。
縛ったもののほうが高さがあるからか、大きく見えます。芽かきもしてないし。
重要なのは土の中なので、地上部では良し悪しを判断できないのが難点です。
ジャガイモの花
5月初旬、大きめの株に、つぼみを発見。対処方法を忘れていたので、そのまま放置。
数日後、紫色の花が咲きました。対処方法を調べ直したところ、通常栽培では取り除き、垂直仕立て栽培では放置でした。ということで放置。
土寄せ2回目の失敗
5月初旬、遅くなりましたが2回目の土寄せを半分しました。途中で大切な地下茎(芋が付くストロン)が切れてしまって、残り半分は中止しました。
土寄せするには条間が狭すぎて、白い地下茎が切れてしまいました。
とても小さな芋がついていました。
よく考えると、自然農(不耕起)を参考に条間を決めていて、不耕起は土寄せをしないのでした。間隔を間違えました。
土寄せの代わりに草マルチを増やしました。雑草を刈りとって、ジャガイモの根本に敷きました。
でも、よく考えると、雑草(カラスノエンドウなど)には虫が結構ついていて、それがジャガイモに付くかも。
虫がついた草のマルチ、失敗でした。
病気発生
5月中旬、葉っぱに黒い部分ができて弱った株がありましたが、放置しました。放置したことも失敗でした。
数日後、周りに感染が広がって、弱っていく感じがしました。
調べて、モザイク病かな?と思いました。アブラムシから感染するウイルス病。食べるのは問題ないけれど、株がよ弱ってしまう。対処方法は撤去のみらしい。
何も考えずに土寄せの代わりに雑草を草マルチしたことを深く反省。そのせいで感染したと思います。
発生源の株は、購入した種芋から育てたもので、垂直仕立てにしたものです。
ということで、病気になった葉っぱを切り取り、ジャガイモ畝内に穴を掘って埋めました。
カット後の畝。見た目から黒い部分が減ってスッキリしました。
感染がひどかった株は、こんなに小さくなってしまいました。
病気が出た葉っぱを触った手や道具で他を触ると感染する可能性があるので、ジャガイモ畝に近寄ることが怖くなり、この後、放置しがちになりました。
さらに土寄せ
5月下旬、他の野菜の苗の植え付けで土が出たので、その土を使って足りない場所に土寄せしました。(土を上に乗せました)
これは食べまきした3個で、メークインとは違う品種です。
ジャガイモ畝全体を見るとこんな感じ。病気のせいで葉を切り取って小さくなった株があります。
収穫
6月初旬、梅雨の晴れ間に2株を試し掘りしました。
病気が発生した株から採れた芋。軍手と比べてもらえたらと思います。小さいです。
その隣の株。こちらもとても小さいです。
小さいながらも収穫できたので、よしとしました。
収穫は晴れが続いた日。梅雨で雨が多く、本収穫は6月中旬になりました。2日間に分けて行いました。
ジャガイモの畝なのですが、ジャガイモどこ?状態です。病気が出たことで接触をさけていたので、雑草だらけ。枯れた葉がジャガイモ、元気な緑が雑草です。
スコップで離れたところから土を掘り起こしました。
不耕起にしたからか、土が硬くて掘り起こしにくかったです。取り残しがないか手で掘ろうとしても土が硬くてやりにくく、もしかしたら少しは残っているかもしれません。
あと、四角いウネに並べて植えたので、隣の株との境目がわかりにくく、スコップを入れる位置がむずかしかったです。次回ジャガイモを育てる時は、細長いウネ1列にしたいと思いました。
肌が汚いジャガイモがありました。数は少なくて、そうか病?
溶けた芋も少しありました。種芋?溶けた芋があっても、別に収穫するジャガイモには影響がない感じがしました。
食べまきしたジャガイモ(たぶん男爵?)1株から、2個のジャガイモが収穫できました。芽が出ないと思っていたので、収穫できたなら成功です。
雑草を刈り取らないと収穫しにくかったので、2回目はまず草刈りしてから掘ることにしました。
草刈り前。雑草ぼうぼう。
草刈り後。枯れたジャガイモ株の位置がわかりやすくなりました。
土の上に出て、緑化してしまったイモが数か所ありました。土寄せ不足かと思います。次のジャガイモ栽培時の種いもにしたいです。
普通の1株からの収穫量はこんな感じ。5~6個くらい普通サイズのイモがある感じです。
大きいスコップでサクッと掘ったら、ジャガイモを切ってしまいました。持ち帰って翌日に食べました。土の硬さが伝わりますかね?
一つも取れなかった株は皆無で、少なくてもどの株からも収穫できました。
種芋1kgからとれたジャガイモ(メークイン)はこのぐらい。サイズが小さいものも多いですが、量は十分です。
新じゃがの小イモは皮付き素揚げで食べました。おいしかったです。(イモが未熟だとソラニンなど毒素が多くなるらしいので、食べてピリピリしたら食べないほうがいいのかも)
初のジャガイモ栽培で思ったこと
- 耕さずに、無肥料でもジャガイモは育った
- 虫がついている緑の雑草を草マルチしてはいけない
- 土が硬いと収穫がしにくい
- 垂直仕立ては失敗。また次回、試したい
- 次回は土寄せではなくて土乗せにしたい。別の場所から土を持ってくるのがよさそう
- 細長い畝がよさそう
成長記録はこのページを追加更新していました。今回、2023年春の収穫が終了したので、これで終わりです。
※家庭菜園初心者です。不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。