2020年2月22日(土)ウールマフラー染めワークショップ開催報告

ウールマフラー草木染め体験ワークショップ

2月の草木染め体験ワークショップは、ウール染めに挑戦。ウールマフラーと毛糸を染めました。

青紫がログウッド染め、赤が強めの赤紫がラック、手前の赤紫がログウッドとラックのミックスです。それぞれにきれいな色になりました。

場所は引き続き、新高円寺の民家。今回の参加者は、よく参加する方3人、初参加2人の計5名でした。初参加の方はインスタグラムから。洋裁やアクセサリー作りなどもする染物好きなお二人、染物友達同士で参加してくださいました。ありがとうございます。

ウール染めは、2月のスペシャル企画です。3月からは通常の、木綿や麻、シルク等を染める会に戻ります。

※ワークショップ最新情報はこちら→ つぎいろ草木染めワークショップ

ウール染めワークショップ

ウール(羊毛)はシルクや木綿と違って、高温でないと色が入りにくく、染め方が違います。

今回ウール染めをしようと思った理由はいくつかあります。

1つは、2月は寒いから。薄い生地を染めるのには寒々しく、あたたかウールを染めたい気持ちになったこと。(ただし、ウールは温度変化に弱いので適した季節ではないです)

あと、よく参加してくださる方で、機織りまで趣味が広がった方が何人かいて、木綿糸だけでなく毛糸も染められたら、幅が広がって楽しいかなと思ったこと。

あと、今ワークショップで使っている場所が3月いっぱいで使えなくなること。場所が変わる前に、この民家でしかできないことをやっておこうと思いました。加熱しながら時間をかけて染めて、洗濯機で脱水できる環境は、貸し部屋ではむずかしいです。

なかなかよかったので、またいつかウールの会をやってみたいです。でも、できる環境が手に入るのは、いつの日になるやら。

ログウッドとラックダイの色

前回はログウッドの青紫だけだったのですが、今回はラックダイや2色ミックスの希望者もいて、3色染めることができました。

ウールマフラー草木染め体験ワークショップ

持ち込みの毛糸はメリノウールだそうで、ラックダイできれいな色に染まっていました。ログウッドは前回より薄めの青紫になりました。

今回は両方ミックスした染液でも染めました。ミックスさせる比率によって、いろんな紫色を染められそうです。

前回少し色ムラが出たので、今回は染める水量を増やしました。乾かないと結果はわからないけれど、色むらは減ったと思います。

参考にしたいので、参加した方は、乾燥後の写真をお送りいただけると助かります。お時間がある時で大丈夫です。このページに追記させていただきます。

ワークショップの雰囲気

お会計を済ませて、まずはマフラーや毛糸をお湯に浸す準備。色見本のマフラーを参考に、マフラーをびょうぶ畳みに畳んでいるところ。

説明しているところ

タライにお湯を準備して、マフラーや毛糸を水面に浮かべているところ。毛糸をモノゲンで一度洗うか迷ったのですが、今回はしないことにしました。

湯通し

軽くやさしく、手で沈めているところ。ちょっと水量が足りなかったので、後から追加しました。

湯通し

湯通しに時間がかかるので、放置しながら、ウール染めの注意点や流れを説明しました。

水分を十分吸ったら、みょうばん先媒染。3つの鍋で、徐々に加熱しながら媒染しました。

温度を測りながら、40℃くらいでマフラーを入れたところ。お湯の節約のため、湯通しで使ったお湯を使い回しました。

お湯の温度測定

毛糸とマフラーを一緒に媒染しているところ。

みょうばん先媒染

媒染が終わったら、染液作りです。

ラックダイの液体植物染料を大鍋に入れているところ。直火を避ける用に鍋底にアミをひきました。

ラックダイ液体植物染料を鍋に投入

ラックダイはカイガラムシからとれる動物性の染料で、ロッグウッドはマメ科の木からとれる染料です。今回はウール染めに集中するため、染料を煮出したりはせず、液体染料を使いました。

ラックダイで染色している鍋。水面に泡が出ていました。ちょっと濃すぎたのかも。沈殿しないか少し心配でしたが、大丈夫でした。

ラックダイ染色中の鍋

ログウッドとラックダイのミックスで染めているところ。温度が低いうちは、ラックの赤みがマフラーに入っていく感じでした。

ラックダイとログウッドを混ぜて染色

温度が上がるにつれて、徐々にログウッドの青みも入っていく感じでした。

ラックダイとログウッドを混ぜて染色

ログウッド染め。染液はそれなりに濃い色でしたが、思ったより薄めの色づきになりました。なんでかな?

ログウッドの染色

ザルを使ってすくい上げて移動しているところ。ザルを1個家に忘れてしまい、一つのザルを共有で使い回しました。不便でした。

ザルですくう

アミで水を切ってから、最後はタライで湯洗い。洗ったお湯が、まるで染液のようです。

お湯洗い

いかにお湯を使い回すか考えながら、順番に湯洗いしているところ。

湯洗い流れ作業

終わったら後片づけ。液体染料は濃いので、タライや鍋の汚れを落とすのが大変です。

よく参加する方が、よく落ちるという食器用洗剤を持ってきてくれました。タライの汚れにシュシュっと吹きかけておくと、スポンジですっと落ちました。加熱した鍋の汚れは手ごわかったです。

キュキュット泡スプレー

お茶をしながらの染物

お茶の間でお茶を飲みながら、お菓子を食べつつ、時々鍋をチェックしながら染めました。

毛糸を染めた人がいたので、かせくり器や玉巻き器の話になりました。素手でできる毛糸の簡単な巻き方を教えてもらいました。ビニールヒモを使って練習。いいことを知りました。

毛糸の巻き方レッスン

染物の話をいろいろ聞いたりして、楽しかったです。

ただ、3色だったからか、予想以上に時間がかかってしまい、終了予定時刻をかなり超過。急いでいる人がいなくてよかったです。

今後のワークショップ

3月は桜染め(満席・キャンセル待ち受付中)と椿染め(残席わずか)をします。

4月からは、ついに新しい場所でやろうと思っていて、下見をしている最中です。今までのようにはいかない部分も多いので、環境にあわせて、できる範囲のことをやってみようと思います。

使える場所探しは続けますので、よい場所があればぜひ教えてください。煮出す火力と水場が必要です。

乾燥後のマフラーと毛糸の色

参加した方に、乾燥後の画像を送ってもらいました。光の加減で色が違って見える感じですね。

ラックダイのウールマフラー。写真に色がうまく出ず、ワインレッドかぼたん色が本当の色に近いかな?とのことです。

草木染めウールマフラーラック

ラックダイのメリノウール毛糸。2つに分けて、手巻きと糸巻き。どちらも同じ重さ。

草木染め毛糸ラックダイ

ログウッドとラックのミックス染めのウールマフラー。こちらも写真に色が出てないけれど一番近い色の写真とのことです。

草木染めウールマフラーラックとログウッド

ログウッドとラックのミックス染めのウールマフラー。

草木染めウールマフラーラックとログウッド

ご協力ありがとうございます。寒の戻りで寒い日に、ぜひ使ってください。


不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。

※ワークショップ全体についてはこちら→ 草木染め体験ワークショップについて
※草木染めについて知りたい人はこちら→ 草木染めの目次