ブルーベリー染めテスト(ミキサー&先媒染)
ブルーベリー染めのテストをしています。
写真は、手ぬぐい(特岡、というサラシの白生地)にハートの絞りを入れて、ブルーベリーの実で染めたもの。水色っぽい青紫で、草木染では、なかなか見かけない色になりました。みょうばん媒染です。
テストとしては、ブルーベリーの実をミキサーで砕くこと、染液より先に媒染をすることで、染める色を濃くしました。酸に食酢を使ってみました。
また、シルクのハギレを染めたら、素敵な色になりました。ブルーベリーで染めるなら、シルクがおすすめです。
コットンを濃く染めるテストはこちら(五倍子の下地がおすすめかも?)→ ブルーベリー染め濃染テスト
染めた日:2019年6月3日~2019年6月4日
目次
ブルーベリーの実染めの色
手ぬぐい(晒し生地)のブルーベリー色
酸なし、アルミ媒染(先媒染)です。てぬぐいは「特岡」というサラシの白生地です。
スミレ色になりました。きれいな色です。
今まであまり晒し(てぬぐいやふきんに使われる木綿の白生地)は染めてなかったけれど、可能性を感じました。
※ブルーベリー染めは洗濯で色が抜けるので、手ぬぐいとして使うのは向いていません。
※追記:半年後、退色して薄い水色です。洗ってはいません。薄い色になっただけで、嫌な色ではないです。
コットンを濃く染めたブルーベリー色
木綿のオックスフォード生地です。
ミキサーで砕いて煮て先媒染にしたことで、前回テストと比較して濃く染めることができました。比較用に並べた前回テストの生地は少し色が抜けた気もします。
写真の上段:クエン酸入り 下段:クエン酸無し
写真の左側:今回テスト 右側:前回テスト(ビニール袋に入れずに室内保管)
<参考:前回テストの色。後媒染、ミキサー無し、酸はクエン酸>
シルクのブルーベリー色
木綿よりもシルクはキレイな色になりました。光沢があってマットすぎないからか、いい感じです。コットンよりもシルクの方がしっかり染まるので、ブルーベリー染めするならシルクがオススメです。
写真の左側:食酢入り 右側:食酢なし
ブルーベリー染めテストの詳細
ミキサーで砕く
原料のブルーベリーです。ブルーベリー農園さんから廃棄予定の実をいただきました。
冷凍した状態のまま、水を入れてミキサーにかけました。ミキサーにかけただけでは、粒粒がまざっただけで、染液にはなりません。
煮て染液を抽出した後、こし布でこした残りはこんな感じ。どろどろしています。
染液は多少濃くなった気がします。だた、粉々になった皮の粒子も入ってしまうので、本当の濃さがよくわかりません。たたきつぶすぐらいでも、いいのかもしれません。
染めた後の残液に色がけっこう残るので、これ以上濃く出す必要はないと思われます。
水洗いで赤味が抜ける
染色後、水洗いすると赤味が抜けます。お酢を入れて赤味を出した場合だけでなく、普通に煮出した染液でも同様です。
手ぬぐい(サラシ)は特にその傾向が強かったです。染液に入れている間は、まさしく本紫なのですが、染めた後、水洗いすると、赤味が減って青っぽくなり、乾かすと水色みたいな青紫になりました。
水洗いする前は、まさしく本紫でした。
水洗いしているところ。水洗いすると青紫になります。
サクランボ染めでも、この手ぬぐいはピンク色の染まりが薄かったです。色素は違いますが、このサラシ生地は赤味がつきにくいのかも。
オックスフォード生地も水洗いで少し赤味が減りました。
水洗い前
水洗い後
シルクのハギレでも、多少色が変わりましたが、コットンに比べるとさほどでもありません。
写真の左が水洗い前、右が水洗い後です。
普通の染液で染めたシルク
酸で赤味を出した染液で染めたシルク
クエン酸液を作ってゆすいだら、色が変わらなかったので、ペーハーの問題かと思っていますが、はっきりした原因はわかりません。
シルクの方が変化が少ないので、コットンの場合は、赤い色素が定着しにくいのかもしれないです。なので、コットンを本紫にしたかったら、コットンを濃染したほうがいいのかもしれません。
アルミ先媒染
普段の草木染めでは、後媒染(染液→媒染→染液)で染めています。前回のテストで、媒染時に色が変わり、染液に戻しても完全には色が戻らない感じがしたので、先媒染(媒染→染液)をすることにしました。
以前、ブルーベリーの紅葉で染めた時も、同じように感じていて、先媒染をしていました。
※ブルーベリー紅葉で染めた話はこちら→ 綿シャツ用の生地をブルーベリー染め
結果として、前回テストよりは濃く染まりました。
食酢で酸性にした場合
前回はクエン酸にしたので、今回は食酢で赤味を出しました。ニオイがあるだけで、染色自体に違いは感じませんでした。水洗いして赤味が減るのも同じでした。
「酸媒染」の原理がわかりません。
食酢とクエン酸だと化学式が違い、クエン酸はOHがあって、COOH部分も3つあるので、それが影響するのかしないのかなど、そういうことがわからなくて、もやもやしています。
草木染めで色抜きをする時、クエン酸を使用します。だから、クエン酸を使うと色が抜ける作用があるはずです。掃除に使う際の、カルキ落とし(水垢のカルシウムを落とす)と同じ原理かと思います。
そう考えると、先にアルミ媒染しても、アルミニウムがとれてしまう気がします。それが食酢だと起こらないのか?いろいろ考えてみるものの、よくわかりません。
ブルーベリーの実の草木染めテストの材料
- 冷凍ブルーベリーの実 50g
- 手ぬぐい(特岡という晒しの白生地) 1枚 35g
- 木綿のハギレ(オックスフォード生地) 20cm×20cm 7g 1枚
- シルクのハギレ 4~5g 2枚
- みょうばん(スーパーで購入した食品用)4g
- 食酢 50g (染液54mlに入れて、pH3くらいにした)
ブルーベリー染めテストの手順
- 事前の準備:生地を中性洗剤で洗い、40度程度のお湯につけておく
- 冷凍ブルーベリーの実50gと水232mlをミキサーにかける
- 水210mlを追加して加熱。沸騰後20分弱火
- こし布で実をこして染液とする
(染料が布の2倍の重さの染液に分けた。手ぬぐいは残液) - みょうばん媒染 常温 20分
- 水洗い
- 赤紫に染める分には、染液に食酢を入れてかき混ぜる
- 染液に布をひたす 常温 20~30分
- 水洗い
- 日陰干し、アイロンがけ
今後、濃染テストなどもしてみたいです。何かご存知でしたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムからぜひ教えてください。