ミシンの下糸ぐちゃぐちゃ問題

下糸がぐちゃぐちゃ

さっきまできれいに縫えていたのに、突然、ミシンで縫った下側の糸がひどくからまりました。対処方法について書きます。

また、縫い始めの裏側の縫い目が団子のようにからまって汚い問題の改善方法についても書きます。

下糸のグチャグチャ具合

こんな風に、突然、下糸がぐちゃぐちゃに絡まるようになりました。裏側だけ。表側は普通の縫い目です。

その問題とは別に、普段から、縫いはじめの裏(返し縫い部分)が汚い問題があります。写真の左側のような縫い目です。引っ張ってカットできそうに見えますが、からまっていて輪はほどけません。

縫い始めの裏側の糸

突然グチャグチャの解決方法

チェック項目

「さっきまできれいに縫えてたんだから、やらなくてもいいのでは?」という気分になる項目もありますが、一応、1個ずつ原因をつぶしていきます。

  • 下糸のかけ方:
    ボビンの入れ方が逆向きでないか、糸のひっかけ方が正しいか、下糸を掛け直しました。「ボビンを指で押さえ、回らないようにして」掛けます。
  • 下糸の巻き方:
    下糸がきれいに巻けているか確認。とりあえず別の糸を巻いてあるボビンに変えました。
  • 上糸のかけ方:
    押さえ金を上に上げてから、上糸を正しく掛け直しました。(押さえ金を下げたまま上糸を掛けるとダメな機種があるため)。縫い目の下側がグチャグチャする原因のほとんどは上糸のかけ方だそうなので、念入りに確認。
  • 上糸の糸調子が正しいか:
    強さが普段通りか確認。いつも同じ位にしています。強弱を変えたら少し改善しましたが、完全には直りませんでした。
  • 下糸が関係してそうな部分のホコリ掃除:
    板を外して、取扱説明書で書いてある通りに掃除します。
    ※家庭用ミシン(下糸を入れる部分が水平釜)の場合は、油をさすとトラブルになる場合もあるので注意。私はさしませんでした。
  • 針を新しい針に交換する
  • 糸を別の糸に交換する

私個人の解決ポイント:蝋引き糸

私の場合、その時、蝋引きカタン糸を使っていました。糸を普通のポリエステル糸60番に交換して、何度か試し縫いをしたら、一応、綺麗な縫い目に戻りました。

そして、蝋引きカタン糸に戻すと、問題は再発します。なので、完全には解決していませんが、とりあえずミシンが縫える状態には戻りました。

調べたところ、ロウ引き糸は家庭用ミシン(水平釜)で糸調子があわないらしいです。

蝋引きカタン糸

糸が悪い→糸調子が合わない→グチャグチャという因果関係かと思います。

見た目上は、蝋引きの方が、ミシンによさそうな雰囲気があります。糸がケバケバしてなくて、ツルツルしています。完全に盲点でした。

でも、今まではこの糸でも普通に縫えていたんです。ということは、何かしらミシンに問題が起きてしまったという可能性もぬぐえません。まだ修理には出しませんが、どうしたものか。ミシン自体が壊れていませんように。

家庭用ミシンを使う人は、だいたい、シャッペスパンなどのポリエステルのミシン糸を使っているかと思います。

なぜ蝋引き糸を使っていたかというと、カタン糸(木綿100%の糸)を買いに行った際に、そこに大きめのその糸が売っていたから。そして、別に「蝋引き」であることを強調しているわけでもなく、普通にミシン糸として並んでいました。

