沈殿藍その後。

2021年に作った沈殿藍のその後の活用について書きます。
化学建てやブドウ糖建てを練習したいと思いつつ、放置していた沈殿藍を、発酵建ての割建てに使ってみました。
目次
自家製沈殿藍
2021年夏に沈殿藍作りに6回チャレンジしました。藍を初めて地植えで育てたら思ったよりも育ちすぎてしまい、何か活用したいと思って行き当たりばったりに作った沈殿藍でした。

沈殿藍を活用するためには、建てる(還元させて染める)必要があります。薬品を作った化学建てが普通ですが、薬品は取り扱い注意の上に時間経過とともに酸化して力が弱まるので、古い薬品の使用量をどうするか、捨てて新しい薬品を買うのもなあ、という悩みがあって、なかなか手が出ずにいました。
※沈殿藍作りの話はこちら→ 沈殿藍作り。結構むずかしい。
ブドウ糖建て
その年は、少しだけブドウ糖建て、バナナの皮建てをテストして、色は薄いものの染まったので「たぶんできているだろう」という結果でした。
※ブドウ糖建ての話はこちら→ 自家製沈殿藍のブドウ糖建てテスト(錠剤)
発酵建てミックス
沈殿藍を放置したまま、2022年は少量のすくも作りを習い、2023年はすくも発酵建てにチャレンジしました。
藍染で板を型染めしたいと思ったので、その発酵建ての液を少し取り、別にして使うことにしました。型染めをする時は、糊置きをします。発酵建てはデリケートなので、液に糊を入るのは影響がありそうです。なので、少し液を取り分けて、分家にして染めることにしました。
液を少しとって型染めしたのですが、色素が少なすぎてムラになりました。(板を浸し染めすること自体ちょっと無理があるのかも)

色素が足りないなら割建てにすればよいのでは?と思って、自家製沈殿藍を追加することにしました。
2023年夏、久々に保管ペットボトルを開けてみて、沈殿藍6回分のうち、3回分は、まともな雰囲気(紺色ドロドロ、嫌な臭いではない)で、残りの3回分は、変な匂いがする緑色のサラサラした液体でした。
まともな雰囲気(沈殿藍1回目,4回目6回目)

変な雰囲気(沈殿藍2回目,3回目,5回目)

とりあえずまともそうな沈殿藍1回目を、ビニール袋に分家させた藍液へ投入しました。

pHメーターが壊れてpHが正確にわからないまま、手探りで発酵建てのやり方でお手入れして数日後。ギラギラ染まりそうな雰囲気に。

なんとか染まりました。

この板は、残留物の冷蔵庫を郵便受けにするのに使ったものの、日当たりがよすぎて色褪せてしまった上、冷蔵庫を廃棄したので役目を終えました。

その後、残った液を徐々にかさ増しさせて、色が抜けてしまったパーカーを何度か染めて、染め直しました。

まともそうな沈殿藍を少しずつ追加してから、冬眠。翌年2024年には、変な雰囲気の沈殿藍も追加しました。どぶっぽい匂いになりました。
草木染めで黄色だったポロシャツに重ね染めしようとしてムラになり失敗。大きさ的に無理しすぎました。(このポロシャツは色抜きして黄色に染め直しました)

その後は反省して小さめに、ストールやコースターの薄い部分を染めたり(濃い部分は発酵建て)、下着を染めたりしました。


色が減った気がしたので、沈殿藍の色はこのあたりまで。分家液には2024年の最後にインド藍を追加して、冬眠させました。(2025年6月現在、インド藍の色はまだうまく使えてない感じがします)
というわけで、手作りした沈殿藍のその後について書いてみました。
※藍建てやスクモ作りの方法などについてはお答えしていませんが、その他不明点やアドバイスがありましたら、お問い合わせフォームもしくはインスタグラムから、お気軽にお知らせください。