杏の剪定枝で草木染め

杏の枝と杏染めシルク

あんずの剪定枝をもらったので、草木染めを試しました。オレンジっぽい染液が取れて、染めはじめは黄色っぽく、徐々に赤みも入っていき、アプリコットオレンジになっていく色変化がよかったです。

染めた時のことを書きます。

※私は桜染めをベースに考えているので、コツはこちら参照→ 桜染めの方法について
※草木染めの基本手順は書かなかったので、こちら参照→ 草木染めで布を染める方法:綿・麻・絹 

染めた日:2022年2月下旬

杏の剪定枝

1月下旬にいただいた杏(あんず)の剪定枝。枝の外側は赤紫色で、すべすべした輝きのある枝。バケツに水を張って枝を挿して、ベランダで1ヶ月近く保管したものを2月下旬に使いました。

杏の剪定枝

杏染め1:濃染なし綿麻

まず少ない量でシンプルに染めてみました。なかなかきれいな色が取れそう、と思いました。

テスト染めの材料

  • 枝45g
  • 綿麻の薄い布(洗濯済の市販品)100g
  • 焼みょうばん8g

テスト染め風景

細かめに枝をカットして、水2リットルで沸騰後20分加熱。

杏の枝を入れた鍋

雑味の少ない、きれいな黄色の染液が取れました。空気を入れて多少赤みが入ったような、変わらないような。

杏染め一番液

取れた染液の半分をぬるま湯に薄めて、綿麻の生地を入れました。ピンクが入っていきます。

その後、みょうばん媒染して、残り半分の煮出した液も追加して染め。

さらに、下の「杏染め2」で余った2番液でも重ねたのですが、たいして色が入りませんでした。

淡いピンク、スプリングカラーに染まりました。

杏染め綿麻と色見本

ちょっと薄いかと思いますが、自分にはちょうどよい淡い色です。

杏染め綿麻生地

こんな色に染まると、時間経過とともに退色していき、薄汚さはなく単に色が薄まっていくかと思います。退色したらまたその時にある染料で染め直ししようと思います。

杏染め2:シルク布

色がキレイだったので、もう少し濃く煮出して、日数を置いてから染めることにしました。様子を見つつ6日後に染めることにしました。

テスト染めの材料

  • 枝180g
  • シルク布6g
  • 焼みょうばん4g

テスト染め風景

細かめに枝をカットして、水6リットルで沸騰後30分加熱。

日数を置くと、徐々に黄色からオレンジみがある液になりました。

杏の枝の1番液

染液→みょうばん媒染→染液という手順で染めました。

染めていると徐々に赤みも染まっていき、アプリコットオレンジという言葉が思い浮かびました。(この写真では伝わらないかも)

杏染めの染液

シルクの端切れは、アプリコットオレンジになりました。ピンクよりも黄色が強い色です。自分の好きな色ではないけれど、この色が杏の枝で染める時の素直な色かも、と感じました。

杏の枝と杏染めシルク

電子レンジでチンして染めたテスト用の布。みょうばん媒染。ピンクと言うにはオレンジっぽさがあります。(左からシルク、濃染剤サラシ、下地なしサラシ)

濃染していないサラシは薄いピンク色です。

杏染め3:アルカリ抽出テスト(失敗?)

アルカリ抽出テスト1

「杏染め2」で残った枝を炭酸カリウムを3g入れて、水3リットルで1時間半煮ました。(3番液)紅茶のようなワインのような、濃い小豆色の染液。

そのまま中和せずに「杏染め1」で染めた布を重ね染めしたのですが、色が入らず。

さらに残液をお酢で中和して、みょうばん媒染をしたシルク布を入れて放置すること5日。薄いベージュ色。ほんのり赤みはあるけれど、染まりはベージュ。

アルカリ抽出テスト2

人から聞いた方法なので詳しくは書きませんが、さらに残り(4番液)をアルカリ抽出&中和&日数を置く。暗みの入る色、茶色が入る色。染め始めよりも残液に赤みが見えた。

杏の枝4番液

電子レンジでチンして染めたテスト用の布。みょうばん媒染。ファンデーションの濃いカラーのような、コーラルのくすみの強い色。(左からシルク、濃染剤サラシ、下地なしサラシ)

杏染めアルカリ抽出で染めた色

とりあえず使わなかった液を、さらに日数を置いて様子をみようと思います。

杏染めで思ったこと

  • 染めているうちに、黄色に赤みが重なって、アプリコットオレンジになるのがいい感じがした。
  • 枝がパワフルな感じがした。枝がしっかりしているなら冷凍保管よりも水挿し保管のほうがいいのかも?
  • 枝のアルカリ抽出にまた失敗。でも失敗は成功のもと。

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