草木染めでも染まるように、木綿100%のミシン糸を使っていますが、別に蝋引きである必要はありません。逆に染まりにくいです。

以下に書く、縫い始め問題にしても、基本的にその蝋引きカタン糸を使っていたので、さらに起こりやすかった可能性があります。

もし、通常とは違う特殊な布や糸を使っていてグチャグチャ問題が起きたなら、一度、ごく一般的なものに戻して試し縫いするといいと思います。

その後、修理に出してわかったこと

縫えなくはないものの、時々(数目に1回)縫い目がおかしいところがあり、修理に出しました。裏側の縫い目で、表は普通です。

ひっかかった縫い目

結果、縫い目が汚い理由は「針板のキズ」が原因とのことで、針板を新しいものに交換しました。針が折れた時に針板が傷ついたのを放置したのがよくありませんでした。

調べてみると、目飛びするなど、うまく糸がすくえてない時、部品の傷が原因のこともあるようです。

縫いはじめが汚い問題の解決方法

縫いはじめの縫い目

自動糸切りした後、手動で下糸を上に引き上げない場合、縫い始めの裏側が汚いです。糸が絡み合った感じになります。

下の写真は、折り返し縫いをして縫い始めた場合の縫い目です。手動で下糸を引き上げた場合(写真上)と比べて、自動糸切りしたあとにそのまま縫い始めた場合(写真下)は、糸がからまって汚くなります。

HZL-F400JPの縫い目

また、手動で糸を引き出した場合でも、からまった縫い目になることがあります。

縫い目が汚くなる原因

これは、自動糸切り機能のついたミシンで起こりやすい現象。別名「鳥の巣」と呼ばれるものです。

下糸を引き上げなくても縫えるミシンで、下糸を引き上げずに縫った場合は起こりえる現象で、機種に限りません。

下糸を引き上げた場合は、糸を押さえ金の下に置いていれば起きないはず。でも、私は時々起きてしまいます。いつもではないので原因がつかめてませんが、糸を置く位置や布の厚みによる圧の変動でしょうか。

今使っているミシンは、JUKIの家庭用ミシン「エクシード ドレスメイク」(HZL-F400JP)です。いろいろな機能があり、自動糸切り機能もあります。このミシンの話はこちら参照→ JUKIミシンHZL-F400JPを1年使った感想

以前使っていた、自動糸切り機能がない安いミシンではこんなことはありませんでした。昔のミシンにはそんな機能がないから、鳥の巣問題はありませんでした。ミシン自体は使い慣れていると思っていたので、昔から家庭用ミシンを使っている人ほど、疑問に思う点だと思います。

縫い目の改善方法

まず、下糸を引き上げてから縫い始めたほうが縫い目はきれいです。

そうではなく、自動糸切り後にそのまま縫いたい場合は、「上糸を押さえ下にし、少し引っ張りながら縫い始めると、少し汚さが解消される」という裏技を教えてもらいました。引っ張るというか、押さえる感じです。思い切り引っ張っていいのかは不明です。

たぶん、だいたいの人はそれで解消されるのではないかと予想します。(なぜ私はだめなのか。やり方の問題か、ミシンが壊れたのか?)

試したところ、汚さは軽減されたのですが、絡まった感じは残りました。(2つとも少し引っ張って縫い始めたもの)

縫い始めの裏縫い目

絡まった感じは何だろうと思って、返し縫いせずに縫ってみました。上段が下糸を上げた時、下段が自動糸きりの時です。自動糸きりの場合、下糸が前方に出て、そこが絡まりやすいのかと思いました。

縫い始めの裏縫い目返し縫い無し

「押さえ金の下に上糸を入れればいい」という情報もありましたが、機種(?)にもよるのかも。押さえ金で上糸を押さえるだけではいまいちで、上糸を引っ張って縫い始める必要がありました。

その後、上に書いたように糸調子のトラブルが発生しまして、「上糸を引っ張って縫い始める」という行為は通常動作ではないので、やらないほうがいいかも?という気もして不安になりましたが、糸を押さえて一目縫うぐらいはよさそうです。

まずは、「自動糸切りをしたら、糸は上に引き上げてから縫う。糸は押さえ金の下にする。糸を押さえながら一目縫う」ことをおすすめしたいと思います。

私の場合は、完全には解決していません。機種の違いやミシンの個体差かと思っています。


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