ブルーベリーの実で染まる色と色変化テスト

ブルーベリー染めテスト赤紫と青紫

ワークショップに向けて、ブルーベリーの染色テストをしています。ブルーベリー色に染めたいです。

ブルーベリーの実の場合、加熱せずに酸でもみ出す方法もありますが、ブルーベリーそのままの色も染めたいので、まずは煮出す方法を試しました。染めたのはコットンです。

クエン酸を入れるかどうか、アルミ媒染と鉄媒染の違い、日光と洗濯での色の変化を確認しました。濃染しなくてもコットンに色が入りました。

もう少し濃く染めたいのでテストを続けます。

※その後のテストはこちら→ ブルーベリーの実の草木染めテスト ブルーベリー染め濃染テスト

染めた日:2019年5月28日~2019年5月29日

ブルーベリーの実の染色テスト結果

酸を入れた場合と入れない場合

左側が煮出した後に染液にクエン酸を入れて酸性(pH3)にした場合。右側が、そのままの染液。酸性にすると赤味が出ます。アルミ媒染です。

ブルーベリー染めテスト赤紫と青紫

どちらも紫色で、よい色です。そして、パーソナルカラー色見本と比較すると、パーソナルカラーはサマーだと思われます。わたしはパーソナルカラーがサマーなので、うれしいです。

ブルーベリー染め赤紫とサマー色見本

ブルーベリー染め青紫とサマー色見本

※パーソナルカラーについてはこちら→ パーソナルカラーのこと

アルミ媒染と鉄媒染

アルミ媒染(みょうばん)と鉄媒染(木酢酸鉄)では、色の傾向は変わりませんでした。

写真の上段:クエン酸入り 下段:クエン酸無し
写真の左側:アルミ媒染 右側:鉄媒染

ブルーベリー染めアルミ媒染と鉄媒染

鉄媒染液に入れた際は暗い色になったので効いてはいると思います。鉄媒染で暗い色になっても、再び染液に戻すと元の色に戻ります。

日光による色落ち・色変わり

一日ベランダに干してみました。色が薄くなります。青色が減った感じです。赤紫がピンクっぽくなりました。写真はアルミ媒染です。

写真の上段:クエン酸入り 下段:クエン酸無し
写真の左側:室内日陰で保存していた生地 右側:ベランダに1日干した生地

ブルーベリー染め日光堅牢度テスト

洗濯による色落ち・色変わり

洗濯すると、色が薄くなります。特に赤味が飛びます。

写真の上段:クエン酸無し 下段:クエン酸あり
写真の左側:室内日陰で保存していた生地 右側:中性洗剤で1回手洗いした生地

ブルーベリー染め洗濯堅牢度テスト

ブルーベリー染めで思ったこと

水洗いで赤味が抜ける

酸で赤味を出した場合に、染液後に水洗いをするとやや赤味が抜けます。

写真の左側:水洗い前 写真の右側:水洗い後

ブルーベリー染め洗う前と洗った後

ペーハーが中性に近づくからか、水道水の中のカルシウムやマグネシウムなどの金属の影響なのか。

追記:その後のテストで、クエン酸液を作って洗ったら、色が抜けなかったので、ペーハーの問題かと思っていますが、はっきりした原因はわかりません。

アルミ媒染

酸を入れた場合、染液後にアルミ媒染すると、媒染液に紫色が出てしまい、布の色も薄まりました。

下の写真は、みょうばん媒染をした後の、媒染液の残液です。きれいな紫色です。

媒染後の媒染液の色

普通の草木染めの場合、染液と媒染を交互に繰り返すことで濃く染めていくのですが、アントシアニン系で赤味を出す場合、媒染を繰り返すとよくない感じがします。媒染回数が少ないほうが染着濃度が高い、と書かれた論文もみかけました。

キッチン染めの書籍をみると、アントシアニン系色素の場合、アルミ媒染や鉄媒染をせず、酸を染液に入れるだけという方法がとられることが多いです。酸媒染として、酸に媒染の役割をさせて色止めにします。

食酢(酢酸)とクエン酸のどちらを使うか

酸を入れると染液が赤くなり、赤紫に染まります。

ブルーベリー染液は酸性で赤色

キッチン染めなどの書籍では、酸として酢酸や食酢を使うものが多いです。一方で、クエン酸のほうが染着効果が良好、という論文もみかけました。

ニオイや運びやすさを考えると、効果が同じならクエン酸を使いたいですが、食酢もやってみてから決めようと思います。

アントシアニンの中では安定しているかも

アントシアニンの中でも、ブルーベリー、ビルベリー、ブドウはアントシアニンの種類が多く含まれているので、色調が安定しやすいそうです。

※アントシアニンの染め方のコツはこちら→ アントシアニン色素で染めたい

そう考えると、無理に酸で赤味を出すよりも、ブルーベリーそのものの色を染めたほうがよい気もします。

確かに、ブルーベリーの実の染色は、巨峰の皮の染色と似ています。巨峰で染めた時は、ウールだったこともあって、しっかり染まった感じがありました。そういう方向で染めたいです。

※巨峰の皮でマフラーを染めた話はこちら→ ぶどうの皮でウールマフラーを染める

保存方法

染めた布は、日光と空気にふれないように、日陰でビニール袋に入れて保存するとよいそうです。

ブルーベリーの実染色テストの材料

  • 冷凍ブルーベリーの実 100g
  • 木綿のハギレ(オックスフォード生地) 20cm×20cm 7g 4枚
  • みょうばん(スーパーで購入した食品用)4g
  • 木酢酸鉄液(誠和で購入したもの)うわずみ2滴
  • クエン酸 4g (2枚分)

ブルーベリーの実染色テストの手順

  1. 事前の準備:生地を中性洗剤で洗い、40度程度のお湯につけておく
  2. ブルーベリーの実100gを2リットルの水で煮る(沸騰後20分、弱火)
  3. こし布で実をこして、染液とする。
  4. 染料が布の重さ2倍になるように、染液280ccを1枚分として小分けする
  5. 赤紫に染める分には、クエン酸(粉末)1枚あたり2gを入れて混ぜる
  6. 染液に布をひたす 60℃ 20分
  7. 水洗い
  8. みょうばん媒染 常温 20分
  9. 水洗い
  10. 再度、染液に布をひたす 20分
  11. 日陰干し、アイロンがけ

アントシアニン系の色素、調べていくと奥が深いです。とりあえずテストを続けます。