ベニカナメモチの枝で布を染める
ベニカナメモチの枝から草木染めをしてコットン生地を染めました。少し暗めの、ほどよいピンクに染まりました。
緑葉も試しましたが、染液に赤みが出るもののすぐに茶褐色に変化してしまい、染めは断念。元々そういうものなのか、剪定から時間が経っているからなのか。葉よりも枝からの方がピンクに染まりやすい感じでした。
ベニカナメモチの枝から染めた方法について書きます。
染めた日:2020年6月20日
目次
染料のベニカナメモチ
ベニカナメモチは、よく生垣などで見かけます。新芽が赤い葉っぱになっている木です。
前回は赤い葉っぱで染色したので、今回は、緑の葉と枝を使いました。赤葉の染物についてこちら→ ベニカナメモチの赤葉で染める
剪定から2週間ほど経過。剪定枝をベランダで枝を水に差して保管していましたが、弱ってきていたかもしれません。
まず葉っぱを取りました。赤みや茶みのある葉、弱った葉は取り除きました。
残った枝を小さめにカットして使用。細い枝が多かったです。枝の表面は赤い色、枝の中身は、緑がかった白色です。茶色く干からびた部分は除きました。
テストで染めた色あい
左から、赤葉(無媒染・酸性抽出)、枝(アルミ媒染)、緑葉(アルミ媒染)。上段がシルク、下段が濃染なしのコットンです。
色のきれいさでは、赤葉がきれいでした。でも、アントシアニンだから退色が早そうです。枝で染めたシルクは、かなりくすんだ色ですが、赤みが出ていました。緑葉は黄み茶みが強い黄土色になりました。
濃染していない木綿は薄い色でした。
実際に染めた生地の色
シルケット加工っぽい薄手の木綿生地を枝で染めたもの。濃染はしていません。
シルクよりコットンの方がきれいな色に染まりやすいからか、結構きれいな色になりました。パーソナルカラーでいうとスプリングだと思います。少し黄みがかっていて、でも茶色っぽさはなく、落ち着いた雰囲気です。
※パーソナルカラーについてはこちら→ パーソナルカラーのこと
シルケット加工っぽい生地だからか、光加減によって違う色に見えます。とりあえず染めたては、服地にちょうどよいピンク色でした。重ね染めしたほうが色持ちがよさそうですが、これ以上染めて濃色にはしたくない色です。
ベニカナメモチ枝染めの材料
- 木綿の生地(渋谷のTOAで購入。薄手。染色用ではない) 223g
- ベニカナメモチの枝 155g
- みょうばん 12g
ベニカナメモチ枝染めの手順
- 枝を剪定バサミで3~5センチ程度にカット。
- ステンレス鍋で水10リットルに、枝155gを入れて強火。フタをする。沸騰後20分、強火で加熱。
- こし布でこして、染液はバケツ2個へ。空気を含ませる。
- 染液の3分の2を鍋に入れて、生地を10分浸す。よく動かす(熱い)
- 台所シンクで水洗い
- みょうばん液を6リットル作って、媒染20分。ゴム手袋をした手で生地を動かす
- 水洗い
- 再度、染液へ。残り3分の1も追加。15分くらい浸す。よく動かす。
- よく水洗い
- バスタオルに包んで洗濯機で脱水、ベランダに干す
※草木染めの基本手順はこちら→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹
※みょうばんアルミ媒染の詳細はこちら→ みょうばんアルミ媒染液の作り方
ベニカナメモチの枝での染色詳細
染液作り
ステンレスの寸胴鍋に入れて、沸騰後20分、煮出しました。
枝から取れた染液は薄い黄色です。
空気を含めるとこんな色。
すぐに赤みが出てきました。染め始めの染液の色。
染色
結構すぐにきれいな赤色が出てきたので、急いで生地を投入。熱いと思いながら、ゴム手袋をした手やハシで生地を動かしました。ステンレス鍋に入れていますが、特に加熱はせずに浸し染めです。
台所のシンクに水をためて水洗い。薄いのですがかさばる生地なので、バケツでは洗いきれません。
焼きみょうばんを溶かして、常温でアルミ媒染。こちらもよく動かしました。媒染液に生地を入れると、少し色が薄まりました。写真だと色が飛んでますが、これはこれでいい色でした。
再度染液へ。媒染後の方が色が入りそうなので、目を離さずに、動かしながら染めました。
最後にシンクでよく水洗い。手で軽く絞ったら、バスタオルに包んで洗濯機で脱水して、ベランダに干しました。
ベニカナメモチ緑葉の染液
結局、染色には使いませんでしたが、緑葉も煮出して染液を作りました。
緑葉も赤みが出ているのですが、液色の変化が速く、むずかしい感じがしました。1番液を使ったので、2番液ならまた違う色になるかもしれません。(残った葉っぱを冷凍保存したので、また今度試します)
ベニカナメモチの緑葉 138g。葉っぱをそのまま、ステンレス鍋に入れて水7リットルで煮出しました。
空気を含ませた後の色。少し茶味ががかっていてくすんだ感じ。しばらく時間を置いてもあまり変わりませんでした。
赤みは出たものの、茶味がでそうな雰囲気だったので、染色に使うのは断念しました。
少量でテストした際の、少し時間が経った染液。赤みが出ても液色がすぐに暗くなり、茶みを含んだ黄土色っぽく染まりました。渋い色を染めるにはよさそうです。
ベニカナメモチ染めで思ったこと
- 剪定後2週間経った枝だったけれど、結構いい色に染まった
- 緑葉を濃く煮出したら別の色に染まるのか?試したい
- 生地からブラウスを作りたい。色落ち色変化を見たい
- 銅媒染も試してみたい
※不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。