栗イガ鉄媒染でズボンを染め直す
栗イガを拾ったので、着古しの、白っぽくなった木綿ズボンを染め直しました。
そのまま水で煮出した1番液+2番液で染めたら薄い色でした。酸性だからか木綿生地が弱った感じもしました。
重曹を入れた3番液で、煮出した翌日に再度染め直し。鉄媒染で濃いグレーに染まりました。茶味がなくすっきりした色です。
木綿を染めるのに重曹を入れたほうがいいのかも?と思いました。翌日に染めたのがよかったのか?はよくわかりません。
シミが浮き出た部分があったので、古着の染め直し前の洗濯は念入りにしたほうがよさそうです。
染めた日:2022年10月上旬
目次
栗イガ染めの材料(3番液)
- 栗のイガ(中に栗入り)453g
- 重曹 小さじ1
- 鉄媒染液 大さじ1
- 着古したズボン 392g
栗イガ染めの流れ(3番液)
- 栗イガ(今回は2回煮た残り)を重曹を入れて煮出す(やや強火。沸騰後20分)
- ズボンをお湯で濡らしておく
- 栗イガをこす
- (煮出した当日、下地染めとして別の布をアルミ媒染で染めました)
- (翌日、残液を温め直し)ズボンを浸して染める。よく動かす。20分
- 水洗い
- 鉄媒染液(水8リットルに大さじ1程度)に浸して染める。よく動かす。20分
- 水洗い
- 再度染液に入れて染める
- よく水洗い
- 洗濯機で脱水、陰干しで乾燥
※草木染めの基本手順はこちらを見てください→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
栗イガ染めの詳細と写真
栗イガ拾い
実が小さすぎて食べないという、道端の栗の木。イガが割れずに落ちてたものを拾いました。
イガが当たるとかなり痛いので、採取時はトングや箸を使って、分厚い袋か紙袋に入れたほうがいいです。
栗を取り出すのも大変なので、そのまま煮出すことにしました。
1~2番液
大きいステンレス寸胴鍋。1番液は水10リットルで沸騰後20分、2番液は水5リットルで沸騰後20分煮出しました。写真は煮出す前です。
染めたズボンは、もともとカーキグリーン系でしたが、着古して白っぽくなってました。
お湯で濡らしているところ。色のある布は、濡れただけで濃く見えるため、染めている時に染まっているのか判別しにくいです。
とれた一番液。茶色の染液が取れてました。
でも、ガラス瓶で見ると少し薄い色でした。酸っぱい匂い。pH5でした。
水を5リットルに減らして取った2番液。これも似たような色でした。
大きめのステンレスたらいで浸し染め。はじめに取った1番液で染め始め、途中で2番液を追加しました。
写真を取りませんでしたが鉄液で鉄媒染(水8リットルに鉄液大さじ1)をしました。
濡れた状態ではズボンは染まっているように見えました。
でも、乾かした後に見たら、あまり染まってませんでした。
テストで入れたハギレ。左からシルク、濃染した木綿サラシ、下処理なしの木綿サラシです。
シルクと濃染した木綿サラシはよく染まり、濃染しない木綿サラシは染まりが薄かったです。
栗イガはタンニンがあって木綿がよく染まると思っていましたが、そのタンニンがうまく取れてないかも、と思いました。
3番液(重曹煮出し、翌日染め)
栗イガの煮残りを乾かして保管。後日、3番液をとって染め直すことにしました。
濃い焦げ茶色の液が取れました。
煮出した当日、取れた染液を別(アルミ媒染で下地染め)に使いました。下地染めとして成功したかは不明。時間がなかったのでズボンは翌日に作業することにしました。
翌日、残った液を再利用してズボンを染めました。寸胴鍋で染液を温め直し、そのまま鍋を器にして浸し染めしました。
1-2番液と同じように鉄液で鉄媒染して染めました。
乾燥後のズボン。すっきりしたグレーに染まっていました。
どんぐり帽子で染めた時、茶色っぽさが出てしまったので、似た感じになるかと思いましたが大丈夫でした。
※どんぐり帽子染めの話はこちら→ どんぐり帽子で草木染め(ズボンのリメイク)
染め直しの問題点
見たらわかるシミがありました。染める前は目立たなかったシミが、鉄媒染で染めた後に目立つことがよくあります。
その後、このズボンは古着すぎて破れてしまいました。もう寿命だったと思いますが、染め直すことで生地が傷んだ感じもしました。
栗イガ染めで思ったこと
- すっきりグレーになった
- 木綿を染めるのに、どう煮出すべきか知りたい(シルクと木綿では違うと思った)
- 栗イガを下地染めにも使いたい
- 渋皮ではピンクに染められるらしい。いつかやってみたいが、栗自体が少し苦手で(体質的にナッツ系に弱くて)なかなかチャンスがない
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