紺屋めぐりツアー参加、染物工房で体験

年に一度、2週間のイベント「紺屋めぐり」で染色工房を見学してきました。紺屋めぐりでは、中井駅から、下落合駅、高田馬場駅と経由して、早稲田駅までに点在する染物工房の見学ができます。

着物の反物を作る本物の職人さんとお話できる機会も、着物が作られる工房に出入りできる機会もなかなかないので、貴重な体験でした。

個人でも回れるのですが、よくわからず染の小道サポーターのツアーに参加しました。ツアーは無料で、体験費は別途工房で支払います。

10名程度でまわったのですが、参加者のほとんどが外国人観光客でした。なんだか自分も国際交流しながら観光気分になってきて、楽しかったです。東京都内で江戸文化体験といったところ。

ボランティアガイドさんが日本語と英語の両方で案内してくださったので、英語の勉強にもなりました。

引染の工房で下処理を体験

まず、「ふじや染め工房」で地入という下処理の工程を体験しました。体験費500円。

昔ながらの雰囲気のある工房です。

ふじや染工房

職人さんから説明を受けながら、まずは布をぴんと張るために、両端に小さな針のついた竹の棒(しんし)をつけていきます。

この道具を見たことはあったけれど、張るのは初めて。思ったより弾力があって、布の端、ミミ部分が5ミリぐらいしかないので、そこに針を刺すのが難しい。

布を張る工程

そして、ハケで海苔の液をささっと塗る体験。余白なく、液だれしないように、均一に塗ります。ハケの持ち方を習ったのに、後から写真を見ると、教わったとおりに持てていないですね。

海苔を塗る工程

工房の床は土間。垂れた染料が乾燥して粉になると舞い上がって影響するので、水分を吸収する土間のほうがいいそうです。天井も、水滴が落ちないような材質でできているそう。

ふじや染工房の土間

工房の色見本。オーダーで着物を作る際にお客さんが色を指定して、7色の化学染料を組み合わせて色を作り上げていくそう。

ふじや染工房の色見本

私が興味があるのは草木染めだけれども、色を重ねて目的の色を作り上げていくっていう染色も素敵だなと思いました。下の写真が、元となる7つの色。

7つの元となる色見本

一方的な説明ではなくて、質問をして話を聞けて、それが本物の職人さん、というのが嬉しかったです。色を定着させるために蒸すところや、糊を落とすために水洗いする場所も見学しました。

紅型染めの工房見学

次に行ったのは、紅型染めの「おかめ工房」です。この工房の雰囲気は、体験スペースだからか染物教室に近い感じ。工房のおかみさんの、ちゃきちゃきした感じの、染めについて熱い説明を聞きました。

型染めの工程説明

南国の鮮やかな沖縄の紅型と比べても、京都の公家文化の染物に比べても、東京の紅型はイキでイナセなシックな色合いだとか。でも、私は十分鮮やかな色あいだと思います。

型染め見本

型染めで絵が描かれた長方形の布は、手ぬぐいではなくて半衿だったりして、染物といえば着物なんだなあと実感しました。

なぜ沖縄の染物が東京に来たのかの説明の中に、昔の民芸ブームの話があり、染色家の芹沢圭介さんの名前が出てきました。

今年、工芸館で柚木沙弥郎さんの染物展示を見て、その影響で芹沢さんの本を読んだばかりだったので、気になりました。型染めの、白い線(糊を落とした部分)が好きです。白抜きが好きなのかも。

この工房の型染めワークショップ(4000円)は、紺屋めぐりシーズンでなくてもやっているので、いつか体験しに行きたいです。

小紋がイキだと知る

最後は更紗の二葉苑に行きました。リノベーションされた近代的な建物の中に昔ながらの工房が組み合わさった、美術館みたいな雰囲気のきれいな建物です。

二葉苑の工房

ペットボトルや一升瓶?に染料がいっぱい並んでいました。ペットボトルに保存することってプロも普通にすることなんですね。

二葉苑の工房の染料

ワインのような染料

小紋の説明を初めて聞きました。遠くから見ると無地っぽいのに、近くからみると細かい模様になっているのがイキ。

いろいろな小紋柄

私は着物にまったく興味がないのですが、小紋の生地は模様もよるけれど好みかもしれないです。地味に見えるのに本当は図柄で意味もあるというのがかっこよい感じがします。

模様をつける際に染料がつかないようにするための糊は、もち米系の糊。灰色なのは炭の色。厚みが均一かわかるように色がついているそうです。

もち米系の糊

体験用に糊が置かれた生地(上の写真)や、体験でカラフルに染まった反物(下の写真)を見かけました。
今回のツアーでは見学だけだったので、次回は私もワークショップ体験に参加したいです。
二葉苑の体験用布

染物体験された反物

二葉苑2階のベランダからは妙正寺川が見えます。昔はこの川で糊を洗い流す工程をしていたとか。染めの小道イベントの際に高圧洗浄機で描かれた模様が川沿いに見えました。
妙正寺川の型模様

紺屋めぐりで思ったこと

  • 染色にはいろいろな工程や技法があって、それぞれに職人ワザがあって、すべてを自分ではできない。
  • 型紙が細かくて、染める人よりも型紙をデザインする人や彫る人にあこがれを感じた。
  • 自分でオリジナルの図案を作って型染めしてみたい。
  • 2~3時間で3つの工房を回り、体力的に疲れた。仕組みはわかったので、次は個人的に行ってみよう。
  • ワークショップや見学は、観光用に形が決まってしまうと面白さが減るけれど、わかりやすく、参加しやすくなる。自分がするとしたらと空想したら、面白くしたい。