セルビッチな手作りズボン(五倍子染め)

手芸店で見つけたセルビッチキナリ2mを使って、自分用のズボンをミシンで縫いました。
紫がかったグレーに草木染めで染めました。染料は五倍子(ごばいし)。一番好きな染料かも。
手作りズボンについて書きます。
目次
セルビッチの生成生地
草木染めではキナリの生地が染まりやすいので、キナリの生地を探していて目に止まったのが、セルビッチキバタという2mカットクロス商品でした。綿のカスが入っていてキナリっぽいです。

ホームセンターにある手芸店で売ってました。さすが岡山。
セルビッチ(セルビッジ)とは何か?調べたところ、旧式のシャトル織機で織られいて、横端は赤糸でほつれ止め。デニムの色が縦落ちしてかっこよく育つらしい。質感も味があるらしい。
そして、布幅が狭いので、布の量が倍必要=高価。織る時間もかかる=高価。というもののようです。
購入した生地は幅が狭いといっても98cm幅あったので、2mあれば前身頃2枚、後身頃2枚、残った部分でポケットやベルトなど部品が取れる。と判断しました。
ローライズ、ローウエストがお腹がきつくなくて好きなので、なんとか2mで自分サイズ分とれます。足が短くてよかったです。
セルビッチデニムはズボン脇の端処理に赤耳を使い、裾をロールアップして履いて「赤耳ですよ」って見せるものらしいです。型紙の脇がまっすぐになる、ということですよね。ツメツメで裁断するので、それは無理でした。寸法ギリギリなのでロールアップ自体無理かも。
綿ポリで、ポリエステル3%入っていました。ストレッチ感があってズボン的にうれしいです。
布の表裏判断に迷う
パット見て表地と思っていた部分を改めて見直したら、裏だと思ったほうが綾織の布目がくっきりしていて、逆ではないかと思いました。
この、上に置いたほうが表、と当初思いました。ノの字。でも、よく見たらノの字は薄くて、横線も目立ちます。裏を見ると逆ノの字がくっきり。

まあ、ハンドメイドで自分の服を作るのだから好きな方を使えばいいのですが、わかっていて使うのと、わからなくて使うのは違うというか、モヤモヤします。
生地の表裏の判断、苦手です。
綾織はくっきりしているほうが表、左綾というものが世の中にはある(ツイルに多い)という情報を信頼して、斜め線がくっきり側を表として使うことにしました。
手持ちのツイルズボンは全部ノの字=右綾です。逆ノの字はミの字と言うらしいです。知りませんでした。
左綾について調べたところ、綾目が目立ち、光沢があり、やわらかくてしなやか、デニムの色落ちは縦落ち、という特徴があるようです。
やわらかい、という特徴は、後染めする身にはありがたいかも。
縫ってみて思ったのは、裏から縫っていても、「あれ?今表から縫っちゃってない?」という気持ちに度々なること。自分が思うよりずっと、ノの字=表地という感覚があるみたいです。
染めてみたら、裏側がザラッとして裏っぽい雰囲気になったので、そっちを裏にしてよかったです。
キバタ糊抜き
生機(キバタ)というのは、織り機で織り上がったそのままの生地。染めるなら糊落としが必要です。
まず水通しを兼ねて、半分1mに切って、キバタなので糊抜きをしました。糊抜き剤を使いました。煮ると結構縮みます。

糊抜きよりも、糊抜き後のゆすぎが大変。
糊抜き後は、洗濯機でトップクリアリキッドで洗いました。
仮縫い
ズボンを作るのは久々なので、体型も随分変わっていて、パターンを見直しました。仮縫い。
後から考えると、部品を染めるのが大変だったので、染めてから仮縫いすればよかったです。でも「まずパターン決めよう」という気持ちになってました。
縫い代をたくさん残して縫ったところ。

試着。裾丈がギリギリでしたが、なんとかいけそう。ストレッチ入っているからか布が丸まります。

ウエストやズボン幅を変えたりしました。仮縫い終了。

草木染め1回目
草木染めするために仮縫いをほどきました。念の為、残った切れ端も一緒に。

縫製してから染めてもよいのですが、硬い生地だと縫い重なる部分が結構白っぽくなるので、一度染めてから、縫製して、縫製後に再び染めることにしました。
染料は少し迷ったものの、好きな色にしたいと思って、五倍子(ごばいし)にしました。紫っぽさの入ったグレーになります。オータムカラーが苦手なので、ブルーベースの色味が好きです。
ヌルデの木の虫こぶ。乾燥染料が売っています。岡山だと、山の方にあったりもします。

煮出した液で染めているところ。鍋に入らないので衣装ケースを使ってます。

媒染というのをすると発色するのですが、媒染後に染めているところ。いい色です。

ストレッチが効いているからか、端切れや小さい部品は縦方向にクルクル巻いてしまって、手で広げながら染めたものの、染まりにくかったです。

一度目の草木染め終了。乾いたところ。クルクル巻いた部分が薄い色でした。でもいい色。

薄かった部品だけもう一度染めました。鉄媒染が濃すぎたのか、思ったより濃い色になって、ちょっと失敗。

縫製
普段は、縫い代付きの型紙で裁断して縫い代が1cmなら1cm内側を縫うので、縫う線を書いたりしないのですが、今回は特別。
久々にチャコペーパーを使いました。縫い線を引くの、とても面倒くさいです。

上の写真を見ると、ほつれた糸が濃色なのがわかると思います。こういう時、やっぱり糸を染めて織るのが基本なんだと感じます。
ミシンはJUKIの家庭用ミシン、エクシードドレスメイクを使っています。
だいたい縫い終わったところ。ジーンズボタンが安心で好きなので、プライヤーを使ってつけました。

ボタン部品を表裏に置いてプライヤーでぐいっと挟むと一瞬で付けられます。説明書にはハンマーで叩くと書いてあるけれど、私はハンマーで叩くの苦手です。

ジーンズボタンが付いたところ。ボタンホールはこのあとミシンで作りました。

縫製完了。部品ごとに濃淡が出てしまいました。ポケット布と後ろヨークが濃くて、ウエストベルトが薄い。

染まるように木綿カタン糸の白糸で縫っています。太さは30番。白いステッチはそんな変じゃないです。
草木染め2回目
本体部分は気に入った色になったので悩みましたが、これも経験、と思ってもう一度重ね染めすることにしました。
薄めに染めました。裾の中が見えてますが、丈がギリギリなので三つ折りできなくて、端ミシンしてステッチしました。

手作りズボン完成
手作りズボン完成!思ったより赤みが強く濃色になりました。でも好きな色です。

草木染めは使ううちにだんだんと色が変化していくので、これも変わっていくはず。
鉄媒染でザラッとした質感になってしまったのが反省点。クルクル巻いてしまい染め直して、計3回染めた部分が目立ちます。薄かったウエストベルトは馴染みました。糸の染まりも薄かったですが馴染みました。

今回すごく悩んだ後ろポケット。ケータイサイズが大きくなったのでポケットもサイズアップしたかったのですが、バランスが取れずにいつもの大きさになりました。

赤耳をどこかに入れないと、と思ってウエストベルトの後ろ側に使いました。(下の写真のボタンの背後にちらっと見えます)カーブベルトにしたので、すごくめんどくさかったです。やめればよかったです。

手作りズボンで思ったこと
- たくさん履こう
- 手持ちのジーパンがボロボロすぎてその代わりにと作ったものの、代用にはならなそう。デニムでジーパン作ってみたい。
- 太もも前にポケットが付いたワークパンツ作りたい(ケータイ入れたい)
- 直線ベルトでもよかったかも
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